『ジークアクス』を読み解くカギ? 「MAV(マヴ)」は「リアル戦術まんまやん!」
マグミクス / 2025年2月1日 7時20分
■モビルスーツ戦術の「リアリティ」
話題沸騰中の劇場先行版『機動戦士ガンダムGQuuuuuuX(ジークアクス) -Beginning-』において、興味深い戦術概念「M.A.V.」、通称「マヴ」が登場し、ファンのあいだで注目を集めています。モビルスーツ(MS)が2機ひと組で戦闘を行う戦術であり、その連携は戦場での生存率と戦闘力を大きく左右するといいます。興味深いのは、このマヴ戦術が現実世界の航空戦闘における戦闘機編隊の戦術と極めて類似している点です。
マヴは、劇中における先の戦争期に開発されたMS戦術であり、いまでは教本にも記載されているとされ、歴史の浅いMSにおいても早期から確立された戦術であることがうかがえます。また、おそらくは日本語の「マブダチ」の「マブ」とかけているものと考えられ、劇中、戦術におけるパートナーを「○○のマヴ」などと呼称しています。
現実の戦闘機史を振り返ってみると、航空戦における基本単位として2機編成の戦術が確立されたのは1930年代末期でした。この編成は、「ロッテ(ドイツ語で“Lotte”)」あるいは「エレメント(英語で“Element”)」と呼ばれ、世界中の空軍で採用されました。戦闘機パイロットは単独で戦うのではなく、リーダー機と僚機の2機編隊で行動し、互いの視界を補完しながら敵を迎え撃つというものです。
マヴの基本ルールは、戦闘機のロッテ戦術と驚くほど似通っています。ロッテの役割の基本はリーダー機と僚機の役割分担です。1個のロッテは1機が主導権を握り(リーダー)、もう1機がそれをサポート(僚機)します。特に重要な要素が互いの死角をカバーしあうことであり、僚機がリーダー機の後方を監視し、またリーダー機が僚機の後方を監視し敵の接近を察知します。
戦闘機の空中戦における重要な戦訓として、「撃墜された者のほとんどは自分を撃ったものを見ていない」という言葉があります。これはつまり、空中戦は「先手必勝」であり「先に敵を発見したほうが勝利する」「先手を奪われたとしても敵機を発見していれば敗北は避けられる」という意味でもあります。相互に監視しあうロッテは戦闘機戦術の基本として、現代のネットワーク化されたジェット戦闘機にも引き継がれています。
マヴにおいても同様であり、いかに早く敵の位置を把握し、リーダーと僚機が連携して攻撃を行うか、そして先制攻撃の重要性が強調されていました。
これまでの「ガンダム」シリーズ作品では、チームプレイが描かれることは珍しくなかったものの、特に主人公が2機のMSを単一の戦闘ユニットとして戦闘を行うシーンはあまりなく、空戦のリアリティを踏襲した『ジークアクス』は珍しい作品であるといえるかもしれません。
『ジークアクス』のTV放送版では、マヴの戦術が物語のカギとなる可能性があります。リーダーと僚機の関係性、互いの信頼や戦場での判断力といった要素が描かれることで、よりリアルな戦闘シーンが期待できます。さらに、マヴ戦術の発展として、戦闘機戦術と同様に2個のロッテすなわち4機編成の「シュヴァルム(ドイツ語で“Schwarm”)」や「フライト(英語で“Flight”)」の概念が導入される可能性もあります。これにより、戦闘がより戦術的になり、視聴者を引き込む要素となるかもしれません。
(関賢太郎)
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