「ウルトラマン」たちの変身アイテムって最近どうなってんの? ドラマにも影響が
マグミクス / 2025年2月11日 12時10分
![「ウルトラマン」たちの変身アイテムって最近どうなってんの? ドラマにも影響が](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_282347_0-small.jpg)
■「ウルトラマン」はみな「代用品」で変身ゴッコ
「ウルトラマン」たちが変身するときに必要とするアイテムは、世代を重ねていくことで大きく変化してきました。その変遷を見ていくと、ドラマにも大きな影響を与えていたことに気付きます。
「ウルトラ」シリーズ最初の変身アイテムといえば、『ウルトラマン』(1966年)で登場した「ベーターカプセル」でした。これを使って科学特捜隊の「ハヤタ」は、「ウルトラマン」へと変身します。
今でいうペンライト風のアイテムで、「100万ワットの輝きだ」と主題歌の歌詞にあるように強力な光を放つことができました。この光によって地底人を一気に壊滅させたこともあります。
加えて、単なる変身アイテムというわけではないらしく、最終回では「ゾフィー」がハヤタとウルトラマンを分離する際にも使用しました。ちなみに「フラッシュビーム」という名前で憶えている人も少なくないでしょう。これは1990年代まで、ふたつの名前が併用されていたことがあったからです。
そして、『ウルトラセブン』(1967年)で「モロボシ・ダン」が「ウルトラセブン」に変身するときに使ったのが「ウルトラアイ」でした。メガネ状の変身アイテムです。
このベーターカプセルとウルトラアイは、シリーズを代表する変身アイテムといえるでしょう。子供のころにペンやメガネを使ってマネをした経験が、誰しもあるのではないでしょうか。
これには理由がありました。近年ではありえないことですが、これらの変身アイテムは当時、商品化されていなかったようです。つまり子供としては代用品で遊ぶしかなかったのでした。もっとも非版権商品、いわゆる「パチモン」のオモチャが、駄菓子屋にあったという証言も聞いたことがあります。
現在の商品事情では考えづらいことですが、当時は変身アイテムというもの自体、まったく新しいものだったので商品化まで考えていなかったのでしょう。その点では、変身アイテムは軽視された存在だったのかもしれません。
もっとも、ドラマ作りには必要なアイテムでした。変身できないというピンチを描くには、分かりやすい小道具だったからです。
ベーターカプセルを落として、拾うのに苦労するハヤタの場面を思い出す人も多いことでしょう。またダンに至っては、何度か敵宇宙人にウルトラアイを盗まれるという失態を演じていました。
まったくの余談ですが、『帰ってきたウルトラマン』(1971年)では、変身アイテムは出てきません。つまり変身への障害は皆無に思えます。
そうなると変身に対するハードルは低く、また変身アイテムがないことで安易に変身できると思われるかもしれませんが、そうはなりませんでした。実際、「郷秀樹」の慢心から「ウルトラマン(後のジャック)」に変身できないことがありました。変身アイテムがなくとも、それならそれで相応のドラマを作ることは可能というわけです。
■近年では玩具らしいギミックがドラマを彩る
『ウルトラマンオーブ』の変身アイテム、発光はあたりまえ。「ウルトラレプリカ オーブリング」(バンダイ) (C)円谷プロ (C)ウルトラマンオーブ製作委員会
それでは近年のウルトラマンの変身アイテムはどうでしょうか。近年の特徴は、「光る!」「鳴る!」とにかく派手な玩具先行デザインが一般的です。
こういうと元も子もありませんが、玩具ありきの複雑なデザインへと年々、なってきていることは瞭然でしょう。子供の変身ゴッコをより華やかにするアイテムというわけです。もっとも、それだけでもありません。ドラマ的にも近年ならではの展開がありました。
それは「同種の変身アイテムを複数人が使う点」です。その意味では『ウルトラマンギンガ』(2013年)で登場した「ギンガスパーク」と「スパークドールズ」は画期的なアイテムでした。
このギンガスパークは、敵側が使用する「ダークスパーク」と同じ形状で、従来の変身アイテムとなります。これに怪獣などの形をしたスパークドールズをスキャンすることで、さまざまな姿に変身することができました。
この基本となる変身アイテム、すなわち「メイン商品」と、それに付随するさまざまなアイテム、すなわち「ブースター商品」というのが、近年の変身アイテムの定番であり常識でしょう。
さらにその、「敵側も変身アイテムを使用する」というアイデアが、近年のドラマにも生かされていました。
『ウルトラマンオーブ』(2016年)では、「クレナイ ガイ」が「ウルトラマンオーブ」に変身する際に使う「オーブリング」の対ともいえる存在である、「ダークリング」という「ジャグラス ジャグラー」の変身アイテムがありました。
このダークリングによってジャグラーは「ゼットン」と「パンドン」を合体させた新怪獣「ゼッパンドン」を生み出しています。変身アイテムの進化が、こういった従来の怪獣の新バージョンという発明に結びつきました。
もちろん変身アイテムの進化が生み出したのは敵側の強化だけではありません。『ウルトラマンZ』(2020年)ではウルトラマンに新たなパターンを導入しました。それが「従来の変身アイテム」以外での変身です。
この『Z』にゲスト出演した「ウルトラマンジード」こと「朝倉リク」は、変身アイテム「ジードライザー」が大破したことで、新たに「ウルトラマンヒカリ」から託された「ウルトラゼットライザー」により変身しました。
ちなみにゼットライザーはもともと「ウルトラマンゼット」の変身アイテムです。本作の主人公「ナツカワ ハルキ」も使っているものでした。後にハルキも『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』(2021年)で、主人公と同じ「GUTSスパークレンス」を代用品として使っています。
このように近年は、従来とはまた違ったタイプの変身アイテムがドラマに大きな影響を与えてきました。もっとも、子供にとって新しい変身アイテムは魅力的でしょうが、それをねだられる親御さんは毎年の出費で頭を抱えることになるわけです。自分たちの子供の頃のように、代用品というわけにもいかないでしょうから。
(加々美利治)
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