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ラジカセでTVの音声を録音した『クリィミーマミ』 忘れられない3つの名曲

マグミクス / 2020年7月1日 8時10分

ラジカセでTVの音声を録音した『クリィミーマミ』 忘れられない3つの名曲

■スタジオぴえろ初の魔法少女シリーズ

 1983年7月1日はTVアニメ『魔法の天使 クリィミーマミ』(以下、クリィミーマミ)の放送が開始された日です。魔法少女が芸能界入りし人気アイドルの道を歩むという、新たなジャンルを開拓した作品として高い人気を誇ります。令和に入りスピンオフコミックや3DCG動画など、新たな展開を見せる『クリィミーマミ』を小学校時代から見ているライターの早川清一朗さんが、当時の記憶を語ります。

* * *

 子供の頃の筆者は放課後になると外で遊び、18時には家に帰って晩ご飯を食べながら、TVを見る生活を送っていました。

 そんなある日、ふんわりした紫色の髪の毛の、綺麗なお姉さんが登場する番組が始まりました。それが『クリィミーマミ』でした。筆者には姉がおり、しばしば激しいチャンネル争いを繰り広げていましたがこのときは敗北してしまい、女の子向けアニメである『クリィミーマミ』を見ることになってしまったのですが……。

 筆者が『クリィミーマミ』をラジカセで録音するようになるまで、そう長い時間は必要ありませんでした。要はドはまりしたのです。

 当時の事情を知らない方のために補足しておきますが、1983年ごろはまだ家庭用録画機材の普及がそれほど進んでおらず、代わりにカセットテープへ音声だけを録音することも多かったのです。テレビ局にも映像が残っていない古い時代の作品が、視聴者が録音していた音声だけ発見されることも多く、押し入れに放置されていたカセットテープが思いがけない形で歴史的価値を持つ事例もしばしば発生しています。

 それはさておき、筆者が『クリィミーマミ』にはまったのは、マミの美しさが一番の理由でした。人気アイドルでありながら中身は10歳の少女である森沢優なので、綺麗な年上のお姉さんが子供っぽい立ち居振る舞いをしてしまうギャップも面白く、毎週楽しんでいた記憶があります。また、この作品の特徴としては魔法がアイドルとして活動するための道具として活用されている点です。従来の魔法少女ものは、事件が起こったら魔法を使うパターンが多く、魔法はマイナスをプラスマイナスゼロに持っていくための解決手段としての要素が強いものでした。その点、『クリィミーマミ』の魔法は日常から芸能界へ移行するためのパスポートとしての性格が強く、魔法の使い方として、新たな世界を切り開いた作品とも言えるのではないかと考えています。

■印象に残るオープニングとエンディング

原作:スタジオぴえろ 著:三月えみ『魔法の天使クリィミーマミ 不機嫌なお姫様』第2巻(竹書房)

『クリィミーマミ』について書くとなると、決して外せないのがマミの声優を務めた太田貴子さんが歌う、オープニングの「デリケートに好きして」、エンディング「パジャマのままで」「LOVEさりげなく」の3つの名曲です。

「デリケートに好きして」は太田貴子さんのデビュー曲でもあり、その後、多くのアーティストにカバーされた名曲です。太田さんは1994年に一時引退しますが、1998年に復帰し、しばしばライブやTV番組で「デリケートに好きして」を披露してくれています。

「パジャマのままで」は大人になって改めて聞き直してみると、大人の世界と少女の世界を行き交いながら暮らしている少女の、切ない気持ちが込められていることに気づきました。「モーニングコーヒー飲みたい」という歌詞は、子供にはちょっと難しかったようで、筆者も意味が分かるまでには数年を要しました。

 そして後期エンディングの「LOVEさりげなく」は、ゆるやかなポップ調の前2曲からがらりとイメージが変化した、子供の世界から一気に大人の世界へとジャンプアップしたような雰囲気を持つロック調の曲です。この曲にはロックユニット「B’z」を結成する前の松本孝弘氏がスタジオミュージシャンとして参加しており、見事なギターソロを披露しています。昔のアニメには思わぬところに若い頃の大物ミュージシャンが参加していることも多く、それを探すのもけっこう面白いものです。

 既に本放送から35年以上が経過した『クリィミーマミ』ですが、近年になってさまざまな動きがみられます。2019年からコミックゼノンでマミのライバル、綾瀬めぐみの視点で描かれる『魔法の天使 クリィミーマミ 不機嫌なお姫様』が連載され、既に30話が公開されています。また、2020年5月には公式YouTubeチャンネルも開設され、3DCGで作られた動画が公開されています。動画の声はもちろん太田貴子さんが担当しており、健在ぶりをみせてくれています。『クリィミーマミ』をこの歳になってまた新たなコンテンツとして楽しめることを、ただ感謝するばかりです。

(早川清一朗)

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