芦田豊雄氏の命日 『ミンキーモモ』『魔神英雄伝ワタル』キャラデザなどで活躍
マグミクス / 2020年7月23日 9時10分
![芦田豊雄氏の命日 『ミンキーモモ』『魔神英雄伝ワタル』キャラデザなどで活躍](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_32061_0-small.jpg)
■『魔神英雄伝ワタル』で芦田豊雄氏を意識した
7月23日は、2011年に亡くなったアニメーター・キャラクターデザイナーの芦田豊雄(あしだ・とよお)氏の命日です。アニメ『魔法のプリンセス ミンキーモモ』や『魔神英雄伝ワタル』のキャラクターデザインを務め、80年代を代表するクリエイターとしてアニメファンたちから注目を集めました。晩年はアニメ業界への問題提議と地位向上を目的とした日本アニメーター・演出協会(JAniCA)を設立し、アニメーターが保険に入れるよう尽力しました。中学生時代に『魔神英雄伝ワタル』と出会い、芦田氏がデザインしたキャラクターの魅力のとりことなったライターの早川清一朗さんが追悼します。
* * *
筆者は小さい頃にたくさんのアニメを見ていましたが、中学生に上がるまでは誰が何を作っているのか意識したことはありませんでした。それが偶然見るようになった『赤い光弾ジリオン』で「アニメって、作る人によってこんなに違うものになるんだ」と気付き衝撃を受け、これから始まるアニメで何か面白そうなものはないかと探し回るようになりました。そのとき目に入ったのが『魔神英雄伝ワタル』(以下、ワタル)だったのです。
「よし、なんか面白そうだしこの『ワタル』ってのを見てみるか」と決めた筆者は、放送の前日あたりに導入したばかりのビデオデッキで録画をセットしたことを覚えています。
実際に見てみた『ワタル』はテンポのいいギャグや魅力的なキャラクター、実力ある声優の方々のハイレベルな演技など、極めて面白いハイレベルな作品として、筆者をあっというにとりこにしました。何より今までと違っていたのは、ビデオに録画してあるので、好きな時に好きな場面を再生できるようになっていたのです。
そうして何度も『ワタル』を見返すうちに、「芦田豊雄」という名前が目に入るようになりました。どこかで見たことがあるような気がしたのです。
しかし当時はインターネットがないので、疑問に思ったらすぐ検索できるわけではありません。「うーん。どこかで見たことがあるんだけど……」と首をひねりながらも、どこで見たのかは思い出せませんでした。
■芦田豊雄氏から受けた影響の強さ・長さ・深さ
『アイドル伝説えり子』画像はレジェンド Blu-ray BOX(メディアファクトリー)
その後も『魔導王グランゾート』『アイドル伝説えり子』などさまざまなアニメで「芦田豊雄」の名前を見る機会があり、「ああ、たくさんの作品でメインスタッフを務めているすごい方なんだ」と理解はできたのですが、ろくにアニメ関係の資料も手に入らない田舎の学生には、その程度の認識が限界でした。筆者が芦田氏の本当の凄さを知るのは、インターネットの定額制が開始され、クリエイターの情報が手に入りやすくなるのを待たねばならなかったのです。
そこから10数年が経ち、何かの折に芦田氏の名前を見かけた筆者は、「そういえば、すごくいろんな作品で名前を見る人だよな」と思い、検索をかけてみたのです。
すると、芦田氏が関わったタイトルのなかには、筆者が子供時代に夢中になった作品がたくさん含まれていたことに気付かされたのです。
キャラクターデザインとしては1979年版『サイボーグ009』、『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『銀河漂流バイファム』。そして監督としては、TVアニメ『北斗の拳』を担当されていました。もっとも、『北斗の拳』は初期段階で降板していたそうですが、名前だけはクレジットされていたそうなので、放送期間中ずっと、筆者は芦田氏の名前を見続けていたのです。どこかで見たことがあると感じていた理由は、『北斗の拳』でした。
作画監督や演出まで含めれば、1970年代前半から2000年代まで、芦田氏は膨大な数の作品で辣腕を振るっています。筆者が見たタイトル数だけでも、20は軽く超えています。今のような短いスパンの作品ではなく、1タイトル1年、あるいはもっと放送されていた時代の話です。他の娯楽も今と比べれば圧倒的に少ない時期に筆者が受けた影響は、それだけ強く、長く、深いものでした。
そして2020年になっても、芦田氏の流れを汲む『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』が制作され、往年のファンを楽しませてくれています。素晴らしいアニメやキャラクターの数々を生み出していただき、誠にありがとうございました。ここに謹んでお礼を述べるとともに、ご冥福をお祈りいたします。
(ライター 早川清一朗)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
サンライズのロボット30体が大集合!「サンライズワールド」池袋・横浜・博多にて新施設がオープン
アニメ!アニメ! / 2024年7月10日 12時25分
-
『レイアース』新作アニメが「原作に忠実」ならばいろいろ気になる「懸念点」とは
マグミクス / 2024年7月6日 6時25分
-
三重野瞳、デビュー30周年記念で未配信アルバム6作をサブスク解禁
ORICON NEWS / 2024年6月25日 20時46分
-
「AI×Web3アニメ」のピッチコンテスト『Prince JAM! 』の審査員発表。マルチクリエイター広井王子氏、ジャーナリスト数土直志氏など。
PR TIMES / 2024年6月24日 14時15分
-
『機動戦士ガンダム』MSだけじゃなく「ヘルメット」も画期的だった? 富野監督も配慮し続けたデザインの秀逸さ
マグミクス / 2024年6月20日 6時10分
ランキング
-
1Koki,出演映画がアメリカで大苦戦も、旧ジャニ俳優との共演オフショットで“身長疑惑”は払拭か
週刊女性PRIME / 2024年7月17日 18時0分
-
2妊活で体調不良続く妻の看病に「僕の気が滅入る」ブログで愚痴る夫に「もう時間の問題」厳しい声
週刊女性PRIME / 2024年7月18日 18時0分
-
3広末涼子いまだ女優復帰できず開店休業状態が続く裏側 不倫騒動から1年、鳥羽シェフと“結婚間近”も…
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月18日 9時26分
-
4《俳優・中野英雄が明かした極秘離婚》「息子・太賀が高校生の頃、家族に迷惑をかけるんだったら別れようと…」それでも一緒に住む“新しい家族の形”
NEWSポストセブン / 2024年7月18日 11時24分
-
5CM界に異変…男性は旧ジャニーズが激減し中堅俳優陣が頭角 賀来賢人は15社で「CMの顔」に
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月18日 9時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)