『マジンガーZ』と『仮面ライダー』 …真逆だった70年代ヒーローの「交代劇」

マグミクス / 2020年9月6日 14時20分

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■衝撃的だったマジンガーの交代劇

 今から46年前の1974年9月8日は、アニメ『グレートマジンガー」が放送開始した日です。グレートマジンガーといえば、当時の子供たちを熱狂させた大ヒット作品『マジンガーZ」の続編。前作「マジンガーZ」に匹敵するほど人気を得ます。

 その交代劇は衝撃的で、当時の子供たちだけでなく、後年に制作されたロボットアニメにも大きな影響を与えていますが、この「交代劇」がふたつあったことをご存知でしょうか?

 ひとつは、1974年7月25日に公開された劇場版「マジンガーZ対暗黒大将軍」です。世界中を襲撃するミケーネ帝国の戦闘獣軍団。Zは果敢に戦いを挑みますが、多勢に無勢。徐々にボロボロになり、ついに倒れてしまいます。

 そんな時、密かに建造されていた新マジンガー、グレートが姿を現し、戦闘獣軍団を蹴散らす大活躍を見せます。Zもふたたび立ち上がり、最後の敵をグレートと一緒に撃破します。そして戦いは終わり、グレートはどこかへと去っていきます。

 この劇場版の約1か月後、もうひとつの交代劇として放送されたのがマジンガーZの最終回、第92話「デスマッチ!!甦れ我等のマジンガーZ!!」です。ちなみに劇場版とはパラレルになります。

 宿敵Dr.ヘルを倒して世界に平和を取り戻した甲児とZ。しかし、密かに活動していたミケーネ帝国が、ヘルとの最終決戦で傷ついた状態のZに襲いかかります。2体の戦闘獣の前に敗れるZ。だが、この危機に駆けつけたグレートは、2体の戦闘獣を容易く倒してしまう。傷ついた甲児はアメリカに留学します。

こうして甲児とZのいない留守は鉄也とグレートが引き継ぎ、新シリーズ『グレートマジンガー』が始まるのです。この展開では、Zが負けた所で番組が終わり、当時の子供たちにとって、どうにも納得いかない終わり方でもあったのです。

 しかし、その後『グレートマジンガー」最終回間際で、帰国した甲児のZが、逆にグレートを助けるという復活劇が用意されていて、そこでみんな満足します。

 この新旧ヒーローの交代劇。実はこの少し前、当時の子供たちの人気を「マジンガーZ」と二分していた、あるヒーローと重なる部分があったのです。

■マジンガーと真逆。番組最初の前後編で2人のヒーロー退場

『仮面ライダーV3』DVD  VOL.1(東映ビデオ)。「V3」の誕生と、ふたりのライダーとの別れが描かれる

 現在のように「アニメ」や「特撮」という言葉はなく、子供向け番組は「テレビまんが」と呼ばれていた時代。絶大な人気を得ていたテレビまんがのひとつが、『仮面ライダー」を始めとするライダーシリーズでした。そこへ『マジンガーZ』が放送を開始し、両者はやがて人気を二分する関係になっていきます。

『マジンガーZ』の放送開始が1972年12月3日。ライダーシリーズ第2作である『仮面ライダーV3』の放送開始は1973年2月17日のことです。ライダーの新旧交代はどんな形だったのでしょうか?

 世界征服を企むゲルショッカーは仮面ライダー1号、2号によって壊滅させられ、世界に平和が戻ります。しかし、新たな悪の組織デストロンが動き始めます。そのデストロンに重傷を負わされた風見志郎は1号、2号による改造手術で命を救われ、仮面ライダーV3としてよみがえります。

 だが、デストロン怪人カメバズーカの体内にある原爆から東京を守るため、1号と2号は海のはるか先の安全な場所へと怪人を連れ出し、その爆発に巻き込まれて消息不明になってしまいます。ひとり残されたV3は、デストロンとの孤独な戦いに身を投じます。

 後に1号、2号は九死に一生を得ていたことがわかります。そして、V3が危機におちいった時、助けるため日本へ帰ってきます。

 平和が戻った直後に新たな敵の台頭、新しいヒーローに後を任せて退場するそれまでのヒーロー、やがてヒーローはふたたび姿を現して共闘するという大きなフォーマットは共通していますが、大きく違う点がひとつあります。

 それは、交代劇が最終回か、番組開始時かということです。これは大きく印象が異なります。しかし、どちらが良いということではありません。ライダーの期待感あふれるスタート。マジンガーの絶望的な所から盛り上げる手法。どちらも当時の子供たちにとって、ワクワクするような展開です。だからこそ、両シリーズとも現代まで語り継がれるほどの名作たり得るのです。

 偶然でしょうが、初代ヒーローからの交代劇が真逆だったマジンガーと仮面ライダー。みなさんはどちらの展開が好みだったでしょうか?

 私はどちらも大好きです(笑)。

(加々美利治)

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