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山村響&二ノ宮ゆいが語る、アニメ『ピーター・グリル』の面白さと声優の仕事(前編)

マグミクス / 2020年9月11日 19時10分

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■声優から見た『ピーター・グリルと賢者の時間』の面白さ

 2020年7月から放送・配信中のアニメ『ピーター・グリルと賢者の時間』。原作は、双葉社「月刊アクション」に連載中の、檜山大輔による同名マンガです(既刊6巻)。メインヒロインのひとりを演じる声優・山村響さんと二ノ宮ゆいさんに、作品の魅力をはじめ、声優というお仕事の喜びや苦労についても語ってもらいました。

 同作はセクシーとギャグの要素が満載でエンタメ性に富んだファンタジー作品。愛する婚約者と結婚するため、地上最強の栄冠をつかみ取った戦士ピーター・グリルに、オーガやエルフなどさまざまな種族の女性たちが優秀な遺伝子を狙って誘惑をしかけてきます。肉体的には最強でも精神的にもろいピーターは、あえなく欲望に屈し、コトが終わった後に急に冷静になる「賢者タイム」を何度も経験することに……。

 山村響さんが演じているのは、狡猾な手段でピーターを陥落させるオーガ姉妹の姉、リサ・アルパカス。二ノ宮ゆいさんは、ピーターの婚約者で純粋無垢な女騎士、ルヴェリア・サンクトゥスを演じています。ふたりはアーティストとしても活躍中。二ノ宮ゆいさんはニノミヤユイ名義で、作品のオープニングテーマ曲『つらぬいて憂鬱』を歌っています。

* * *

──おふたりから見た、作品の面白さについてお聞かせ下さい。

山村響さん(以下、敬称略) 頭を空っぽにしながら楽しんで、「ああ、面白かった!」と満足していただけるところです。ちょっとエッチな作品ですよと聞いて、最初は身構えながら原作を読んだのですが、エッチでもそれを感じさせないというか、テンポの良いギャグやツッコミどころが満載で、実際は誰にでも気軽に楽しんでもらえる作品なんじゃないかなって思います。

二ノ宮ゆいさん(以下、敬称略) 主人公のピーター・グリルも含め、人間的に曲がっているキャラクターがあまりいない点が好きです。女性の側も自分に素直というか、そのあたりが、こういった作品に初めて触れる私でも抵抗なく笑えた理由なのだと思います。確かに男性向けなんですけど、女性でもストレスなく楽しめるんじゃないでしょうか。

ピーターに迫るオーガ族の女性、リサ・アルパカス。『ピーター・グリルと賢者の時間』第1話より

──同じ女性の目から見て、それぞれ演じられているヒロインの魅力は、どんなところにあると思いますか?

山村 私の演じるリサ・アルパカスは、頼れるお姉さんタイプの女性です。私自身が誰かに頼られるとかえってタジタジになっちゃう方ですから、純粋に憧れますよね。彼女がピーターに迫って誘惑するのにも、実はちゃんとした理由があります。まっすぐでしっかりとした責任感に基づいて、頑張っている女性でもあるんです。まっすぐすぎて、ちょっぴりおバカなところもありますけど、そこがまたカワイイですよね。

二ノ宮 ルヴェリア・サンクトゥスも、同じようにカッコよくて頼れるお姉さんタイプの女性だと、原作を読み始めた最初の頃は思っていました。でも、読み進めるうちに、彼女の中にある子供っぽさのようなものが見えてきて、そちらの方が本質に近いんじゃないかと。それに気付くと、どんどん可愛く思えてきて……。私が守ってあげなくちゃ!という気持ちになりました(笑)。

山村 尊いよね、ルヴェリア。

二ノ宮 はい! 外見や言動と内面とのギャップが、ルヴェリアは激しいと思うんです。そういうところが、本当に愛らしいです。

■声優として演じることの喜びと楽しみも

ピーターの婚約者、ルヴェリア・サンクトゥス(左)。『ピーター・グリルと賢者の時間』第2話より

──それぞれのキャラクターを演じられるうえで、ポイントのようなものはあるのでしょうか?

山村 リサの誇り高さや責任感の強さには、彼女がある立場に置かれていることが背景としてあります。上から目線ではないですけど、誰に対しても毅然とした態度で臨むのには、それなりの理由があるんです。ですから、まずそこをお芝居で表現できるように心がけました。でも、まっすぐすぎておバカな、彼女ならではの魅力もあります。その部分も表現するようにして欲しいというのは、オーディションの段階から求められました。

──オーディションの時点で、そのレベルまで要求されるんですね。

山村 リサを「真面目なだけでなく面白くも見せて欲しい」と言われまして、自分なりに一生懸命、やり方を考えました。また、態度こそ上から目線でも、彼女は決して相手を見下したり蔑んでいるわけではありません。だからこそ、掛け合いの場面では言葉をしっかりやり取りすることを心がけるというか、そういう部分は意識しました。

──ルヴェリアの方はいかがですか?

二ノ宮 騎士としてのルヴェリアは、凛として芯が強く、大胆不敵な行動にも打って出る女性です。私自身が割と小心者で、演じるキャラクターの性格と乖離した面があります。その乖離を埋めるためにも、できるだけ演技を大きくするように心がけました。ひとつの感情に対して、ズバッと一番奥まで行ききる、そんなイメージです。振り切って演じないと、ルヴェリアの可愛さの方だって伝わらないと思って、そこを常に課題にしていました。

──『ピーター・グリルと賢者の時間』に限らず、声優として演技をすることの喜びや楽しみは、どんなところにあるとお考えでしょうか?

山村 自分自身が何歳になっても、演じるキャラクターによっては5歳にもなれるし500歳にもなれる、現実世界だけでなく異世界にでも未来にでも行ける、そういった経験をさせていただけるのは、本当に素晴らしいことだと思います。

二ノ宮 私は声優というお仕事への憧れだけを頼りに、この世界に飛び込みました。ですので、最初は「憧れのお仕事をできているんだ!」という喜びの方が大きかったのですが、色々な役をやらせていただくほどに課題に突き当たっていくというか、難しさを感じるようになりました。

──そのあたりのご苦労などについても、引き続きお話をうかがっていけたらと思います。

※アニメ『ピーター・グリルと賢者の時間』は、TOKYO MX/とちぎテレビなどで、毎週金曜日深夜25:35から放送/配信中です。

(C)檜山大輔/双葉社・「ピーター・グリルと賢者の時間」製作委員会

(取材/構成:香椎 葉平)

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