【漫画】だらしない身なりのラーメン店主が証明!「人は見た目で判断してはならない」

マグミクス / 2020年7月9日 11時10分

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■外見はその人の能力に比例しない?

 近藤丸さん(@rinri_y)は、「かっこいいやつは能力も高いよ。服装や見た目にその人は現れるよね」という職場の先輩の言葉に憤っていました。外見がその人の能力に比例するという論調は間違っていると考える近藤丸さん。なぜなら、今まで出会ってきた人たちがそれを証明しているから。例えば、近藤丸さんが中学生の時、富山のブラックラーメン店で出会った店主の外見は衝撃的だったのです……。

 近藤丸さんがこの時のことをマンガに描いて『見た目にとらわれていた私が、カッコ悪くてもいい!と思えたブラックラーメン店の話』と題してTwitterで公開すると、読者から「私も人を見た目で判断したくない」という共感の声や、「ブラックラーメンが食べたくなった」などの声があがりました。

 作者の近藤丸さんに、お話を聞きました。

ーー近藤丸さんは僧侶をなさっているとのことですが、マンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

 大きくふたつ理由があります。元々、お寺が作っている仏教の高校で教員をしていて、「仏教」という科目を担当していました。その時に、絵を描いたりすると生徒が喜んでくれ、仏教に興味を持ってくれました。自分は、絵が得意だしマンガが好きだから、マンガを使って伝えることでいろいろな方に仏教に興味を持ってもらえるし、自分の勉強にもなると考えました。それで、実際マンガを1本描いて生徒に見せたら、すごく評判が良くて、もっと描いてみようと思いました。だから生徒たちに感謝です。

 あと、学生の頃に、手塚治虫の『ブッダ』とか、『ブッタとシッタカブッタ』(著:小泉吉宏/KADOKAWA)という仏教をテーマにしたマンガを読んで、つらいときに助けられたり、考え方が変わったりしたという経験がありました。その経験から、自分も仏教を分かりやすくマンガで伝えたいと漠然と思っていました。図らずも、コロナの自粛で時間ができて、今始めようと思いました。

ーー『見た目にとらわれていた私が、カッコ悪くてもいい!と思えたブラックラーメン店の話』のエピソードをマンガで公開しようと思ったきっかけはありましたか?

 マンガのネタを考えていて、子供の頃に出会って衝撃を受けた大人や、良い影響を受けた大人について考えていました。その時、中学の頃ラーメン店で、メガネが割れている店主を見て衝撃を受けたことを思い出しました。で、なんていい加減な大人なんだと思ったんですけど、ラーメンがおいしいことにまた衝撃を受けて。これって結構自分にとって「完璧でなくていいんだ」って教訓になっていると思うんですね。肩の力が抜けたというか。いつか紹介したいと思っていました。あと、単純に独特の店主を見た時の衝撃を描きたいと思ったっていうのが一番です。

 あとは、竹内絢香さん(@ayakatakeuchi56)の『がんばらなくても死なない』というマンガを読んで、自分もこういう読んだ人がちょっと楽になる話を描きたいと影響を受けたことも挙げられます。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

「ブラックラーメン食べてみたい」とか、「食べに行きました」という感想が多かったです。また、「服装は大事」だとか、「仕事ができる人は、他者のことも考えられるから結果的におしゃれなんじゃないか」などの、反論や自分の意見を言ってくれる方が結構いたのは興味深かったです。見た目の問題は難しいですね。でも、見た目で差別になったりするのは、問題があると思いますね。ルッキズムの問題ももっと社会で議論していかなくてはならないと感じています。

『ヤンキーと住職』(近藤丸さん提供)

ーーTwitterでは『ヤンキーと住職』というマンガを連載なさっていますが、あらすじやマンガを通して伝えたいことなど、ご紹介いただけますか?

 主人公がふたりいて、仏教に詳しいヤンキーとお坊さんが問答をするという内容になっています。読者が読んでいくうちに仏教のことが何となく分かってくる、そんなマンガです。

 主人公のヤンキーはコミュ力や社会経験が豊富で明るい性格です。一方でお坊さんの方は仏教のことはよく知っているのですが、仏教の知的解釈に終わっていて社会経験があまりなく、コンプレックスも多いという設定にしています。ヤンキーがお坊さんに質問してお坊さんが答えるんですけど、ヤンキーの生き方から逆にお坊さんがいろいろなことを教えられるという内容になっています。

 伝えたいことは、仏教の深さです。仏教って「何かを信じ込む宗教」とか「ご利益信仰」って思われがちなんですけど、本当は苦しみや悲しみを都合よく消すのではなくて、苦しみを背負う勇気を与えられる教えです。都合よく生きること、自我執着に縛られている自己の生き方を見直していく教えです。すごく現代の私たちにも響く、生きる知恵を与えてくれます。そういう仏教の深さみたいなものを伝えられたらと思っています。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 まず、『ヤンキーと住職』を今連載しているのですが、できれば週に1本くらいのペースで発表し続けていきたいです。自分は浄土真宗の僧侶なので、一貫して仏教をテーマにしていきたいと思っています。とはいえ、浄土真宗(仏教)の本質をつかむというのは並大抵のことではないです。日々仏教を人びとの間で学びつつ、細く長くマンガを描いていきたいです。

(マグミクス編集部)

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