原作はわずか3話のみ! 衝撃の実写化『翔んで埼玉』はなぜ大成功した?
マグミクス / 2025年2月9日 7時10分
![原作はわずか3話のみ! 衝撃の実写化『翔んで埼玉』はなぜ大成功した?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_282230_0-small.jpg)
■「ボクの歳で高校生ってどうなのか?」
近年、マンガの原作を実写化した日本映画がますます増えています。原作ファンが「これはひどい」「どうしてこうなった」と嘆くような作品も目立ちますが、その一方で実写化が成功した作品も少なくありません。
「キングダム」シリーズや「るろうに剣心」シリーズ、映画に続くドラマも作られた『ゴールデンカムイ』など、実写化が成功して大ヒットした映画はいくつもあります。これらの作品は、原作ファンが映画館に押し寄せました。
一方、原作ファンがそれほど多いとは言えないのに、実写化が大成功した作品があります。それが『翔んで埼玉』(2019年)と、先日「土曜プレミアム」で放送された続編の『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(2023年)です。
「埼玉県民が東京に入るには通行手形が必要」「埼玉県民にはそこらへんの草でも食わせとけ!」などの、強烈な「埼玉ディス」で話題になった魔夜峰央先生のマンガを実写化したもので、第1作は興行収入37.6億円、第2作は23億円の大ヒットを記録しました。
『翔んで埼玉』は、原作が未完でわずか3話しかありません。1980年代に発表されたときはそれほど話題にならず、2015年に復刊されてベストセラーになりましたが、前述の人気マンガと比べると原作ファンが多いとは言えませんでした。それでも大ヒットしたのは、原作の持っているエッセンスを大切にしつつ、イメージを大きくふくらませて実写化したからです。
なんといっても主人公のエリート高校生「麻実麗」にGACKTさん、生徒会長の「壇ノ浦百美」に二階堂ふみさんをキャスティングできたことが成功の大きな要因でしょう。GACKTさんは第1作の撮影当時40代半ば過ぎで、まったく高校生には見えませんが(本人も「ボクの歳で高校生ってどうなのか?」という戸惑いのコメントを残しています)、美貌の御曹司で「埼玉解放戦線」の主要メンバーという荒唐無稽な役柄にぴったりでした。
何よりGACKTさんのキャスティングによって、「真面目に見てはいけない」という本作の態度がよく分かります。実力派女優の二階堂さんも、初めての男性役を果敢に演じきっていました。
舞台を関西に移した第2作も、大阪府知事の夫と神戸市長の妻を本物の夫婦である片岡愛之助さんと藤原紀香さん、和歌山の姫君の本当の姿を天童よしみさん、京都の女将を山村紅葉さんが演じるなど、キャスティングに磨きがかかっています。
原作が未完だったため、第1作では「千葉解放戦線」という設定を導入し、埼玉と千葉の熾烈な戦いを映画オリジナルで描きましたが、バカバカしい原作のイメージにぴったり沿っていました。千葉解放戦線の先代リーダーに、千葉の偉人であるJAGUARさんをキャスティングするあたりも気配りが行き届いています。
一方、原作にあった「人種隔離政策(アパルトヘイト)」や「自民党への風刺」など刺激的な要素は取り除き、埼玉、千葉、群馬などの地方格差ネタに特化することで、肩ひじ張らずに気楽に楽しめるようにしていたのも成功の要因のひとつでしょう。予告編や「流山橋の戦い」をはじめとする印象的なシーンも、SNSで拡散されやすいように作られていました。
置きに行かないキャスティング、原作のイメージに沿ってふくらませたストーリー、SNS戦略がすべてハマって『翔んで埼玉』は大ヒット作になったのです。
武内英樹監督は、これまで「のだめカンタービレ」「テルマエ・ロマエ」シリーズなど、数々のマンガ原作作品を成功させてきました。近作の『はたらく細胞』も大ヒットさせた、まさにマンガ実写化職人といえる存在です。武内作品をつぶさに観ることで、マンガ実写化成功のセオリーが見つかるかもしれません。
(大山くまお)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
千葉!滋賀!と来たら 実写『翔んで埼玉3』があるならやっぱ「佐賀」舞台なのか?
マグミクス / 2025年2月8日 21時30分
-
『翔んで埼玉』を大ヒットさせた「GACKT伝説」 1日1食、炭水化物なしのヤバすぎるストイックさ
マグミクス / 2025年2月8日 19時10分
-
『翔んで埼玉』続編、今夜地上波初放送! 舞台は関西へ…“ディス”と“郷土愛”あふれる極上エンタメ
クランクイン! / 2025年2月8日 7時0分
-
『翔んで埼玉』続編、2.8地上波初放送! GACKT、二階堂ふみ、杏、片岡愛之助ら豪華キャスト陣出演
クランクイン! / 2025年1月17日 5時30分
-
GACKT&二階堂ふみ「翔んで埼玉」続編、地上波ノーカット初放送決定「放送して良いものかという迷いもあります」プロデューサーがコメント
モデルプレス / 2025年1月17日 5時30分
ランキング
-
1「めっちゃうま!」セブンで買える、SNSで話題のスイーツ3選。贅沢気分に浸れる美味しさ。
東京バーゲンマニア / 2025年2月10日 18時3分
-
2義理チョコは「人間関係の潤滑油」? 義理でもうれしい…“義理チョコ文化”に対する男性の“本音”
オトナンサー / 2025年2月10日 20時10分
-
3「ドラマの衣装合わせで下着を脱がされ…」芸能界にあふれるひどすぎるハラスメント被害の実態
プレジデントオンライン / 2025年2月10日 7時15分
-
4西成「家賃2万7千円」ほぼ廃墟ハウスに住んだ結果 住人はほぼベトナム人、そこで見た驚きの光景
東洋経済オンライン / 2025年2月10日 8時30分
-
5「8年前より今のほうが断然美肌」“肌老け”を脱出した48歳が、肌のために「やめて良かった食習慣」8つ
女子SPA! / 2025年2月10日 15時46分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)