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『シャーマンキング』20周年のキーマンが語り合う、企画の始まりと「新たな構想」

マグミクス / 2020年11月21日 19時40分

『シャーマンキング』20周年のキーマンが語り合う、企画の始まりと「新たな構想」

■タシロハヤトさんが「20周年」に参加するまで

 前回<連載17回>に引き続き、筆者・タシロハヤトさんと、講談社「少年マガジンエッジ」編集部で作者・武井宏之先生を担当するY田さんとの対談をお送りします。

 今回は筆者が「20周年」企画に参加した経緯や、まだ明かされていない裏話、そして2021年に向けた新たな動きも……対談は武井先生の事務所にて、しかも先生が仕事をしながら聞いているという状況で行われました。

* * *

編集部Y田さん(以下、Y田) 武井先生とタシロハヤトさんが上京後、ものづくりを語り合った日々のお話は、私が知らない時代のことで興味深かったです。タシロさんはその後、お勤めのゲーム会社を退職されて、当時のお仲間とゲーム会社を興されていますよね? そこには、武井先生と語り合ったものづくりのいろんなことが影響してますか?

タシロハヤト(以下、タシロ) それはあります。もともとゲーム制作の世界に入ったこと自体がそうですが、最初はサウンドとしてBGMやSEを作っていたんですね。ただ夢は「全部を作る」ことだったので、新しい会社はそれができるということでリスクを負う価値があると思いました。その冒険をしたことも影響といえますね。

Y田 実際に全部を作れたんですから、夢は実現しましたね。

タシロ はい、当然大変でしたが(笑)。当初は企画、そしてシナリオライター、スクリプトも演出も音響もやって、ディレクターもやって……と、できることもできないこともやり続けました。

 小さな所帯だったのでメンバー全員そんな感じで。そのなかで武井くんと語り合って増えた引き出しは大いに役立ちましたし、あの頃の想い出は大切なモチベーションになりました。そのかわり、武井くんだけでなく自分も忙しくなってなかなか会えなくなってしまいましたが……。

 とはいえ、そうした経験を踏まえて、いま一緒に仕事ができているので、それは必要な時間だったんだと思っています。

Y田 そうですよ。何しろ私も偶然、タシロさんたちが作られたゲームを遊んでいますしね(笑)。

タシロ あれは驚きました(笑)。

Y田 昔の話ですが、私はジャンル問わずのゲーマーで、ある時ドリームキャスト版の『君が望む永遠』っていうゲームをプレイして、それがきっかけでパソコンの美少女ゲームジャンルにハマった時期がありました。レアなグッズもいくつか持ってます(笑)

タシロ その節はありがとうございました!(笑)

タシロハヤトさんがメインシナリオを務めた『君が望む永遠』。「泣きゲー」「鬱ゲー」の金字塔としてファンに支持されている (C) aNCHOR

Y田 タシロさんと初めてお会いしたのは「シャーマンキング展」の東京ソラマチ会場でしたが、事前に武井先生から「今後仕事を一緒にやっていきたい友人がいるから紹介したい」と聞いていたんです。ところが先生が「タシロハヤト」というペンネームを憶えていらっしゃらなくて、会ってみてびっくり、『君が望む永遠』を書いた人じゃないですか! と。

タシロ ありがたかったです。突然得体の知れないヤツがやって来て、これから組みますって……怪しすぎるじゃないですか。そこをいきなりクリアできたのは本当に幸いでした。武井くんの信用とY田さんの趣味のおかげで、さまざまな企画にすんなり関わらせていただいています(笑)。

■今だから話せる、「作者療養」の真相

2020年11月中旬より、西武線で掲出されている『シャーマンキング』の交通広告(タシロハヤトさん撮影) (C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.

 話は変わりますが、2020年11月16日から西武線の車内で、『シャーマンキング』の広告が掲出されています。「ふんばり温泉」があたかも実在するかのように演出された広告が車内を埋め尽くすというもの。対談ではその広告についての裏話や、2021年の新たな動きについてのお話へ。そして、2019年初めの休載についても真相が明らかに……?

