初の学園モノと思いきや?『FE 風花雪月』 教師生活から一転、生々しい戦場へ…

マグミクス / 2020年7月26日 12時10分

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■選択がもたらした衝撃的な顛末

 どんなジャンルであれ、ゲームを遊ぶ以上誰しも経験するのが”選択”。アイテムを使うか否か。ダメージを恐れず攻撃を仕掛けるのか、それとも堅実に防御を固めるのか。アドベンチャーゲームだと、イベント時に選んだ選択肢によってエンディングの結末が180度変わる……なんてケースも珍しくありません。それが意識的にせよ無意識的にせよ、プレイヤーはあらゆる選択に伴う責任感を胸に秘めつつ、コントローラーを握っているのではないでしょうか。

 筆者の場合はNintendo Switch用ソフト『ファイアーエムブレム 風花雪月』(以下、FE 風花雪月)をプレイした際に、選択がもたらした衝撃的な顛末を目の当たりにしました。

 本作は2019年7月26日に任天堂が送り出した「ファイアーエムブレム」(以下、FE)シリーズの最新作。ジャンルは過去作と同じくシミュレーションRPGですが、「三国志」シリーズで有名なコーエーテクモゲームスが開発に携わっており、従来作品の基本的なゲームシステムや「FE」シリーズのテイストを踏まえた上で、戦場が生み出す悲劇と生々しさに重きが置かれています。

 本作の舞台は架空の大地「フォドラ」にそびえ立つ「ガルグ=マク大修道院」。主人公(プレイヤー)はこの施設内に設立された士官学校の教師となり、「黒鷲の学級(アドラークラッセ)」、「青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)」、「金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)」といった3学級からひとつを担任として受け持つことになります。各学級はそれぞれ特色が別れており、在籍するユニット(キャラクター)の出身国や身分、生い立ち、戦闘時のクラスも千差万別。プレイヤーは壇上で教鞭を持ち、士官学校で教育を受ける未来有望な彼らの指導にあたります。

 本編中は修道院内を散策して生徒の様子を見回る以外にも、教師と生徒の関係性を深めるさまざまな試みも用意されていました。生徒の技能を観察し、個別指導で長所をさらに伸ばす。やる気のない生徒を食事に誘い、腹の割った話を持ちかけて意欲を引き出す。悩みを抱えた生徒の話に耳を傾け、進路に合わせた課題を与える。こうした行動を起こすたび、生徒の潜在能力がパラメータ上でも大きくアップ。言わば”学園モノ”とでも言うべき『FE 風花雪月』は、生徒指導が単なるストーリー上の演出としてだけでなく、綿密にユニット育成と紐付けられていたのです。

■生々しい惨状が描かれるストーリー第2部

 しかし、物語はゲームを進めるごとに段々と平穏な情勢が崩壊。修道院内での学園生活がメインだった第1部と打って変わり、第2部は戦争が生み出す惨状に焦点が当てられます。ネタバレを避けるため言及は避けますが、国家間の存亡に加え、戦場に集った人間の生死をかけた争いが克明に描かれています。

 とりわけて重要なのは、第1部で選択した学級がそのまま自軍の戦力として反映され、物語の行く末を否応なく左右する点。平たく言えば、第2部は第1部のルート分岐に従い、他の学級と争わざるをえない展開が待ち受けています。

 同じ学び舎を共有し、寝食を共にし、イベントシーンを重ねて交流を深めていたとしても、ひとたび学級が違えば敵に変わりありません。お気に入りのユニットを自学級に転入させるスカウト制度もありますが、それでも全ての生徒を招き入れるのはシステム上不可能。どこかで必ず、見知った仲間を己の手で斬らなければならないのです。その際の得も言われぬ感情は、実際にボタンを押してユニットの命を奪ったプレイヤーでないと分からないのかもしれません。

 全世界売上287万本(2020年3月時点)を記録し、ワールドワイドに存在感を放ち続けている『FE 風花雪月』。筆者は1周目のプレイで救えなかった人々を取り戻すべく、2周目のプレイに奮闘しています。

(龍田優貴)

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