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【1・2話振り返り】『魔進戦隊キラメイジャー』の多様性は子供たちの背中を押す力に

マグミクス / 2020年5月24日 8時10分

【1・2話振り返り】『魔進戦隊キラメイジャー』の多様性は子供たちの背中を押す力に

■「好きなこと」を信じる現代のヒーローチーム

 新メカ「魔進エクスプレス」の登場や、追加戦士キラメイシルバーの登場アナウンスなど、盛り上がりを見せるスーパー戦隊シリーズの最新作『魔進戦隊キラメイジャー』。

 しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響によるスケジュールの変更で、2020年5月17日は劇場公開されたTVシリーズの前日譚『魔進戦隊キラメイジャーエピソードZERO』、24日は「1・2話未公開カット蔵出し いまいちどスタートダッシュSP」という、特別編成での放送となりました。今回は改めて『魔進戦隊キラメイジャー』の第1話と第2話を振り返っていきましょう。

 まず第1話「魔進誕生!」(脚本:荒川稔久、監督:山口恭平)では、熱田充瑠(じゅうる)とすでに集結していたキラメイジャー4人の出会いが描かれました。

 キラメイレッドに選ばれた充瑠は絵を描くことが好きな高校生ですが、自分に自信が持てません。そんな充瑠でしたが、マブシーナとレッドキラメイストーンにほめられ自信を持つことで、キラメイストーンから魔進を生み出し、「変わる、変われる、変わりたい?」とキラメイレッドに変身します。

 イケメンアクション俳優にeスポーツのプレイヤー、陸上選手、スーパー外科医と、すでにキラキラと光り輝いているキラメイジャーの4人は子供たちの憧れの具現化でしょう。一方、未知の可能性を秘めた充瑠は、視聴者である子供たちと同じ地平に立つ存在。自分の「好きなこと」を信じて変身した充瑠の姿は、キラキラ輝くことが特別なことではないと、子供たちの背中を押しているように感じられます。

 続く第2話「リーダーの証明」(脚本:荒川稔久、監督:山口恭平)では、スーパー戦隊がなぜ5人必要なのかを劇中で定義しています。キラメイジャーと陸上の両立に悩む速見瀬奈/キラメイグリーンへ、充瑠は次のような言葉をかけました。

「ひとりひとりが輝くために支え合うから5人必要なんです。そして、そんな5人なら居場所がバラバラだって、いつだってチームとしてひとつなんです」
 
「瀬奈さんにも大切なことは貫き通して欲しい」と、充瑠は自身の立場に置き換えて瀬奈の好きなことを肯定します。以降のエピソードでも、充瑠は各メンバーが持つ個性や嗜好を尊重して、ピンチを切り抜けていきました。キラメイジャーはそれぞれの多様な価値観を認め合いながら、お互いを信じることのできる新時代のヒーローなのです。

■新時代のスーパー戦隊は“ハイブリッド”?

キラメイレッド/熱田充瑠の「魔進戦隊キラメイジャーコレクションカード」。(ミニアルバムの購入特典) (C) 2020 テレビ朝日・東映AG・東映

 過去のスーパー戦隊と共通する設定や小ネタの頻出、その中で描かれる現代的なテーマとキャラクターたち。多くの方々が感じているように、『魔進戦隊キラメイジャー』は「懐かしさ」と「新しさ」の両面を持つ、ハイブリッドな戦隊でしょう。では「ハイブリッド」をキーワードに本作『魔進戦隊キラメイジャー』をいまいちど読み解いていきましょう。

 まずキラメイジャーは地球を救う使命のほかにそれぞれ職業を持っていますし、キラメイストーンの不思議な力を地球の科学力で応用するという設定も、ファンタジーとSFのハイブリッドです。

 また闇の帝国ヨドンヘイムも一見ステレオタイプな悪役に見えますが、各回に登場する邪面師や邪面獣たちのモチーフや作戦へ目を向けると、ラグビー、「インスタ映え」とクラウドストレージ、動画配信など、現代のトレンドがふんだんに盛り込まれているのが分かります。

 敵怪人にトレンドを盛り込むことは今に始まったことではありませんが、邪面師たちが『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975~1977年)の仮面怪人を彷彿させる造形ゆえに、「懐かしさ」と「新しさ」の両面を、より際立たせています。

 相反するようにも思える要素をかけあわせ、現代的な価値観や意外性のある展開を描く『魔進戦隊キラメイジャー』。充瑠だけでなく、スタッフたちの「ひらめキング」も炸裂しているのでしょう。

 そして、「乗り物」と「宝石」というキラメイジャーの2つのモチーフ。乗り物はこれまで何度も登場したスーパー戦隊シリーズの鉄板モチーフのひとつです。一方、キラキラ輝く宝石は女児向け作品のモチーフに選ばれる傾向にありました。乗り物と宝石のWモチーフは、『キラメイジャー』が性別関係なく、すべての子供たちへ向けた作品であるという決意を明確にしたものなのでしょう。

 ですが、「乗り物=男児向け、宝石=女児向け」というのは、あくまでマーケティング戦略上の話であり、現実には乗り物やヒーローが好きな女の子も、キラキラ輝く宝石が好きな男の子もいます。キラメイジャーたちが「好きなこと」を信じて輝くように、子供たちもきっと「好きなこと」を信じることでキラキラ輝くことができるでしょう。

※「魔進戦隊キラメイジャー 1・2話未公開カット蔵出し いまいちどスタートダッシュSP」は、2020年5月24日(日)あさ9:30より、テレビ朝日にて放送されます。

(森谷秀)

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