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漫画『JKからやり直すシルバープラン』 崖っぷちヒロインは作者の実体験から誕生?

マグミクス / 2020年9月2日 17時10分

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■激しいスランプから生まれた物語

 誰だって叫びたくなるほどの人生の失敗をひとつやふたつ、持っているのではないでしょうか。Webマンガ雑誌「コミックヴァルキリー」にて連載中の『JKからやり直すシルバープラン』のヒロイン、小百合もまさにそのひとり。バブル崩壊により孤独なホームレス生活を送る彼女は、人生の汚点である高校時代にタイムリープして2度目の人生を歩んでいきます。

“後悔を糧に生き抜くしかない”と語る、原作者のイム・ダリョン(林達永)さんにお話を聞きました。

* * *

ーーイム・ダリョンさんが創作活動を始めたきっかけについて教えて下さい。

イム・ダリョンさん(以下、敬称略) 中学の時に韓国で友達と一緒にアマチュア創作サークルを結成し、これを元にした制作スタジオ法人「アートリムメディア」を設立しました。日本では2000年ごろから活動していますが、もう20年になるんですね。僕の作品を読んでくれる読者がいるということは、目頭が熱くなるぐらい感激です。

富も権力も全てを備えていた、小百合の一度目のJK時代 (C)KILL TIME COMMUNICATION PUBLISHING Co.

ーー今作の物語は、どのような着想から生まれたのでしょうか?

イム・ダリョン 激しいスランプです。歳をとると、流行や最新の面白さを作品に溶け込ませることができません。さらに会社を運営する立場上、どうしても多作を求められ各作品の密度が下がり、打ち切りになったこともあります。“自分のなかの全てが枯渇した”という、今作序盤でホームレスになっている小百合と同じ心境でした。そんな状況で最後のひと頑張り、ひと足掻きといいますか、自分では遺作のような気持ちで描き始めた作品です。

ーーストーリー作りにおいて、心がけていることはありますでしょうか?

イム・ダリョン 今までの僕の作品は、僕個人の趣味趣向が強く出ている作品がほとんどでしたが、ひとりで暴走せずにヒロイン・小百合と読者さんと一緒に歩む、という感覚で作品を書くことですかね。過去の高慢だった自分を反省するという要素は、やっぱり僕の物語でもあるなと。

■作者が考える「本当の幸せ」とは…?

家が没落して一家離散し、小百合は50歳近くでホームレスに。一度目の人生が幕を閉じる (C)KILL TIME COMMUNICATION PUBLISHING Co.

ーーヒロイン・小百合は、ニ度目の人生ではエネルギッシュで前向きなキャラクターとして描かれています。この変化についてお考えをお聞かせ下さい。

イム・ダリョン 不遇な状況を経験した人はきっとその後、意欲的な人生を送れるようになると思いました。小百合は人生のすべてが失敗した絶望を体験しています。家族がいて、友達がいるというだけでも身が震えるほどうれしいに違いないと思いました。実際、僕自身も本当の幸せというのは、そんなものなのではないかなと思います。

ーー作中の小百合の奮闘は、周りの人の態度も変えていく展開になっています。同作の物語にはどのような思いが込められているのでしょうか?

イム・ダリョン 「人は決してひとりではない」。これは本作で僕が一番伝えたかったテーマでもあります。深いスランプに陥っていても、仲間と多くの読者さまからたくさんの勇気と応援をいただきました。だからよく分かります。今度は僕が小百合と一緒に少しでも多くの方々に勇気と励ましをお届けできればうれしいなと。それが僕をひとりにしないでくれた、大切な人たちへの一番の恩返しになると考えています。

ーー読者に向けてひとことメッセージをお願いします

イム・ダリョン 人生は山あり谷ありとよく言います。けれど、そんな険しい道のなかでも諦めず、今あるものに感謝しながらひたすら頑張って生きていくヒロイン。もしそんな物語が嫌でなければ、この作品を読んでみてくれるとうれしいです! 僕も頑張ります!

(椎名治仁)

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