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カセットテープでゲームしてたプレイヤーすら投げ出したロード酷過ぎなファミコンゲー

マグミクス / 2025年2月2日 21時45分

カセットテープでゲームしてたプレイヤーすら投げ出したロード酷過ぎなファミコンゲー

■長過ぎるロード時間にプレイを投げ出したファミコンのゲーム

 技術が進歩したことにより、令和の現代で「ゲームのロードが長過ぎてうんざりする」という話は滅多に聞かなくなりました。昭和から平成初期にかけてのゲーム作品には、この「ロード時間が長過ぎてイライラする」という現象がそれなりに見られ、そうした斜め上の方向からプレイヤーにインパクトを与えたことで広く知られるタイトルもあります。

 ファミリーコンピュータのディスクシステム用ゲームにも、そうした「ロードが長過ぎて進まない!」と叫びたくなるものが見られました。こうした話題でよく挙がるのは、1987年に発売された『レリクス暗黒要塞』(ボーステック)でしょうか。パソコン用ゲームとしてヒットした、現代風にいえばメトロイドヴァニアに分類されるであろうアクションアドベンチャーの移植作で、ゲーム開始と同時にありえないほどのローディングと向き合うことになります。

 この「ありえないほど」というのは大げさでもなんでもなく、たとえばマップの切替時にロードが発生するのはまだしも理解できるとして、そのマップのなかで自キャラを移動させるだけでもロードが発生するという、理解しがたい頻度でした。ロード中は「おまちください」の7文字が都度、画面に表示され、ゲシュタルト崩壊待ったなしです。アクションゲームのはずなのですが、「アクションとはなんぞや」という禅問答のような境地に達することでしょう。

 当時パソコンで、テープメディアのゲームをプレイしていた「ロードには辛抱強いはずのプレイヤー」も、この『レリクス暗黒要塞』は断念したといいます。

「テープと比べ、ファミコンのディスクシステムは格段に(ロードは)早いはずなのですが、それでも耐えられなかった理由のひとつは、『レリクス』がアクションゲームだからでしょうね。当時、というかファミコン発売当初から軽快なアクションゲームは沢山ありましたし、同じディスクシステムのアクションゲームでも、快適爽快なものは沢山ありました。操作性も褒められたものではなかったように思います」(50代男性)

 ここでいう「テープ」とは、いわゆる「カセットテープ」のことです。もはや見なくなって久しいこの記録メディアは、音楽用途のほかにも、パソコンなどでデータ記録用に使用されていました。ファミコンにも、おもに「ファミリーベーシック」向けの周辺機器として「データレコーダー」が発売されています。

■えっ、カセットテープでゲームって…?

真田広之さん主演声優でアニメ映画化もされた『カムイの剣』、原作小説は1970年に刊行。画像は徳間文庫の再刊版。『The Vagabond 流浪者たちの肖像#1 カムイの剣』著:矢野徹 (徳間書店)

 そのロード時間の長さは、現在の基準からいえば想像を絶するものでしょう。前述の男性は1985年に発売された、手打ちでコマンドを入力するタイプのアドベンチャーゲーム『カムイの剣』(コンプティーク)の、FM-7用カセットテープ版をプレイしたといい、「あちこち移動する必要があるのに、移動するたびにロードが発生して、そのたびに数分待たされました」とのことです。

 そこまで待たされるとなると、果たしてゲームとして楽しいものだったのでしょうか。

「『カムイの剣』はアクションの爽快感を求めるゲームではありません。加えて、85年はファミコン版『ポートピア連続殺人事件』が発売された年で、アドベンチャーゲームというものに初めてふれ、面白さを覚え、このジャンルのゲームに飢えていたというのもあって、だから『カムイの剣』はプレイできたのではないかと思います」(50代男性)

 もうひとつの理由として、「そうして待たされるのが当たり前の時代だったから」ともいいます。

「85年時点ではすでにパソコン用のフロッピーディスクも出回り始めていて、テープメディアの終末期くらいだったように思いますが(『カムイの剣』もフロッピーディスク版が発売されています)、パソコン用ディスクドライブはとても高額で、到底、親におねだりできるものではありませんでした。よって、パソコンでゲームをするのに『テープより速いローディング』というものを知らないわけですから、待たされて当たり前というわけです。そして『ファミコンにはないゲーム』を求めプレイしていたわけですから、そういうものとして受け入れていたように思います」(50代男性)

 当時は日進月歩で技術が進んでいた時代でもあり、ファミリーコンピュータ ディスクシステム用ゲーム『レリクス暗黒要塞』の発売は『カムイの剣』の2年後、1987年です。すでにパソコンでもフロッピーディスクが主流となりつつあり、さらにその数年後にはCD-ROMの時代が訪れます。

(マグミクス編集部)

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