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『機甲創世記モスピーダ』はOP曲、バイク変形ギミックが傑作!2020年新たな動きも

マグミクス / 2020年10月2日 17時10分

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■『機甲創世記モスピーダ』たった一度だけの視聴

 1983年10月2日は、TVアニメ『機甲創世記モスピーダ』(以下、モスピーダ)の放送が開始された日です。謎の敵「インビット」に地球を占領された地球を取り戻すため、若者たちが敵の拠点を目指し戦いながら旅を続けるロードムービー仕立ての作品となっており、バイクが変形して「ライドアーマー」と呼ばれる戦闘用スーツに変形するギミックは、当時の子供たちに強いインパクトを与えました。また、超一流のスタッフが結集して作られたオープニングテーマ「失われた伝説(ゆめ)を求めて」は、80年代アニメソングのなかでもトップランクの傑作です。放送当時に偶然1話だけを見たものの、その後は家庭の事情で見ることができず、約10年後にLD-BOXを購入して子供の頃の無念を晴らしたライターの早川清一朗さんが語ります。

* * *

 その日は父親が家にいなかった。それだけは確かです。この時代はまだ家庭用ビデオデッキはそれほど普及しておらず、TVも家に一台しかないのが普通でした。筆者の家では普段午前中は父親がテレビを独占しており、自由に見ることはできませんでした。

 しかし1983年10月2日は、理由は分かりませんが父親が家におらず、その日始まった新作アニメを見ることができました。それが『機甲創世記モスピーダ』だったのです。

 1話のストーリーは、インビットに占領された地球を取り戻そうと人類軍が大部隊で攻め寄せましたがあえなく敗北。かろうじて生き残った主人公のひとり、スティック・バーナードは婚約者を失いながらもかろうじて地球への降下に成功するというストーリーでした。

 これからどうなるのだろうと2話以降を楽しみにしていたのですが、残念ながらTVを使わせてもらえないまま時は過ぎ、約半年後に新聞のTV欄で「機甲創世記モスピーダ(完)」の文字を見て落胆したことをよく覚えています。

 再放送を期待したのですがなぜかまったく行われることはなく、無念を抱えたまま、時間は過ぎていったのです(初の再放送は2015年)。

 1992年に『モスピーダ』のLD-BOXが発売されると知ったとき、当然欲しくてたまらなかったのですが、当時の高校生にはとても手が出せる値段ではありませんでした。それから2年、受験を終えて金を貯め、1994年になってようやく、中古のLD-BOXを手に入れることができたのです。ズシリと重いBOXを手にした時の興奮は、今もはっきりと覚えています。

■『モスピーダ』OP「失われた伝説を求めて」はクリエイターが超豪華

 LD-BOXを大事に抱えて帰宅した筆者は、他の用事を全部放り投げてすぐに視聴を開始しました。

 まず流れ始めたのは、オープニングの「失われた伝説を求めて」。作詞が中森明菜さんの「少女A」などで知られる売野雅勇氏。作曲がTVドラマ『西遊記』で「ガンダーラ」や「モンキーマジック」を作り上げたタケカワユキヒデ氏。編曲は宮崎駿作品でおなじみの久石譲氏と、1980年代最高のクリエイターが一堂に会した名曲です。

 ボーカルのアンディ氏が何者なのかは長く謎とされてきましたが、後に元「シャープ・ホークス」の小山真佐夫氏であることが判明しました。小山氏は現在アンディ小山と名乗り、さまざまな音楽活動を行っています。「失われた伝説を求めて」をライブで披露してくれることもあるそうなので、ぜひ一度生で聴いてみたいものです。

 また、オープニングアニメーションを制作したのは、日本アニメの歴史に名を残す名アニメーターの金田伊功氏。残念ながら2009年に亡くなられてしまいましたが、本作でも太陽の光がそのままレギオスのジェット炎に切り替わるなど金田氏のセンスが随所に見られます。しかしよく観察してみると使われている素材はさほど多くはなく、制作状況は決して良くなかったことが伺えます。それでもこれほどの傑作を仕上げた金田氏の天才性には、ただ驚かされるばかりです。

 そうして全25話を見終え、特に印象に残ったのがイエローというキャラクターでした。インビットの手を逃れるために軍人であることを隠し、女装して歌手として活動しているキャラクターで、男性として振る舞う際は故・鈴置洋孝氏、女性として振る舞う際は松木美音氏が声優と歌唱を担当するという、当時としては斬新な体制が取られていました。ストーリーの後半では進化して人間体となったインビットと恋に落ちるなど、作品中でも重要な役どころを担っています。なお、松木氏はエンディング「ブルー・レイン」をアンディ小山氏と共に担当、現在もミネハハ名義で音楽活動を続けており、オリジナルの楽曲を数多く発表しています。

 作品全体としては、地球を占領しているインビットと生き残った人類の奇妙な共存関係、そこに外来者として殴り込んできた主人公たちによって生じる軋轢など、単純な勧善懲悪を超えたストーリーが展開されていました。特に8話「ジョナサンのエレジー」のラストシーンは、かなり衝撃的です。

 放送終了後はあまり動きが見られなかった『モスピーダ』ですが、2020年に新プロジェクト「GENESIS BREAKER」が始動し、フィギュアやムックが発売されるなど、新たなモスピーダワールドが幕を開けようとしています。果たして今後どのような形で新しい『モスピーダ』を見ることができるのか、1ファンとして楽しみにしています。

(ライター 早川清一朗)

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