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2021年アニメ化の『スプリガン』 当時の若者を魅了した「3つの要素」とは?

マグミクス / 2020年11月5日 19時20分

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■主人公は高校生で、組織のトップエージェント

 1989年から1996年にかけて連載された大人気マンガ『スプリガン』の新作アニメが、2021年にNetflixから全世界独占配信されることが明らかになりました。監督らメインスタッフの顔ぶれとともに、主人公・御神苗優(おみなえゆう)を描いたティザービジュアルとPVも発表されています。

『スプリガン』のTVアニメ化が2020年になるとは予想もしませんでした。近年はTVアニメが多数放送されており、原作が足りないという声が絶えません。過去に人気があった作品が次々とアニメ化され、リメイク作品も次々と発表されるなかで、なぜ『スプリガン』はこんなに時間がかかってしまったのかはわかりませんが、この日を待ち望んでいた往年のファンは大勢存在しています。

 今回キャラクターデザインを務める半田修平氏は、『スプリガン』がアニメ化されるという噂を聞きつけ、どこのスタジオで制作するのかわからないので総当たりで問い合わせて売り込んだことを明かしているほどです。間違いなく、愛と情熱のこもった素晴らしいデザインをしてくれるでしょう。いちファンとしてこれほど心強い話はありません。

 さて、『スプリガン』(原作:たかしげ宙、作画:皆川亮二)は1989年から1996年にかけて「週刊少年サンデー」及び「週刊少年サンデー増刊」連載された、SFアクションマンガです。単行本は全11巻、文庫版は全8巻が発売されており、1998年には劇場アニメが公開されています。

 主人公の御神苗優(以下、優)は高校生でありながら、超古代文明の遺産「オーパーツ」をあらゆる権力から守り、封印する組織「アーカム」のトップエージェントであるスプリガンとして活躍している人物です。古代遺跡の産物である精神感応金属「オリハルコン」を使用した「A・M(Armored・Muscle)スーツ」を身にまとい、オーパーツを狙う巨大軍産複合体「トライデント」との激闘を繰り広げます。

 普段は明るく振る舞っている優ですが、アーカムの発掘隊に参加していた両親を米軍によって殺害され、自分はかろうじて生き残ったという過去を持っています。一旦は救出されたものの後に米軍に拉致され、極秘プロジェクト「COSMOS」で洗脳及び特殊な戦闘訓練を受けて、人の心を失ってしまうのです。さらにはアーカムへの攻撃に投入され殺戮を行うという凄惨な出来事を経て記憶を取り戻し暴走、「COSMOS」の兵士を単独でせん滅し、紆余曲折を経てスプリガンとなったのです。

■冒険! 宝さがし! バトル!

Netflixオリジナルアニメシリーズ『スプリガン』ティザービジュアル。主人公・御神苗優が描かれる

 改めて考えると、『スプリガン』の連載が開始された1980年代は、冒険が今よりもはるかに身近で、かつ憧れの的だったように思えます。

 考古学や冒険を題材にしたハリソン・フォード主演の映画『インディ・ジョーンズ』シリーズの人気は非常に高いものがあり、1984年にマッキンリーで遭難した冒険家の植村直己氏は国民的なヒーローでした。それ以前にも人類が初めて月にたどり着いたアポロ計画や、南極点にたどり着いたアムンセン隊の活躍、アムンセンとの競争に敗れたスコット隊の悲劇など、数々の冒険譚が少年たちの胸を躍らせていました。

 小さいころからTVで、本で、数々の冒険を目の当たりにしてきた少年たちにとって、自分たちと年齢が近く高校生として暮らしている優が、実は超一流のエージェントで世界各地を冒険して古代の秘宝を探しながら悪と戦う……という設定は、ツボにはまっていたのでしょう。

 さらには優の同僚にしてライバルである他のスプリガンたちも、個性にあふれていました。優としばしばコンビを組んだ獣人の子孫、ジャン・ジャックモンドは、優とともに圧倒的な成長を見せ、最終決戦まで行動をともにします。中国武術と気功の達人として、A・Mスーツの使い手である優とは対極の強さを見せる朧(おぼろ)が一時的に敵に回り、優の前に立ちはだかったときは「いや、朧には勝てないだろ……どうするんだよ……」と、かなりの絶望を感じたことを思い出します。

 そして、遺跡で顔を合わせる敵たちも、独特な存在感を持つキャラクターたちがそろっていました。ナチス復興に執念を燃やす、どこかのゲームで見たことがあるような格闘技の使い手であるボー・ブランシェや、巨大軍産複合体「トライデント」の傭兵部隊長、暁巌(あかつき いわお)、アメリカ軍のサイボーグ部隊「機械化小隊(マシンナーズ・プラトゥーン)」、優を執拗に付け狙う「COSMOS」の金谷唱こと No.0などは特に印象深い存在です。

 冒険、宝探し、そしてバトルと、男の子が大好きな3要素がたっぷりと盛り込まれた『スプリガン』が、新たな姿で誕生するのはもう間もなくです。果たして、2021年の『スプリガン』がどんなワクワクをくれるのか、今から楽しみで仕方がありません。

(早川清一朗)

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