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【望月英の「今から始める!」洋ゲーガイド】eスポーツで生まれた本物のドラマ、その結末】

マグミクス / 2020年6月28日 19時10分

【望月英の「今から始める!」洋ゲーガイド】eスポーツで生まれた本物のドラマ、その結末】

■「打倒韓国」vs「不敗神話」。とてつもない物語が始まる

 皆さまこんにちは! 望月英でございます。長かった緊急事態宣言が解けましたね……とはいえ、自分で心がける対策や行動はまだまだ大切な時期。そんな認識をしっかりと持っていきたいところです。健康じゃないとゲームも全力で楽しめませんからね!

 さて、前回の「洋ゲーガイド」ではシューターゲーム『Overwatch』(以下、OW)の歴史におけるドラマの発端を紹介しました。今回はその続きです。圧倒的な「eスポーツ力」を見せつけた韓国と、背中を追う世界のその後を語っていきます!

 前回お話しした、『OW』で初となる2016年のワールドカップ。改めて書きますが、韓国は文字通り圧倒的でした。グループリーグから決勝に至るまで一度も試合を落とすことなく、まさに「蹂躙」という言葉が似合う戦い。

 6人の選手がひとつの生き物なのかと思うほどの緻密なチームワークで各国のキープレイヤーを倒し、そこから崩れていった戦線を瞬く間に制圧していく試合展開。

 シューターゲームでは実力に差があったり、わずかな戦況の綻びから一方的な戦いになると、リスポーン(復活)地点から戦いを動かすことができなくなる「リスポーンキル」と呼ばれる状態になってしまうのですが、まさかW杯の決勝でそれが繰り広げられてしまうという光景を、誰が想像できたでしょうか!

 試合間のマップ切り替え中に映し出された、決勝相手のロシアチーム選手の力ない笑顔は、今でも覚えています。もはや笑うしかないほどの差。当時のSNSでも、「ここまで差があるのかよ…」という悲痛の声が続出。韓国のeスポーツにかける力を、世界が思い知らされたW杯でした。

 そして、ここから各国の「打倒韓国」追究が始まります。始まるのですが……次の年に行われた2017年、続く2018年、韓国は怒涛のW杯3連覇を達成します。

「もうOWは韓国一強のまま歴史が続くのか」

 そんな声も囁かれるなか、各国のプロゲーマーは諦めませんでした。続く2019年W杯、遂に歴史が動きます。

■ホームの声援を力に、成し遂げられた「偉業」

 舞台は2019年W杯セミファイナル、韓国 vs アメリカの戦いです。

 W杯が日程に組み込まれている「BlizzCon」は毎回、Blizzardファンの聖地、アメリカのアナハイムで行われるので、それまでの大会を全て制覇している韓国と、いわゆるホームチームであるアメリカの対戦は、会場内の熱気が配信でも伝わって来るほどでした。

 この年のBlizzconでは続編となる『Overwatch2』が発表され、試遊コーナーも長蛇の列だったのですが、そこに設置されていた大会観戦用のモニターにもたくさんの人が押し寄せ、スタッフが必死に整理を行う事態だったとか。

 そんな熱狂の渦のなかスタートしたセミファイナル。W杯では5つのマップをプレイして3本を先取したチームが勝利、というルールです。

 1本目は韓国チームが安定したプレイで勝利し「やはり韓国か…?」という雰囲気がよぎるなか、2本目、3本目はアメリカの勝利! 決勝勝ち抜けにリーチがかかります。

 続く4本目は、韓国が意地を見せドロー、あわや延長戦かという5本目。通常、配信音声はノイズキャンセラーのようなものがあるので現地の声援は小さく聞こえる程度なのですが、この時の「U・S・A!!U・S・A!!」というコールは、配信を通してでも音割れするかと思うほどの音の波でした。

 その声援に後押しされるかのごとく、アメリカのアタッカーCorey氏の怒涛のキルで不沈艦、韓国をついに降したのです。

 アメリカチームは続くファイナル、中国との戦いにも勝利。4年目にして、アメリカは見事栄光をつかみました。

 しかし、ファイナルは3-0と、スコアだけ見ると圧勝に見えますが、内容は全てギリギリの戦いの末のもの。仮に中国と韓国、セミファイナルで中国に敗れたフランスとアメリカが対戦していたら、また違った結末になっていたかもしれません。

 次のW杯で優勝する国も、全く予想がつきません。4年という年月で、「勝ちたい」という各国の努力と「勝ち続ける」という韓国の牽引が、これだけの熱量とドラマを培い生み出したのです。

 ゲーム史が彩る、eスポーツのドラマ。

 今回はOWにフォーカスを当てましたが、世の中にはたくさんのゲームが日々、その歴史を刻んでいます。「スポーツ観戦」と同じくらい、「eスポーツ観戦」がメジャーな趣味として受け入れられる日は、そう遠くないかもしれませんよ。いつか現地でその熱量に触れたいものですね!

(C) 2020 Blizzard Entertainment, Inc.

(望月英)

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