【漫画】迷子らしき女の子に声をかけるも「大丈夫」 しばらくしても一人でいて…？

■つい「大丈夫」と答えてしまう、人間の心理

　以前、さざなみさん（@3MshXcteuuT241U）が母と子供とでショッピングモールに出かけた時のこと。混み合うモール内で、ひとりで立っている女の子がいました。しばらくしてもまだ同じ場所に立っているのを見て、さざなみさんは迷子ではないかと考えます。

　さざなみさんは女の子に「大丈夫？」と声をかけますが、女の子は少し考えてから「大丈夫です」と答えました。その後もまだ立っている女の子に、今度はさざなみさんの母が声をかけると……。

　さざなみさんがこの時のことを描いたマンガ『困ってる？という問いかけ』がTwitterで公開されました。問いかけ方次第で相手の反応が変わるというエピソードに、読者からは「あるあるですね」「思わずうなずいた」「人間はNoと答えることにストレスを感じるらしいので、Yesで答えられる質問の仕方をするとよい」などの声があがりました。また、仕事や生活の場面で同様の体験をした読者からの体験談が多く寄せられました。

　作者のさざなみさんに、お話を聞きました。

ーー『困ってる？という問いかけ』のエピソードをマンガに描いて公開しようと思ったきっかけはありましたか？

　こちらのエピソードは、3年前のものです。当時も迷子の女の子の気持ちを解説してくれた母の言葉に深くうなずいたものです。現在4歳になった長女を育てているなかで、困ってるの？　という問いかけ方の実効性を改めて感じたので、フォロワーさんと共有したくてマンガに描くことにしました。

ーー女の子へのお母様の問いかけと自身の問いかけを比べて、初めは「この違いは何だ？」と思っていたさざなみさんですが、その後どのようにして違いに気づかれたのでしょうか？

　作中に登場する、元保育士の母が解説してくれました。大丈夫？　と聞かれたら、大丈夫と答えなきゃいけないような気がする。困ってる？　と聞かれることで、困っている自分の状況をやっと認識できる……というような内容でした。そう聞いてなるほど！　と納得し、これは今後のために覚えておかなければいけない気づきだ、と感じました。

「大丈夫？」と尋ねると「大丈夫」と答える（さざなみさん提供）

ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

　多くの方から、自分もそうだ、という声をいただきました。困っていそうな人にまず「大丈夫か」と尋ねてしまう。自分が困っている側で、人から「大丈夫？」と聞かれたら、大丈夫じゃなくてもつい大丈夫と言ってしまう……などです。私は育児のタグをつけて子供の特性であるかのように発信しましたが、これは実は大人にも通じる習性であることが分かったのです。

ーーこの出来事の後、お子様にも「困ってる？」という問いかけをするようになったそうですが、お子様の反応はいかがですか？

　子供が危なっかしいことをしている時、そこに緊急性がない場合にはしばらく様子を観察してから「困ってる？」と優しく聞くようにしています。まずいと感じている場合はそこでビクッと反応するので、危険を認識しているのかいないのかの確認ができます。それを続けているうちに、徐々に自分の手に負えないことをすぐに報告に来てくれるようになりました。「私、困ってます」と言いに来るのです。自分でそれを言えるようになってくれたことを、とてもうれしく思っています。

ーーWebメディア「CHANTOWEB」にて連載中の『この瞬間をきっとまた思い出す』についてご紹介いただけますか？

　今回の、「困ってる？」という問いかけに描いたような、日常生活の中で心に留まった気づきをマンガにしています。育児関連の話題だけでなく、家族や仕事について扱った話もありますので、ぜひご覧いただければうれしいです。

（マグミクス編集部）