レオタードといえば『キャッツ・アイ』 子供が見ていい作品ではなかった?
マグミクス / 2020年7月11日 18時10分
■レオタードという言葉は『キャッツ・アイ』で知った
1983年7月11日は、TVアニメ『キャッツ・アイ』の放送が開始された日です。北条司先生が「週刊少年ジャンプ」に連載していたマンガを原作としており、色とりどりのレオタードに身を包んだ美人三姉妹の姿に、多くの少年たちが心ときめかせていました。杏里さんが歌う主題歌の『CAT’S EYE』はオリコンシングルチャートで1位を獲得するなど、子供向けと思われていたアニメの歴史に大きな影響を与えた作品でもあります。クラスメイトに『キャッツ・アイ』を見ていると言ったらエロガキ扱いされた記憶を持つ、ライターの早川清一朗さんが当時を回想します。
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筆者が『キャッツ・アイ』を見始めたのは、新しいアニメが始まるからとりあえず見ておこうという単純な理由でした。しかしTVから流れてきた杏里さんが歌う、とてもアニメの曲とは思えないカッコよくて新しいオープニングとエンディング、来生(きすぎ)三姉妹、特にメインヒロインの瞳の美しさと色っぽさに圧倒され、毎週月曜日の午後7時は、TVの前に陣取るようになったのです。
思い返せばレオタードという単語を教えてくれたのは『キャッツ・アイ』だったためか、今でもレオタードを見ると反射的に来生三姉妹の事を思い出してしまいます。三つ子の魂百までという奴でしょう。
当時のことで今でもよく覚えているのが、クラスメイトに『キャッツ・アイ』を見ていると話したところ、見ている人間があまりいなかったのです。そこでぜひ見るように勧めたところ、放送があった翌日から、「お前、あんなの見てんのかよ!」と急にエロガキ扱いされるようになってしまったのです。子供ゆえの照れもあるのでしょうが、それからしばらく、女子は近づいてきてくれなかったような覚えがあります。『キャッツ・アイ』の平均視聴率は13~14%ほどと当時のゴールデンタイムのアニメとしてはそれほど高くはなかったのですが、ひょっとしたら刺激が強すぎて親が見せてくれなかったのかもしれません。特にエンディングは、今改めて考えると小学生が見ていいものではなかったような気もします。
■藤田淑子さんは泪を演じられず、悔しがっていた
さて、『キャッツ・アイ』という作品は主人公である来生三姉妹が、父親である画家・ハインツの作品を求めて美術品専門の怪盗として夜を駆ける物語です。今改めて考えると、3人の美女が素顔を晒して怪盗をやっているというかなり気合の入った設定です。現代のように監視カメラが街中に張り巡らされ、誰もが撮影機材を持っている時代ではまったく成立しないでしょう。逆に言えば何かをすればすぐに撮影されてしまう窮屈さが存在しない、古き良き時代の名残を感じさせてくれます。
ストーリーとしては「キャッツアイ」の活躍のみならず、瞳とその恋人で警察官の内海俊夫の恋愛模様も重要な要素となっています。また、三姉妹が経営する喫茶店“キャッツ・アイ”で俊夫や同僚の警察官たちが情報を抜かれ、「キャッツアイ」の活動の手助けをしている構造になっている点も面白いポイントではないでしょうか。
喫茶店の“キャッツ・アイ”は北条司先生の『シティーハンター』や『エンジェル・ハート』で海坊主がマスターとなり、たびたび登場しています。2019年に公開された『劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉』では、実はオーナーは来生三姉妹だったことが明かされ、ゲスト出演も果たしています。ただ、残念ながら泪を演じた藤田淑子さんは収録の時点で病魔に侵されており(2018年12月に他界)、代役として瞳役の戸田恵子さんが、泪も合わせて演じています。入院中の藤田さんを見舞った戸田さんによると、泪を演じられないことを大変に悔しがっていたそうです。
TVアニメ版『キャッツ・アイ』は当時としては珍しい分割2期作品でもありました。1983年7月11日から1984年3月26日にかけて第1期36話、そこから半年明けて1984年10月8日から1985年7月8日にかけて第2期37話が放送されました。本作の人気は今でも高く、たびたびアニメ専門チャンネルでの再放送が行われているため、最近になって見たという方もいるかもしれません。アニメが子供のものから大人も見るものとしての転換点のひとつとなった作品として、今もなお、『キャッツ・アイ』は生き続けているのです。
(早川清一朗)
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