さすが俺たちのセガ!『ファイティングバイパーズ』エッジが効いた格ゲー
マグミクス / 2020年8月30日 10時30分
■1990年代半ばのゲームセンターで…
1996年8月30日は、セガサターンで3D対戦格闘ゲーム『ファイティングバイパーズ』が発売された日です。1995年にアーケードで発売された同タイトルの移植版で、コスプレイヤーやペプシマンなど個性的なキャラクターが派手なアクションを披露する、独特な存在感を持つタイトルとして一定の人気を得ました。1990年代半ば、対戦格闘ゲームに青春を燃やしていたライターの早川清一朗さんが、『ファイティングバイパーズ』との出会いと、セガサターン版を買ったときのエピソードを語ります。
* * *
あれから25年の時間が経過したことに、ただ驚くほかはありません。当時筆者はちょうど大学生で、暇と体力と情熱のすべてをつぎこんで、ありとあらゆるゲームをプレイしまくっていました。『ファイティングバイパーズ』も、そのなかで出会った印象深いタイトルのひとつです。
ちょうどこの時期は対戦格闘ゲームがすさまじい人気を誇っており、街のあちらこちらにあるゲームセンターには対戦台がずらりと並び、その後ろには順番待ちをしているゲーマーたちが群れを成していることなど、珍しくもなんともありませんでした。
特に1994年11月に発売された『バーチャファイター2』の人気はすさまじく、ゲームセンターの熱気は、筆者が知る限り絶頂を迎えていたように思います。他にも「キング・オブ・ファイターズ」シリーズ(以下、KOF)や「サムライスピリッツ」シリーズ、『スーパーストリートファイターII X』など、多くのタイトルがとてつもない勢いでリリースされており、多くのゲーマーたちが夢中でプレイしていました。
そんなある日、いつものように『KOF95』でもやろうかとなじみのゲームセンターにやってきた筆者の前に、セガの新作タイトルとして現れたのが『ファイティングバイパーズ』でした。興味をひかれ、少々の順番待ちのあとにプレイを開始した筆者でしたが、今まで経験したことのないいくつかの要素に驚かされることになったのです。
■キャラクターがアーマーを装着している
筆者が選択したキャラクターはハニーというコスプレイヤーでした。いまでこそコスプレイヤーは市民権を得てタレントとして活動していますが、当時は一部の人間がこっそりイベントだけで活動していたような存在でした。そんな時期にコスプレを前面に押し出したキャラクターを登場させたのは、さすがセガ、それでこそ俺たちのセガだ、エッジが効いてるぜと称賛するしかありません。
それはさておき、少しプレイをしてみたところ、『ファイティングバイパーズ』は今までの格闘ゲームにはない要素が存在していることに気付きました。それがアーマーです。キャラクターはそれぞれアーマーを装備しており、ガードばかりしているとアーマーを削られ、ゲージがなくなったところにアーマー破壊技を受けると破壊されてしまいます。アーマーを失うと受けるダメージが増えてしまうため極めて危険なのです。とはいえ筆者が使っていたハニーは、アーマーを失うと下着姿になるギミックが仕込まれており、これ見たさにわざとアーマーを破壊させることもしばしばでした。当然勝率は悪かったのですが、筆者はまだ若かったので仕方ありませんでした。
ただ、『ファイティングバイパーズ』はキャラのバランスが悪く、対戦ツールとしては少々厳しいタイトルではありました。また、CPU戦では超反応の投げを喰らうことが多く、気合を入れないと先に進むのも難しいため、気付けば他のタイトルに押され、いつしか姿を消してしまったのです。
それでも翌1996年の夏、セガサターンで『ファイティングバイパーズ』が発売されたとき、筆者は速攻で買いに走りました。アーケードでは十分練習を積む時間が取れなかったという理由に加え、隠しキャラとしてペプシコーラの擬人化キャラクター「ペプシマン」が登場することが予告されていたからです。当時、ペプシマンはTVCMにしばしば登場する人気キャラクターで、これがゲームにプレイアブルキャラクターとして登場するというのは、かなりのインパクトがありました。
無事『ファイティングバイパーズ』を入手した筆者はしばし練習に取り組みましたが、残念ながら周囲に対戦相手がおらず、情熱の矛先をどこにも向けられずにやがて他のタイトルをプレイするようになりました。今のようにネットで対戦相手とつながれる時代であれば、色々状況は違ったのでしょう。今の対戦格闘ゲーマーが本当にうらやましい。がんばって、自分たちの世界を守りつつ、さらに押し広げていってほしい。心からそう思います。
(ライター 早川清一朗)
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