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『まんが日本昔ばなし』←なぜアニメなのに「まんが」なのか?【今年で放送50周年】

マグミクス / 2025年1月26日 19時25分

『まんが日本昔ばなし』←なぜアニメなのに「まんが」なのか?【今年で放送50周年】

■50代以上の人なら分かるはず?

 1975年1月、アニメ『まんが日本昔ばなし』(NETテレビ/現・テレビ朝日系)が放送スタートし、2025年で50周年を迎えました。番組は3月で終了しますが、1976年1月からTBS系で再スタートし、レギュラー番組としては1994年9月まで長く愛される国民的アニメとなりました。

 ところで、タイトルを見て「番組は『アニメ』なのに、なぜ『”まんが”日本昔ばなし』なの?」という疑問を持ちませんでしたか? 「まんが」といえば、紙の本を思い浮かべる人が大多数でしょう。

 実はこれには明確な理由があります。「『アニメ』のことを、かつては『テレビマンガ』と呼んでいたから」なのです。例えば、映画『東映まんがまつり』も同じ理由になります。

 では「テレビマンガ」という言葉は、なぜ生まれたのでしょう? 「マンガ」はそもそも紙の印刷物で観るというのが常識です。そのマンガをTV番組にしたので「テレビマンガ」と呼んだわけです。つまり、マンガをセル画に描いて動かしたアニメも、マンガを実写・特撮で映像化した『仮面ライダー』なども含めて、子供対象のヒーロー番組のほとんどが「テレビマンガ」としてくくられたのです。

「アニメ(animation)」は、もともと複数の静止画像を用いて動きを作る技術の総称で、1963年に手塚治虫先生が『鉄腕アトム』をTV放送する際には、すでに「アニメ」と呼んでいたそうです。しかし「アニメ」はいわゆる業界用語なので一般的ではありませんでした。

 時代が変わったのは1975年以降の「アニメブーム」です。この年、『宇宙戦艦ヤマト』が再放送でブレイクするのをきっかけに、雑誌などで「アニメ」という単語が使われはじめます。1978年には「月刊アニメージュ」というアニメ専門誌が登場し、1979年『機動戦士ガンダム』のブーム以降は、「テレビマンガ」という用語は消えて行きました。

 簡単な説明でしたが、アニメなのに『「まんが」日本昔ばなし』の理由がお分かりいただけたでしょうか。最後に、『まんが日本昔ばなし』のトリビアをいくつかご紹介しましょう。

●1975年1月、第1回第1話は「こぶとり爺さん」。

●再スタートの1976年1月、第1回第1話は「一寸法師」。

●1994年8月まで1466話放送。日本には昔話(民話や寓話など)が約6万話はありますが、放送したすべての話が日本の昔話かは不明です。倫理上NGな内容もかなり存在するため、脚色したものは多々あると思われます。完全な創作もあるようです。

●全話の声優は、市原悦子さんと常田富士夫さんのふたりだけです。収録当日、台本を見ながらパート分けされ、リハーサルで映像を1度見て本番。市原さんいわく「何でもかんでも、動物、人間、鉱物、植物、そこらへんに転がっている石、う○こ、それまで声にしますよ」。最大で、1話中に10人以上をひとりで演じたとか。

●ED曲は「にんげんっていいな」が有名ですが、7曲変わっています。

(石原久稔)

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