仮面のトラウマ再び…35年の歴史で異色すぎるタイトル『マリオUSA』とは?
マグミクス / 2020年9月24日 17時10分
■『マリオUSA』はもともと「マリオ」のゲームとして開発されていない
現在、任天堂では「スーパーマリオブラザーズ」35周年を記念したさまざまな試みが催されています。2020年9月3日(木)には「Nintendo Switch online」加入者を対象とした「スーパーファミコン Nintendo Switch Online」サービスにおいて、スーパーファミコン用ソフト『スーパーマリオコレクション』が遊べるようになりました。
同作はファミリーコンピュータ用ソフトとして発売された「スーパーマリオ」シリーズの4作品が遊べるタイトル。 そのなかでも異色の経歴を持っているのが、1992年発売『スーパーマリオUSA』(以下、マリオUSA)です。
『マリオUSA』は今の「マリオ」の常識がことごとく通用しない作品。まず、マリオの代名詞とも呼べる「ジャンプ」で“敵を踏みつけて“”やっつける”ことができません。「地面から引っこ抜いた野菜や敵キャラクターなどを投げつける」のが攻撃方法です。
また、「クリボー」などのおなじみの敵キャラクターも登場しません。 当時、プレイヤーの間では縦横無尽にどこまでも追いかけてくる”仮面”の敵が「マリオ」の世界に似つかわしくない印象も手伝ってか”トラウマ”としても語られていました。
シリーズ恒例の「土管」も存在せず、マリオが潜り込むのはどこか”エキゾチック”な「ツボ」のなか。一風変わっているどころか”USA”な要素すら見つけることもできないのです。
これだけ聞くと「マリオ」像が固まる前の実験的タイトルのようにも思えますが、実は『マリオUSA』は、もともと「マリオ」のゲームとして作られたわけではなく、母体となる作品が他に存在していたのです。
『マリオUSA』の元となったゲームは1987年に任天堂とフジテレビがタイアップして開発したファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフト『夢工場ドキドキパニック』です。
このソフトを国外に輸出する際、キャラクターだけを「マリオ」シリーズに置き換えたのが『SUPER MARIO BROS. 2(洋題)』。日本へ逆輸入した時に『マリオUSA』と名付けられた……という、なんとも異色の経歴を持つタイトルなのです。
先述の通り、『スーパーマリオコレクション』の解禁は「スーパーマリオブラザーズ」35周年を記念する試みの一環です。 35年間を振り返る時、『マリオUSA』は歴史をよりユニークなものにしてくれる作品でもあるのです。
(ふみくん)
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