『鬼滅の刃』で圧倒的存在感を示す！ 声優・花江夏樹の演技を堪能できるアニメ3選

■大切なものへの“熱い気持ち”がひしひしと…！『食戟のソーマ』『鬼滅の刃』

　感情の揺れや心に秘めた熱さを見事に表現してくれる声優・花江夏樹さん。花江さんが演じるキャラクターを見ていると、自然と「応援したい」「頑張って！」という気持ちがあふれてきますよね。そこで今回は、花江さんの演技を堪能できるアニメのキャラクターたちを3人選んでご紹介します。

●『食戟のソーマ』のタクミ・アルディーニ

　ひとつめは、数あるグルメ系アニメの中でも絶大な人気をほこる『食戟のソーマ』。「週刊少年ジャンプ」（集英社）で連載されていたマンガ『食戟のソーマ』（著：附田祐斗、作画：佐伯俊／集英社）が原作です。アニメは第1期として2015年4月～9月が放送され、その後2016年7月～9月に第2期、2017年10月～12月、2018年4月～6月と前半後半に分けて第3期、2019年10月～12月に第4期、2020年4月に第5期が放送されました。第5期は新型コロナウイルスの影響で2話以降延期となっており、7月18日（土）よりその続きが放送される予定です。

　この作品は、下町にある定食屋「食事処 ゆきひら」の息子・幸平創真（ゆきひら・そうま／CV：松岡禎丞）が、父・幸平城一郎（ゆきひら・じょういちろう／CV：小山力也）を越えるべく日々料理の修行に励む物語。中学校卒業後は定食屋を継ぐ予定だったが、城一郎の意向により彼は急遽超名門料理学校「遠月茶寮料理學園」（通称：遠月学園）高等部に編入することとなります。幸平は、そこで出会った仲間や先輩、ライバルたちとともに、料理人として成長していきます。

　花江さんが演じるのは、イタリアのフィレンツェにある大衆食堂「トラットリア・アルディーニ」の跡取り息子であるタクミ・アルディーニ。実務経験のある遠月学園の生徒という幸平と似た境遇であることから、幸平に対し特にライバル心を燃やしています。クールさの奥に燃える料理への熱い情熱、そしてプロとしての自信がひしひしと伝わってくる演技に思わずゾクゾク……。時折見せるギャグテイストなタクミもまたかわいく、観れば観るほど魅力的に思えてきます。

●『鬼滅の刃』の竈門炭治郎

『鬼滅の刃』　(C)吾峠呼世晴／集英社・アニプレックス・ufotable

　ふたつめは、作り込まれた世界観に圧倒される話題作『鬼滅の刃』。「週刊少年ジャンプ」（集英社）で連載されたマンガ『鬼滅の刃』（吾峠呼世晴／集英社）が原作です。アニメは2019年4月～9月と2クールにわたって放送されました。

　この作品は、山奥で家族とともに暮らし炭を売って生計を立てていた主人公・竈門炭治郎（かまど・たんじろう／CV：花江夏樹）が家族を鬼に殺され、唯一生き残ったものの鬼と化してしまった妹・竈門禰豆子（かまど・ねずこ／CV：鬼頭明里）を人間に戻すため旅に出るところから始まります。そして家族を殺した鬼を討つため「鬼殺隊」に入り、鬼狩りの道を進むことに。

　突然訪れた悲劇に憔悴しながらも、どうにか禰豆子を助けようと戦い奔走する炭治郎。怒りと恐怖、そして負けられないという思いが入り混じる花江さんの迫真に迫る演技が、その現実離れした壮絶な戦いをより目の離せないものへと昇華させています。そしてそんななかでも炭治郎の優しさ、面倒見の良いお兄さんらしさ、そしてそれゆえのツッコミなどがあちこちに散りばめられており、それがより炭治郎の魅力を引き上げているのです。その緩急ある展開を見事に演じている本作は、人気作であることを抜きにしても必見と言えるでしょう。

■気弱でも、迷いながら夢に向かって進んでいく…！ 『ランウェイで笑って』

●『ランウェイで笑って』の都村育人

『ランウェイで笑って』　(C)猪ノ谷言葉・講談社／ランウェイで笑って製作委員会

　最後は、モデル、デザイナーに焦点を当てた成長物語『ランウェイで笑って』。『週刊少年マガジン』（講談社）で連載中のマンガ『ランウェイで笑って』（猪ノ谷言葉／講談社）が原作です。アニメは2020年1月～3月に放送されました。

　この作品は、モデル事務所「ミルネージュ」の社長令嬢・藤戸千雪（ふじと・ちゆき／CV： 花守ゆみり）がミルネージュのモデルとしてパリ・コレクションに出ることを目指し、そして同級生の貧しい男子・都村育人（つむら・いくと／CV.：花江夏樹）がファッションデザイナーのトップを目指していく物語です。千雪は身長が、育人はお金が足りず夢への道が困難であるのは確か。しかしふたりとも一歩ずつ一歩ずつと、夢に向かっていき――。

　育人は、気が弱く何でも諦めがちな男の子。デザイナーの夢も、妹たちのことを思い諦めるつもりでいました。しかしそれでもやっぱり服が大好き。この、気弱だけど服のこととなると熱くなり夢中になる服への思いの強さ、そして徐々に固まっていく「デザイナーになる」という決意は、花江さんが演じる戸惑いや気の迷いなど、人間の弱い部分を感じさせる声色だからこその温度感なのではないでしょうか。

＊　＊　＊

　以上、声優・花江夏樹さんの演技を堪能できるアニメ3つをご紹介しました。このほかにも2020年4月放送開始クールのアニメ『グレイプニル』の加賀谷修一や『イエスタデイをうたって』の早川浪など、注目したい作品はたくさんあります。今後の活躍にも期待ですね。

（水音）