00年発売「無理ゲー」の名作?PS『デビルマン』 前半はまるで武器なし『バイオハザード』
マグミクス / 2020年8月11日 19時20分
![00年発売「無理ゲー」の名作?PS『デビルマン』 前半はまるで武器なし『バイオハザード』](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_33135_0-small.jpg)
■ひたすら敵から逃げるしかない「不動明編」
1994年12月に発売された家庭用ゲーム機「プレイステーション」(以下、PS)は、世界累計で1億240万台の出荷を数え、ソフトは9億6200万本以上を売り上げています。この「分母の多さ」ゆえ、数多くの革新的なゲームソフトが誕生したのは記憶に新しいことと思います。
「メタルギア」シリーズや「バイオハザード」シリーズなどの後世にも語り継がれる名作がある一方、ユーザーに酷評されたクソゲーや、クリアするのが非常に難しい「無理ゲー」があったのも、また事実です。
その数あるソフトの中で筆者の記憶に残るPSの「無理ゲー」のひとつが、『デビルマン』です。1972~1973年にかけて講談社の週刊少年マガジンで掲載され、同時期にNET(現・テレビ朝日)系列でアニメが放映された同作品は今なお多くのファンから支持されていますが、このPS向けに発売された『デビルマン』は基本的に、マンガ版に沿った内容となっています。
ちなみに内容は人間・不動明を主役とする「不動明編」と、明がデーモンと合体を果たした後の「悪魔人間編」の2パートに分かれているのですが、実はクリアするのがかなり難しい一本となっています。
そのオープニングムービーやパッケージ写真から、2004年に公開された(悪名高き?)映画版とのタイアップと誤解されるかもしれませんが、本ソフトの発売は2000年ということから、むしろ後の映画版のキャラクターデザインにこのゲームが与えた影響が大きいのかもしれません。
オープニングムービーでは隕石が飛び交う太古の世界で互いに殺し合うデーモンたちの姿が描かれていますが、そのグラフィックはPSというハードにおいてはかなり力が入ったもの。スタートボタンを押すまで、否が応にも気分を盛り上げるものとなっています。
もちろん、ゲームのプレイ画面は現在から見れば荒いグラフィックなのですが、逆にコレがテレビゲームらしい雰囲気で、筆者のようなアラフィフ世代にとっては「ホッとする」のが正直なところです。
で、肝心のゲームの内容はというと、「不動明編」はズバリ言って「武器のないバイオハザード」状態。だだっ広い「飛鳥邸」のなかで「デカい蜘蛛女デーモン」やマンガ版にも登場した「ゲソー」などのデーモンから、ひたすら逃げ回るというものになっています。
■デビルマンとなって力を得てもなお、難易度は高めで…
原作マンガ『新装版 デビルマン』第1巻(講談社)
そんな「不動明編」で襲いかかる敵への対抗手段は、「忍び足」や「四つん這い」での移動、もしくは「ジャンプ」のみです。そのなかでも前半に登場する「デカい蜘蛛女デーモン」は極端に視力が弱いという設定のため、近くを通る際には「忍び足」でやりすごすのが基本なのですが、中盤のバルコニーでは途中で助けたネコと合体。素早い動きと視力を得た結果、さらに逃げ惑う羽目になります。筆者はここで何度も死に、その度にコントローラーを床に叩きつけていたのも懐かしい思い出です。
またこのPS版『デビルマン』は、初代『バイオハザード』のようにカメラの視点が場面によって勝手に切り替わるので、方向感覚がイマイチつかめないのも厄介なところ。加えて移動は十字キーのみです。その操作性の悪さから一部の人からはクソゲー扱いされることもあるのですが、逆にそんなシステムだからこそホラーゲームの恐怖が増幅されるという一面もあります。デーモンに出くわした時のBGMも秀逸です。
もちろん、ゲームを進めれば不動明は無事に「勇者アモン」と合体を果たし、第二章の「悪魔人間編」が始まるのですが、デビルマンに変身しても、倒すのに難儀するデーモンたちが続々と登場。最初の「アグウェル」こそ楽勝なのですが、マンガではザコキャラだった「ゲルマー」をはじめ、「魔将軍ザン」や「サイコジェニー」、「ジンメン」、最終の「合体デーモン」など、どいつもコイツもかなり強く設定され、倒すのもひと苦労です。
ゲーム内のコミック版をクリアし、さらにアニメ版(衣装とデビルマンの姿が変わるだけで内容は同じ)、再びコミック版をAランクでクリアしなければ出現しない第3章「妖鳥死麗濡編」を出すのは、さらに至難の業といえるでしょう。
とはいえ、このPS版『デビルマン』、今のゲームでは考えられないほどに難しいからこそ、じっくりやり込めば不思議とハマる魅力があるのもまた事実。こうした「無理ゲー」が堂々と存在したのも、「分母」が大きい初代PSからプレイステーション2までの時代ならではといえるかもしれません。
(渡辺まこと)
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