歴代ウルトラ怪獣に秘められた「大人の事情」。微妙に似てるのになぜ違う名前?

マグミクス / 2020年9月27日 16時10分

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■レッドキングに突然「白目」が増えた! その理由は…

 ウルトラシリーズに登場する怪獣を見て、たまに「ちょっと違うな?」という違和感を覚えたことはありませんか? それは着ぐるみとして別々に作られたモノだからです。例えば、一目瞭然なのはバルタン星人でしょう。

『ウルトラマン』第2話「侵略者を撃て」に登場した初代の着ぐるみに比べ、第16話「科特隊宇宙へ」に登場した2代目は、見るからに鋭角的でスマートだと誰もが気づきます。これは初代バルタン星人の着ぐるみが劣化したため、再登場する話で新たに着ぐるみを新調したからです。

 実は、この細身の2代目の方がデザイン画には忠実だったりします。しかし、その後の着ぐるみでは初代をベースにしたものが多く、バルタン星人といえば初代のイメージが強いですよね。

 ひとつの作品のなかで着ぐるみを新調した例はまれで、基本的には前回使った着ぐるみをそのまま使っています。第33話「禁じられた言葉」に登場した3代目バルタン星人や2代目ザラブ星人のように、色を塗り替える程度でしょうか。

 でも、「ウルトラマン」に詳しい人なら気になる怪獣がいるはずです。そう、第8話「怪獣無法地帯」に登場した、レッドキングです。

 第25話「怪彗星ツイフォン」で再登場した時の2代目レッドキングは、黒目が大きい初代と違い、白目がよくわかる目になっています。何故わざわざ改造したの?と考える人は少なくないでしょう。実は、その謎を解くミッシングリングとも言える怪獣がいます。

 それは、第19話「悪魔はふたたび」で登場したアボラスです。アボラスは一緒に現れたバニラを倒し、口から吐き出す溶解液でウルトラマンを苦しめた怪獣です。強い怪獣だったので記憶に残っている人も多いと思います。でも、このアボラスの胴体をよく見ると何か気づきませんか?

 そうです。レッドキングそっくりではありませんか。

 実は、アボラスは初代レッドキングの着ぐるみの頭を作り変えた、改造怪獣だったのです。そのアボラスを、撮影後さらに改造したのが2代目レッドキングというわけです。それで目のかたちが違うのです。

 このように、時として怪獣の着ぐるみは別の怪獣に改造されることもあり、初期のウルトラシリーズ、とくに『ウルトラマン』では多く見られます。そのなかには一見してわからないものも多く、また思わぬドラマを作り出したこともあるのです。

■あの有名怪獣たちの進化後は?

1965年の東宝特撮映画『フランケンシュタイン対地底怪獣』。登場したバラゴンの着ぐるみはその後さまざまな怪獣に作り変えられたという

 着ぐるみを改造した怪獣でもっともわかりやすいのは、『ウルトラQ』に登場したガラモンをほとんどそのまま流用したピグモンでしょう。『ウルトラマン』の前作にあたる『ウルトラQ』から流用された怪獣は多く、ペギラを改造したチャンドラーなどもわかりやすく有名です。

 しかし、流用元は『ウルトラQ』だけにとどまりません。制作である円谷プロつながりで、映画に使われたゴジラを使ったジラースも有名です。劇中でジラースは特徴であるエリマキをウルトラマンにはぎ取られ、ほとんどゴジラ状態で戦うという展開もありました。

 判別が少し難しい改造は、やはり前述のレッドキングのように、頭をまるごと変えた怪獣でしょうか。巨大ラゴンを改造したザラブ星人。ヒドラを改造したギガスなどはシルエットもだいぶ変わっているので、わかりづらいと思います。

 ちなみに前述した初代バルタン星人は『ウルトラQ』のセミ人間を改造したもの。マニアの間では有名な話です。それゆえに初代はデザインよりふっくらしていて、二代目はデザイン画に忠実でスマートなのです。

 さらに難易度が高いのは、ベムラーを改造したギャンゴ、『ウルトラQ』のピーターを改造したゲスラでしょうか。

 実はゲスラは最初、モスラ幼虫を改造する予定でデザイン画まで作られましたが、急きょ変更になってトカゲが巨大化した怪獣として制作されています。放送当時、「ゲスラがゲラン蜂の幼虫」と掲載されていた書籍が一部あったのは、この初期設定が誤って記載されているせいなのです。

 これと同じように着ぐるみの変更で大きな影響があったのが、第37話「小さな英雄」です。この回ではドラコとテレスドンが復活して登場しますが、シナリオではレッドキングとゴモラだったのです。

 ところが、レッドキングの着ぐるみは度重なる改造で傷んでいたため、同じ話数で登場したドラコに変更。ゴモラは第36話「撃つな!アラシ」に登場するザラガスに改造されていたため、テレスドンに変更されたのです。

「どうして強そうな怪獣から復活させなかったんだろう?」と子供心に疑問に思っていましたが、こういう理由があったわけですね。

 最後に……もっとも着ぐるみを改造された怪獣をご紹介しましょう。それは映画に登場したバラゴンが『ウルトラQ』のパゴスになり、それがネロンガ、マグラー、ガボラという順番で使われた例です。ここまで使われたら着ぐるみ冥利につきるというものでしょうか。

(加々美利治)

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