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女の子が憧れた『ひみつのアッコちゃん』 大ヒットの要は「コンパクトと呪文」だった?

マグミクス / 2020年10月24日 18時10分

女の子が憧れた『ひみつのアッコちゃん』 大ヒットの要は「コンパクトと呪文」だった?

■憧れの職業に次々と変身したアッコちゃん

 テクマクマヤコン テクマクマヤコン ○○にな~れ!

 女の子の変身呪文といえば、やっぱりこのセリフ。今から51年前の、1969年1月に産声をあげたアニメ『ひみつのアッコちゃん』での決まり文句です。原作はギャグ漫画の巨匠・赤塚不二夫氏が少女漫画誌「りぼん」に連載していた作品で、マンガ人気ももちろん高かったのですが、アニメ化されるや爆発的な人気を呼び、「東映魔女っ子シリーズ」では歴代最高視聴率を記録する作品となりました。

本放送が終わった後も何度も再放送され、さらに1980年代に第2作、1990年代には第3作が作られるなど、時代を超えて求められてきたアニメなのです。アッコちゃんはなぜ、これほどまでに愛されてきたのでしょうか?

主人公のアッコちゃんは、ごくごく普通の小学5年生でありながら、鏡の国の妖精(第2作、第3作では女王)からもらった魔法のコンパクトで何でも望むものに変身できる女の子です。

時にはハトやカエルなどの動物や、閻魔大王、力士などの驚きの姿になったこともありますが、多くの場合、アッコちゃんが変身するのは大人の女性。スチュワーデス(現在ではキャビンアテンダントですね)、女優、婦人警官、女子プロレスラー、バレリーナ、学校の先生などなど、当時の子供たちがなりたいと憧れる職業に次々と変身しては、見ている少女たちの瞳を輝かせてくれました。

子供たちはよく「おとなになったら何になりたい?」と聞かれ、あれこれと楽しい想像を膨らませますが、『ひみつのアッコちゃん』の中には、少女たちの未来の夢がちりばめられていたのです。

■原作マンガにはなかった「コンパクト」と「呪文」

「ひみつのアッコちゃんコンパクトコレクション」(C)赤塚不二夫・東映アニメーション タカラトミーアーツからガチャで出された、歴代コンパクト

アニメ『ひみつのアッコちゃん』にはもうひとつ、少女たちの大人願望をくすぐる仕掛けがありました。それは、コンパクト。お母さんの化粧品に憧れる(こっそり口紅を塗ってみた人も多いんじゃないでしょうか?)少女たちにとっては、たまらなく魅力的な大人アイテムです。

実は、原作マンガでは、魔法の鏡はコンパクトではありませんでした。アッコちゃんが持っていたのは壁掛け用の大きな鏡で、外で持ち歩く時は風呂敷に包んでいたのです。

 アニメ化する時、アッコちゃんが持ち歩きやすいようにと、さらには商品化も狙ってコンパクトに変更されたのだそうです。実際に「まほうのかがみ テクマクマヤコン」としてグッズが売り出されると、少女たちはこぞって親にせがみ、爆発的なヒットとなりました。その後もデザインを変えて数多くのコンパクトが登場。ちなみに、原作マンガでも、アニメが放送されてから大きな鏡がコンパクトに変更されたそうです。

 マンガから設定が変わったのはコンパクトだけではありません。実はあの有名な変身呪文「テクマクマヤコン」や、戻るときの「ラミパス ラミパス ルルルルル」も、アニメオリジナルなのです。

第1話の脚本家が子供たちに親しまれる呪文をと考え出した言葉で、「テクマクマヤコン」は「テクニクス……ミラー、テクニクスミラー」などとつぶやいているうちに生まれた呪文、「ラミパス」はスーパーミラーを逆さ読みしているのだそうです。

 大人になったら何になろう? 早く大人の女性になりたいな……そんな少女たちの想いをすくいあげ、夢を見させてくれたアニメ『ひみつのアッコちゃん』。アッコちゃんとともに育ち、大人の女性に成長したかつての少女たちは今、手に入れた未来をどんなふうに過ごしているでしょう? 時には魔法のコンパクトで、ちょっと違う姿に変身してみたいと思っているかもしれませんね。

(古屋啓子)

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