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話題沸騰のドラマ『恋する母たち』 柴門ふみ先生の原作と見比べる楽しさも

マグミクス / 2020年11月20日 19時40分

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■恋愛の神様が描く、守りと攻めの「母」の姿

 2020年10月からTBS系列で始まったドラマ『恋する母たち』が、放送される度にSNSなどで大きな話題となっています。柴門ふみさんによる原作マンガとあわせて見ると? 少女マンガに詳しい芸人の別冊なかむらりょうこさんが語ります。

* * *

 夫が突然、駆け落ちをして失踪した後、息子をひとりで育ててきた杏。ある日、息子が通う高校から突然呼び出しを受けた彼女は、ともに呼び出されたふたりの母、まり、優子と知り合う。ふたりもそれぞれ、人生に悩みと迷いを抱えていた……。

 10年以上越しに旦那の所在が発覚、そして旦那と駆け落ちした女性の元旦那との恋愛が始まる杏。

 旦那の浮気を家庭のために我慢するも、自身も落語家の男性と恋に落ちそうになるまり。

 自身がバリバリ働き家族を養いながら、12歳下の部下と関係が始まってしまう優子。

 旦那、息子、家族、仕事、そして恋。恋だけに夢中にはなれない、3人の母たちに訪れた、迷い多きラブストーリーの結末とは……?

 ドラマ『恋する母たち』の原作は、『東京ラブストーリー』や『あすなろ白書』など、1990年代から大ヒットドラマとなるマンガを生み出してきた柴門ふみ先生の同名マンガです。週刊誌「女性セブン」にて2017年から2020年8月まで連載されていました。

 マンガは掲載されていた雑誌のターゲット層の影響を受ける場合がありますが、女性週刊誌で連載されていた『恋する母たち』は、まさに昨今世間を騒がせるトピックスが盛り込まれています。

 不倫、愛人、駆け落ち、略奪、離婚。

 これらのパワーワードだけで、思わず敬遠してしまう人もいるかもしれません。しかし、同作品で描かれるのは、自分の気持ちだけでは突っ走れない「母」たちの姿です。

 家庭を持ち、子供が産まれ、生活するためのお金も必要。そんな守るものができた母たちに訪れた突然の「恋心」。恋愛の神様、柴門ふみ先生が3人の主人公の迷い、葛藤を細やかに、そして大胆な構成で描き切ってくれています。

■原作を読んでいると納得できるキャスティング

スピンオフドラマ『恋する男たち』。動画配信サービス「Paravi」で配信中

 今回、ドラマの脚本を担当されているのは、ラブストーリーの名手・大石静先生です。また、原作ファンの方からも納得するキャストの顔ぶれ。

 主人公3人はもちろん、それぞれの旦那、恋する相手、息子。タイプが全く違う9人の男性像に、思わず「私だったら…」と考えてしまいます。

 学生時代が舞台の少女マンガであれば、お互いを好きかどうかだけを考えれば良かったけれど、『恋する母たつ』ではそうはいかず……それは男性たちも同じで、自分と家族と相手と全てを考えた上で結論を出していくという、難しい役どころを個性的な役者さんたちが見事に演じています。

 男性たちが気になったという方は、動画配信サービス「Paravi」で放送されているスピンオフドラマ『恋する男たち』もぜひ。本編とは違った魅力を見ることができます。

 そして、この3組の夫婦や恋人に関わってくる悪女たちがまた素晴らしいです。杏の旦那と駆け落ち、10年の時を経てまた杏の前に姿を現した斉木由香(瀧内公美)や、まりの旦那と浮気をして略奪を狙う山下のりこ(森田望智)など、画面に登場しただけで息を呑む怪演が光ります。

 これから、優子と関係を持った赤坂くんの元彼女とうい役回りも登場し、波乱が増していく展開とキャスト方のハマりっぷりがより一層楽しみです。

■原作マンガの心情表現もまた魅力

原作マンガ『恋する母たち』第1巻(小学館サービス)

 原作より増えているシーンで嬉しいのは、母たち3人が喫茶店でお互いの状況を話すシーンや、息子たちの交流シーンです。

 登場人物たちを取り巻く事象は、ひとつひとつが強すぎて、ひとりじゃ立っていられないようなものばかり。そんなか、同年代同士で心の内を話していると、本人たちらしさが垣間見えて安心します。素直に「ムカつく!」と口に出せている主人公たちにホッとする時間です。

 また、マンガと変わらず、息つく間もなく三者三様にくるくる展開していくテンポ感。1時間ドラマがあっという間に終わっていきます。これまで放送されたドラマの第4話で、すでにマンガの半分くらいはきたかなという印象です。

 ドラマオリジナルな終わり方をするのか、原作通りに終わるのかも気になるところですね。

 原作マンガは全7巻で完結しており、ドラマで興味が出た方や、先が気になっちゃうよ! なんて方もぜひ手をお伸ばしください。マンガでは、主人公たちの心情が無言で描かかれる場面も多数あり、画力と魅せる構成力に圧倒されます。

 柴門先生が描く、表情ひとつで読み取れる巧さが、またドラマとは違った『恋する母たち』の魅力を再発見させてくれると思います。

 果たしてこれはハッピーエンドに向かっているのか。そもそもこの3人の主人公が行き着く「ハッピーエンド」とはどこを指しているのか。読み終わったときにあなたは誰に感情移入していますか? 引き続き『恋する母たち』を楽しみましょう!

(別冊なかむらりょうこ)

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