漫画『ジャヒー様はくじけない！』 不憫さがかわいい魔界のNo.2に、感情移入必至？

■くじけない！ たとえ「もやし」しか食べられずとも！

『ジャヒー様はくじけない！』（著・昆布わかめ）は月刊誌「ガンガンJOKER」にて連載中のマンガで、魔界崩壊後に落ちた人間界で頑張る魔界No.2、ジャヒー様の物語です。

　誰もが恐れうやまう魔王の側近だったジャヒー様ですが、築40年のボロアパートで生活したり、食事は「もやし」のみで節約したりと、人間界では不憫な目に。SNSでも「けなげかわいいからみんな読んで」「褐色の時代が来たぞ！！」と評判です。

　主人公のジャヒー様は、魔王の側近にして魔界NO.2の、誰もがうやまう存在。権力・魔力・美貌をほしいままにしていたジャヒー様ですが、ある日、ひとりの魔法少女によって、魔界が崩壊してしまいます。魔力の源である「魔石」を失ったジャヒー様も少女の姿になってしまい、そのまま人間界に。「魔石を集めて魔界を復興する！」と頑張るジャヒー様ですが……？

　見どころは、魔界NO.2だったはずのジャヒー様の庶民っぷりです。魔力を失ったジャヒー様は魔法も使えないため、厳しい節約生活を強いられます。築40年の風呂なしアパート、間取りは四畳半一間、夕食は「もやし」オンリー。「肉が食いたい……」とつぶやきながらも、掃除洗濯皿洗いを済ませるジャヒー様。元魔界NO.2とは思えないかいがいしさでしっかり生活し、元の姿に戻れる短い間に、居酒屋でバイトして生活費を稼いでいます。

　そんな生活のなか、定期的に「こんなことをしている場合では……」と魔界復興の悲願を思い出し、魔石を探したり、かつての部下・ドゥルジに会ったりするものの、ことごとく失敗に終わります。「我に同情するなああ！」と言いながら、失敗したり助けられたりするとすぐ涙目になるジャヒー様。そんな不憫でけなげなところもかわいく、バイト先の店長には「ヒーちゃん」と呼ばれ親しまれています。

　ジャヒー様は大事な魔石をちょくちょく失くしたり、仮名も使わず「魔界復興」と書かれたTシャツを着て生活したりと、NO.2らしからぬ抜けっぷりがあり、そこがまたかわいいポイントです。かつては「全く使えん奴」と奴隷扱いしていた部下のドゥルジが「社長」と呼ばれ、タワーマンションに住んでいることにプライドが傷ついたりと、どこまでも不憫なジャヒー様。それでもくじけないジャヒー様は、果たして魔界を復興できるのでしょうか？

　同作品は現在第6巻まで発売中で、マンガアプリ「マンガUP！」でも配信中。不憫でかわいい、でもくじけないジャヒー様の活躍を見たい方は、ぜひ一度読んでみて下さい。

（新美友那）