声優・田中秀幸さんのお誕生日。演じたキャラで優しい人が多いのは、本人の影響?
マグミクス / 2020年11月12日 7時0分
■茶目っ気とやさしさを感じさせた、田中秀幸さんのエピソード
本日2020年11月12日は、声優の田中秀幸さんのお誕生日。しかも70歳の古希というおめでたい節目であります。そこで、田中さんがこれまで担当してきたキャラクターたちを振り返って、そのお誕生日をお祝いしたいと思います。
田中さんの声優デビューは『科学忍者隊ガッチャマン』(1974年)第96話登場のヘムラーというゲストキャラでした。その後、レギュラーとして初めて担当したのが『ドカベン』(1976年)の主人公の山田太郎ことドカベンです。初レギュラーが主役とはスゴいです。筆者が意識したのもこの作品からで、このドカベンから田中さんの声を初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか?
それから『伝説巨神イデオン』(1980年)のジョーダン・ベス、『宇宙戦艦ヤマトⅢ』(1980年)の土門竜介、『戦国魔神ゴーショーグン』(1981年)のキリー・ギャグレーなど、今でも話題になる印象的なレギュラー役を担当して、多くのアニメファンにその声が認識されていったと思います。
田中さんが担当したキャラをひとつにまとめることはできませんが、筆者的には大人の男性、真面目でやさしい役柄が多い印象を持っています。実はお会いしたことがあるのですが、ご本人もそんなイメージの方でした。
筆者が体験したエピソードです。
あるアニメ作品の打ち上げの際、あいにくの雨空でした。宴も終わって帰ろうとした時、出口ににこやかな顔の田中さんが待っていました。そして、みんなから傘立ての鍵を預かると、言葉を交えながら一本ずつ渡してくれました。
そのやさしさと茶目っ気あふれる笑顔に、筆者は思わず『DRAGON QUEST ダイの大冒険』(1991年)のアバン先生を重ねました。そして、田中さんの演じられていたいくつかの役には、本人のそんな性格がにじみ出ていたのだろうと思ったのです。
とはいえ、声優として敵役をまったく演じていないというわけではありません。『キン肉マン』(1983年~)のスプリングマンやプラネットマン、『ONE PIECE』(1999年~)のドンキホーテ・ドフラミンゴ、『ゲゲゲの鬼太郎』(2018年)のバックベアードなども演じています。どのキャラも迫力が感じられて、その凄味に思わずたじろいでしまいます。善悪ともに隙なしに演じているわけです。
■少年マンガのアニメ化には欠かせない声優
田中秀幸さんはアニメ『キン肉マン』でテリーマンの声を担当。画像は同作DVD Vol.10(東映)
田中さんといえば、「週刊少年ジャンプ」連載作品のアニメキャラを多く演じていることで有名です。
『キャプテン翼』(1983年)のロベルト本郷、『キン肉マン』(1983年)のテリーマン、『聖闘士星矢』(1986年)の獅子座のアイオリア、『魁!!男塾』(1988年)の大豪院邪鬼、『SLAM DUNK』(1993年)の小暮公延など、他にも大勢いるのですが紹介しきれないほどです。ジャンプアニメの常連といっても過言ではないでしょう。
ちなみに、初めてのジャンプアニメレギュラーは、意外と知られていないですが『新・ど根性ガエル』(1981年)の南先生です。
また、ジャンプだけでなく、『タッチ』(1985年~)の柏葉英二郎、『名探偵コナン』(1996年~)の工藤優作など「週刊少年サンデー」連載作品のアニメでも、いくつか重要なキャラを演じています。ですから、少年マンガ誌のアニメ化の際には欠かせないポジションの声優なのかもしれません。
また、田中さんが多く演じているといえば、名調子で聞かせてくれるナレーションです。
前述した『聖闘士星矢』、『DRAGON QUEST ダイの大冒険』、『SLAM DUNK』に『燃える!お兄さん』(1988年)と、ジャンプアニメのナレーションは専門家といっても過言ではないかもしれません。
もちろん、挙げられなかったキャラの中にも田中さんのはまり役はまだまだいっぱいあります。
筆者のセレクションで申し訳ありませんが、『超獣機神ダンクーガ』(1985年)のアラン・イゴール、『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマーV』(1989年)のスターセイバー、『新ビックリマン』(1989年)のアッシラ王、『カードキャプターさくら』(1998年)の木之本藤隆、『ULTRAMAN』(2019年)の早田進などが知られている感じでしょうか。
洋画の吹き替えではケヴィン・スペイシーやマイケル・ビーンが持ち役だと思います。
また、特撮作品ではウルトラシリーズ作品に登場するゾフィーを演じています。
まだまだご紹介したいキャラはいっぱいありますが、文字数の都合ですべてご紹介できません。2019年からは『サザエさん』のフグ田マスオの3代目声優として演じるようになりました。より円熟味を増した田中さんの更なる活躍をこれからも期待したいと思います。
(加々美利治)
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