多くの視聴者が涙…!『ロミオの青い空』が描く友情が思い出させてくれる「大切なもの」

マグミクス / 2020年9月30日 19時10分

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■ロミオ自身が気づかない、「周りを変えていく力」

 アニメ『ロミオの青い空』が放送から25周年を迎えています。1995年に世界名作劇場の第21作目として放送された同作は、今なお多くの視聴者に支持される名作アニメのひとつです。2020年9月1日から22日まで、Youtube公式チャンネル「日本アニメーション・シアター」で期間限定の全話無料配信が行われ、再び話題となりました。

 物語の舞台は、19世紀後半のイタリア・ミラノ。スイスの田舎の村で貧しい暮らしをしていたロミオは、家族のために煙突掃除夫としてミラノに行く途中、金髪の男の子アルフレドに出会います。ふたりその後ミラノで、ロミオと同じように煙突掃除夫として働くたくさんの男の子達に出会うのです。

『ロミオの青い空』の物語はこのロミオとアルフレドを中心に描かれています。主人公ロミオが持つ優しさ、勇気、そして強い気持ちは周りの人物を大きく変えていきますが、ロミオ自身は自分の優しさや勇気の力に気づいていません。

 ロミオはアルフレドのことを頭がいいと感じ、自分と1歳しか変わらないのにとても大人びていると思っていました。時には、アルフレドと自分を比較し、自分はとても子供っぽいと悲しくなってしまうこともありました。一方アルフレドは、ロミオのことを心から信頼していました。ロミオはとても素直で純粋であり、優しさ、勇気、強い気持ちを持っていることを知っていたのです。アルフレドは、ロミオがいたからこそ、強く、笑顔でいられたのです。

 子供らしく素直で純粋なロミオは、煙突掃除夫の仕事やミラノでの生活を通してたくさんの辛いこと、悲しいことを経験し、何度も悲しい思いや悔しい思いをしました。人生には辛いこと、苦しいことがたくさんある。そのことを知った後も、ロミオは素直でいようとしたのです。どんなことがあってもへこたれず、自身の心のなかの勇気や強さ、優しさを成長させていきました。

 そんなロミオを見て、アルフレドを含めた煙突掃除夫の子供たちも成長し、仲間として団結していきます。ロミオなら、いろいろな人を変えられる。アルフレドはそう感じていたのかもしれません。

 ここでロミオのお父さんの名言をご紹介します。「本当に強い者は、人を殴ったりしない。恨んだりもしない。本当に強い者は、どんな時でも人に優しくできる強さを持っている」……ロミオはこの言葉を指針のひとつにしていました。

■多くの視聴者が涙した、アルフレドの最期

『ロミオの青い空』作画監督/キャラクターデザインを担当した佐藤好春氏が新たに描き起こした原画アート。2020年冬に展開予定の新プロジェクト「世界名作ノスタルジア」に合わせて制作されたもの (C)NIPPON ANIMATION CO., LTD.

 当時のミラノは、少年が煙突掃除夫として売られるのが当たり前の時代でした。半年という期限はありますが、彼らは1日10時間煙突掃除をして働くという過酷な生活を送っていました。原作では少年労働の過酷さが強く出ていますが、アニメではロミオを中心とした煙突掃除夫の子供たちの友情を強く打ち出しています。

 それだけに、過酷な煙突掃除の労働が原因で病気になったアルフレドが、自分を追い詰めてきた勢力に打ち勝った後に命を落としてしまう展開には、多くの視聴者が涙しました。固い友情で結ばれたアルフレドの死を乗り越えることで、ロミオは自分のもつ力と人々を導いていく使命に気づき、立ち上がります。ロミオは、子供たちが自由に学び、自由に生きられる世の中を実現したいというアルフレドの遺志を継ぎ、やがて教師になることを目指すようになるのです。

 大人になった今、改めて『ロミオの青い空』を見ると、筆者が子供時代にリアルタイムで見ていた時に感じたのと同じように、「人を信じることの大切さ」を忘れないでいたいと思わせられます。たとえ騙されても、裏切られても、それでも人を信じたいと強く願い、行動し続けるロミオやアルフレド、掃除夫の仲間たちの物語は、これからも多くの人の心に残り、語り継がれていくでしょう。

※アニメ『ロミオの青い空』は、バンダイチャンネル、U-NEXTなどの配信サイトで視聴可能です。

(櫻野優里亜)

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