* * *

タシロ ところで、現在連載中の『SHAMAN KING THE SUPER STAR』を始めるにあたっての面白いエピソードはありませんか?

Y田 実は、先生のなかでやりたいことが明確だったので、安心してお任せしていたんですよ。強いて言えば『FLOWERS』とのつながりが気になっていましたけど、結局アルミの話から始まって、わかりやすい物語が展開しましたし。あ、でも、立ち上げの話でなくてもよければありますよ。

タシロ なんですか!?

Y田 先生が入院された時の話です。シャーマンキング展でも先生の人形の手首にかかっていましたよね、患者用の腕輪が。あの時……これは恐らく初めて公にすると思うんですが、先生は「心房細動」という病気でカテーテル手術を受けられたんですよ。

「先生これからという時に大丈夫かっ!?」って、頭のなかはそればっかりで、いやあ、今まで体験したのとは全然違う修羅場でした(笑)

タシロ 回復したから本当に良かったですよね……。

Y田 本当です。それで麻酔のせん妄ってご存じですか? 麻酔から覚める時に意識が混乱してしまう状態なんですけど、それで先生は記憶が混濁して、最初私が誰か認識できなかったんです。

 ずっと付き添っていたので軽くショックを受けつつ経過を見ていたら徐々に認識はしてくれたんですが、今度はどうして私がここにいるのか理解してもらえず、これまた軽くショックという……。まあ、面白かったですね(笑)

タシロ それは地味に悲しい……(笑)。

Y田 ついでに最新のお話をしましょうか? 11月16日から西武線で始まった電車の吊り広告、あれの修正があったじゃないですか?

タシロ はい、「書き足す・足さない」の話ですね? そういえば武井くんがずいぶん時間がかかったとぼやいてましたね……。

Y田 さすがに詳細は言えませんが、準備の方でいろいろありまして、時間がかかってしまった結果、先生の休みが無くなってしまったんですよ。その結果、先生が趣味のオモチャを探しに行く時間がなくなってしまい、危うく手に入らなくなるところで……結局それは先生がご自分で手に入れましたが、次回欲しいオモチャを私がお詫びで差し入れする話になっています。

タシロ (大笑)それは面白い話ですね! もしかしてY田さん、そういう話いっぱい持ってます?

Y田 読者のみなさんがご興味あれば、いろいろと出せますよ。

■2021年に動き出す「次の構想」

武井宏之先生が「少年マガジンエッジ」で連載中の『SHAMAN KING THE SUPER STAR』4巻(講談社)

タシロ 2021年の動きについて何か新しく言えることはあるでしょうか?

Y田 そうですね……「『SUPER STAR』の次の構想が実現に向けて具体的に動き出す」というのはどうでしょう? タシロさんも関係してますし、武井先生も……OKみたいなので。

タシロ それ言っても大丈夫ですか! ありがたいです。僕もそこからは今まで以上にガッチリ組んでやらせていただくことになるので楽しみにしています。これは結構なサプライズだと思うので、ちょうど良いタイミングでの対談でしたね。

Y田 2021年はそれだけでなく、すでに発表されているTVアニメの放映と、出雲での「シャーマンキング展」以外にもいろいろな計画が動いていて、タシロさんにはそれらにも関わっていただいています。改めてどうかよろしくお願いします!

タシロ:いえいえ、こちらこそ、どうぞよろしくお願いします! 今回はありがとうございました。

* * *

 2021年、『シャーマンキング』の新作アニメをはじめ、さまざまな企画が始動していく一方、ゲーム業界を歩んできたタシロハヤトさんが携わった『マブラヴ オルタネイティヴ』もTVアニメ化され、2021年秋に放送予定です。

●『マブラヴ』ポータルサイト

●『マブラヴ オルタネイティヴ』アニメ公式サイト

(タシロハヤト)

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