【漫画】人が苦手な女性「マスク文化」がありがたい！ しかし盲点があった！？

■マスクも、ソーシャルディスタンスも「助かる」

　人と関わることが苦手な和泉さんは、外出時にマスク着用が義務となっている現状を「ありがたい」と思っていました。マスクを着けることで自分が隠されているように感じ、安心感があるようで……。

　あぬさん（@ringoanu）による創作マンガ『マスクで安心感を得る話』がTwitterで公開され、読者から「すごく分かる」「今までが窮屈だった」「今の方が楽」などの共感の声が多くあがりました。本作品は、TwitterおよびWebコミックサイト「コミックぜにょん」で連載されていた『なんで生きてるかわからない人 和泉澄25歳』のスピンオフ作品。フリーターで生きがいもなく、思考もマイナスになりがちな女性・和泉さんが主人公です。

　2020年11月19日発売の「ウルトラジャンプ 12月号」に、読み切り『大好きだから、魔王（パパ）をトラップで嵌めまくる』が掲載される、作者のあぬさんにお話を聞きました。

ーーあぬさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

　元々はイラストばかり描いていたのですが、最初にマンガを描いたのは大学生の時で、友人が出す同人誌に誘われた時だったと思います。それ以降は個人でもたまに同人誌を出すようになって、イラストと並行して描くようになりました。

ーー『マスクで安心感を得る話』のエピソードはどのようにして生まれましたか？

　自分が日常生活を送っていると、「和泉さんならこう思ったり感じ取ったりするだろうな」って考えることが結構あるんです。コロナウイルスの影響もあってマスクを着けるのが主流になり、いろんな場所でソーシャルディスタンスの文字を見るようになりました。レジとかでもものすごく間隔をあけてたりして……その並んでる光景を見てると、和泉さんはこの状況かなり過ごしやすいのかも？　と思って描いてみました。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

　まず、「和泉さんがまた見れてうれしい」と言っていただけてものすごくうれしかったです。次に、引用リツイートで「歩きタバコが減って良くなったので、マスク文化は永久に続いてほしい」とおっしゃってる方がいて、確かに……！　ってものすごく思いました。実際に減っているのだとしたら良いことですし、コロナが収まった後、このようなこともうまく続いてほしいです。

『なんで生きてるかわからない人 和泉澄25歳』単行本全2巻が発売中（徳間書店）

ーー『なんで生きてるかわからない人 和泉澄25歳』の他のエピソードで、反響が大きかったもの、ご自身が気に入っているものなどがあれば教えて下さい。また、発売中の単行本全2巻についてご紹介いただけますか？

　やはり一番反響が大きかったのは1話です。元々この1話をたくさんの方が読んで共感していただけたおかげで、出版社の担当さんの目に留まり声をかけていただいて連載という形になりました。なので読んでいただけた方に常々感謝しております。

　個人的に気に入っているというか見てほしいなーと思う話は『みんなにとって当たり前の社会が私には辛い話』です。社会のなかでやっていくのって本当に難易度が高くて大変で、孤独に感じる時ほど、この和泉さんを見て「自分だけじゃないんだな」という安心感を得てほしいです。よく「会社に入ったら3年間は働きましょう」うんぬんと耳にすると思うんですが、3年って人間が壊れるには十分の時間で、そうなる前に逃げるべきだと自分は思います。

　他にもいくつかTwitterに投稿してるので、読んで共感していただける方はおそらく単行本の方の内容も分かっていただけるんじゃないかなぁと思います。紙の本は取り扱いがだいぶ減ってきているようなので、気になる方は電子書籍の方をよろしくお願いいたします。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか？

『なんで生きてるかわからない人 和泉澄25歳』の連載中に描けなかった話のメモが残ってるので、その辺を描きたいなと思ってます。また、共感系からファンタジーまで突発的にネタが浮かぶことが多く、マンガをその都度描いて投稿してるので、Twitterの方をチェックしていただけるとありがたいです。

（マグミクス編集部）