「『ドラクエ3』リメイクはHD-2Dでなくフル3Dにすれば安く売れたってことですよね？」質問に「それは違う」回答続々「開発費で定価が決まるわけでは…」

■比較されがちなHD-2D版『ドラクエ3』と『ロマサガ２』リメイク

「『ドラクエ3』リメイクはHD-2Dにこだわって貴重なドット絵職人を使わず、『ロマサガ２』リメイクのようにフル3Dにすれば安く売れたってことですよね？　ユーザーは価格＝ボリュームを期待しているのに、『すごろく』や『モンスターメダル』もなし。フル3Dにすれば若者世代からの新規ユーザー獲得も期待でき、今より低価格で販売できたってことですから」

　HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に関する質問が大手質問サイトに投稿され、「それは違う」という回答が続々と寄せられています。質問者は希望小売価格7678円（税込）のHD-2D版『ドラクエ３』と、6820円（税込）の『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』（以下、『ロマサガ2』リメイク）の価格差が、開発費の差であるとしています。

『ドラクエ３』の具体的な開発費が明らかにされているわけではありませんが、HD-2D化するのに必要なドット絵が描ける人材は希少とされています。逆に、現在の主流でもあるフル3Dのほうが人材は豊富で、開発コストもHD-2Dよりも抑えられるのでは、と考えられています。

　しかし、回答者からは「開発費の差で定価が決まるわけではない」という意見があがっています。「『ドラクエ』はブランド代」という意見もあり、ビッグタイトルなだけに、いくら開発費が安く上がったからといって、それが価格に影響はしないという考えです。

　また、質問者は「フル3Dのほうが若年層も取り込める」としていますが、「3Dは、既存ファンから拒否反応が出そう」「3D酔いするから、2Dのほうが良い」「フル3Dのほうが良かった、という意見はよく見るが、それが多数派とは思わない。そもそもフル3Dにしたからといって新規層が来るかは微妙」という回答もありました。

「ボリューム不足」についての指摘には、「フル3Dのほうが、HD-2Dよりもボリュームがあると考えているんですか？　フル3Dにしたからといって、すごろくやモンスターメダルがないのは変わらないし、そこに不満を持つ人は満足するわけではないので、根本的な問題ではないです」という回答がされています。

　HD-2D版『ドラクエ3』と『ロマサガ2』リメイクは、ともにスクウェア・エニックスのソフトで、リメイク作かつ発売時期が近かったことから、何かと比較されがちです。とはいえ、歴史もファン層も違うシリーズを比較すること自体がナンセンスではないでしょうか。HD-2D版『ドラクエ3』に対しては「こうしてほしかった」と不満の声があがっているのは事実ですが、幼少時の思い出が蘇り改めて感動をおぼえた人、初めて「ドラクエ」の面白さを知った人がいるのも確かなのです。

HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』：
(C)ARMOR PROJECT／BIRD STUDIO／SPIKE CHUNSOFT／SQUARE ENIX　(C)SUGIYAMA KOBO　(P)SUGIYAMA KOBO

（マグミクス編集部）