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サンライズ制作『GEAR戦士電童』 今の時代に受けるのか?見始めたところ…

マグミクス / 2020年7月19日 9時50分

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■スーパーロボット不遇の時代の挑戦

 2000年にサンライズが送り出したTVアニメ『GEAR戦士電童』(以下、電童)が、2020年で放送20周年を迎えます。これを記念して「スーパーミニプラ電童」の商品化が決定し、7月20日(月)から受注が開始される予定です。「GEAR戦士電童」や「騎士GEAR凰牙」ほか、数々の「データウェポン」も発売が予定されており、さらなる展開として『スーパーロボット大戦X-Ω』への参戦やYouTube サンライズ公式チャンネルでの1話の無料公開も控えています。最初に『電童』の特集を見たとき、「今の時代にこれは受けるんだろうか」と首をひねり、実物を見て「これはすごい!」とサンライズの力を思い知らされた記憶を持つライターの早川清一朗さんが、当時を回想します。
 
 * * *

 最初に『電童』の情報を見たとき、ふたりの少年が乗り込む派手な原色のスーパーロボットが、今の時代に受けるのだろうかと友人たちと話し合ったことを覚えています。最終的には「ちょっと難しいんじゃないだろうか」という結論に落ち着いたことも。
 
「少年たちがロボットに乗り、宇宙からやってきた謎の敵と戦う」

 このシチュエーションは、1970年代から80年代にかけてロボットアニメで多く見られたものであり、2000年という時代にはそぐわないのではないかと感じたのです。

 特に1994年には『新世紀エヴァンゲリオン』が登場してアニメの歴史を新しい時代へと導いていました。さらに1990年代後半からはアニメが本格的に深夜枠に進出し、数多くの傑作、意欲作、そして問題作が次々と生み出され、大人が趣味でアニメを見ていてもおかしくない空気も少しずつ醸成されていました。

 しかしながらこの時期、ロボットアニメ、特にスーパーロボット作品にとって、状況はそれほど良くはなかったのです。特に1990年から続いていた勇者シリーズが1998年の『勇者王ガオガイガー』(以下、ガオガイガー)で終了したことが、ロボットアニメ好きの心に暗い影を落としていました。マニアには熱狂的に受け入れられた『ガオガイガー』の視聴率はまったく伸びず、「もう、子供はこういうアニメを見ないんじゃないのかな」という声も出ていたのです。

 このような状況下で『電童』を出そうとしたサンライズの計算はいかなるものだったのかはわかりませんが、実際に送り出された作品を見れば、結果は歴然でした。

 それは、とても素晴らしい作品だったのです。

■コマンド インストール!

『GEAR戦士電童』DVD4(バンダイビジュアル)

 さほど期待せずに『電童』を見始めた筆者の度肝を抜いたのは、縦横無尽の戦いぶりを見せる電童のアクションの素晴らしさでした。特にダイナミックな題字と共に繰り出される拳法技は、従来のロボット物ではなかなか見られないものでした。なお、題字を書いたのは『装甲騎兵ボトムズ』の監督で知られる高橋良輔氏です。

 ユニコーンドリルをはじめとするデータウェポンたちも、敵であるアルテアに付いたり、また戻ってきたりと、まるで本物の動物のように気まぐれで、単なるパワーアップパーツの領域を超えた存在感を発揮していました。

 また、主人公である出雲銀河(CV:松岡洋子)と草薙北斗(CV:進藤尚美)が、はじめはぎくしゃくしながらも、戦いを通じて関係を深めていく姿は、往年の特撮やアニメを思わせる王道のストーリーでした。ここにヒロインとしてマサチューセッツ工科大学を10歳で卒業したエリス・ウィラメット(CV:鶴野恭子※現:石村知子)が加わり、三角関係になるのかと思いきやあまりそういう方向には行かず、むしろ後半に登場したスバル(CV:鈴村健一)の方が、男性ではありましたがなんとなくヒロイン的な匂いがしたのを覚えています。

 そして何と言っても『電童』と言えば、ベガの存在を語らないわけにはいけません。北斗の母親でもある彼女は、普段は家事と喫茶店の店主をこなしながらも地球防衛組織GEARの副司令官でもあり、専用バイク「ワルキューレ」を駆り実戦でも強力な戦闘力を発揮し電童を援護します。さらには機械帝国ガルファに滅ぼされた惑星アルクトスの皇女で、生き別れの兄アルテア(CV:中田和宏)は騎士凰牙を駆り、息子が乗る電童の前に幾度となく立ちふさがります。

 普段は母親にして人妻、戦闘時には副司令官にして優秀な戦士。銀河や北斗が苦悩しているときはお姉さん的な立場として慰め励まし、アルテアに対したときは妹、さらわれれば囚われのお姫様です。

 母、妻、指揮官、戦士、お姉さん、妹、お姫様ですよ。筆者はこれほどまでに多数の強力な属性をたったひとりで兼ね備えているキャラクターを他に知りません。声優の三石琴乃さんの演技もその時見せている顔によって微妙に変化するのがまた魅力的で、事実上の裏主人公、裏ヒロインと言っても過言ではないでしょう。

 またメカニック面でも、密かに作り上げられていたフルアーマー電童はダブルトマホーク、デンドーゴーガン、超電童ヨーヨー、ビームライフル、3連キャノン砲や9連装ミサイル、電童剣、脚部3連ミサイル・バズーカなど、どこかで見たことがあるような武器を多数装備しており、過去のロボットアニメへのオマージュ要素もふんだんに盛り込まれていました。

 果たしてスーパーミニプラでは、フルアーマーが発売されるのか。今のところ、筆者はそれが一番気になっています。

(ライター 早川清一朗)

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