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5月17日は水谷優子さんの命日 病室に台本を、最後の言葉は「仕事に行きたい」

マグミクス / 2020年5月17日 8時10分

5月17日は水谷優子さんの命日 病室に台本を、最後の言葉は「仕事に行きたい」

■最後まで仕事に行きたがっていた水谷優子さん

 5月17日は2016年に亡くなった声優、水谷優子さんの命日です。1985年に『機動戦士Zガンダム』のサラ・ザビアロフを演じ初のレギュラーをつかむと、『マシンロボ クロノスの大逆襲』のレイナ・ストールや『赤い光弾ジリオン』のアップルで大きな注目を浴び、人気声優の仲間入りを果たしました。その後も『エースをねらえ!2』の岡ひろみや『ちびまる子ちゃん』のお姉ちゃん、『ふしぎの海のナディア』のマリー、『天地無用!』の美星などを演じ存在感を発揮する一方、ゲームでも『スーパーロボット大戦OG』でエクセレン・ブロウニングに命を吹き込むなどさまざまなメディアで活躍されました。最初にファンになった声優が水谷優子さんだったライターの早川清一朗さんが、思いを語ります。

* * *

 2016年に水谷優子さんが亡くなる直前、少し体が悪いといううわさは耳にしていました。それでもまだ50代に入ったばかりでしたので、まさか亡くなってしまうとは思いもしませんでした。死因は乳がん。体調不良にも関わらず4月22日まで『ちびまる子ちゃん』のアフレコに参加しており、5月22日・29日放送分の収録を終えた後、約1週間後に入院し、そのまま還らぬ人となりました。病室にも台本を持ち込んでおり、最後の言葉が「仕事に行きたい」だったという、根っからの、芯からの役者でした。ここに心からご冥福を祈りたいと思います。

 さて、筆者が初めて水谷優子さんを知ったのは、1987年に放送された『赤い光弾ジリオン』(以下、ジリオン)のアップルでした。特殊部隊「ホワイト・ナッツ」のメンバーとして光線銃「ジリオン」や戦闘用三輪バギー「トライチャージャー」のアーモレーター形態を身にまとっての格闘戦で次々とノーザ兵を倒していく姿、そして強烈な魅力を放っていた胸の谷間に、まだ中学生の筆者はあっという間に引き込まれていったのです。

 この頃、声優の存在は当然知ってはいましたが、誰がどのキャラをやっている、というのはあまり意識したことはありませんでした。しかしアップルだけは「このキャラは誰が声をあてているんだろう?」と異常なまでに気になり、水谷優子さんの名前が頭に刻み込まれることになったのです。思えば『ジリオン』でエイミ役を演じた本多知恵子さんも既に鬼籍に入られているのが残念でなりません。

■幅広い役を演じ分ける確かな実力

『天空戦記シュラト』ラクシュ役 画像はサウンドトラック『天空戦記シュラト Soul Lovers Only!』(キングレコード)

『ジリオン』の終了後、次に筆者がたっぷりと水谷さんの声を聞くことができた作品は、『天空戦記シュラト』(以下、シュラト)です。この作品では『ジリオン』の「ホワイト・ナッツ」を務めた関俊彦氏、井上和彦氏、そして水谷さんの3人が主要キャラを務めており、「やった!ホワイト・ナッツがそろってる!」と大喜びしたのをよく覚えています。

 なお『シュラト』の世界設定を担当したのが脚本家・作家のあかほりさとる氏で、これ以降、水谷さんはあかほり氏作品の常連となり、『爆れつハンター』のショコラ・ミスなど印象深い役を次々と演じるようになります。

 また1994年の4月から放送が開始されたラジオ番組「あかほりさとる劇場 爆れつハンター」では水谷さんとあかほり氏のコンビでパーソナリティを務め、その後さまざまに名前を変更しながらも「ポリケロシリーズ」として継続していた番組を、2016年の逝去まで実に22年2か月の間、見事に務め上げ、多くの人に笑顔を届けてくれました。

 私生活では『ジリオン』と『シュラト』の両作品で監督を務めていた西久保瑞穂氏と1994年に結婚しています。しかしその後も仕事のペースはまったく衰えることなく、『機動新世紀ガンダムX』のカリス・ノーティラスでは男性役、『デジモンアドベンチャー』の武之内空で少女役、『ブラック・ジャック』ではピノコでは幼女役、さらには複数の作品でお母さん役を演じるなど幅広い役柄を演じ分ける実力の高さを発揮し、見事な活躍を続けていました。

 ただ、2005年から2006年にかけて上映された劇場版『機動戦士Zガンダム A New Translation』では水谷さん初のレギュラーキャラだったサラ・ザビアロフの再オーディションを受ける気満々だったそうですが、連絡が来ることなくオーディションは終了してしまったことをとても残念がっておられました。2005年バージョンのサラ・ザビアロフをもし水谷さんが演じていたらどうなっていたのか、聞いてみたかった気もします。

 正直、水谷さんが出演している作品の数は膨大で、少し前の作品を見ればいくらでも声を聞くことができます。水谷さんは、かつて演じたキャラクターたちとして、今もさまざまな場所で生きている。そのように感じられてなりません。

(ライター 早川清一朗)

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