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新たな「スパイダーマン」ゲームは、黒人文化と社会的メッセージも発信

マグミクス / 2020年11月24日 18時20分

新たな「スパイダーマン」ゲームは、黒人文化と社会的メッセージも発信

■新要素が加わり、ゲーム性も前作よりパワーアップ

「スパイダーマン」ゲーム化作品の最新作であるPS5/PS4向けソフト『スパイダーマン マイルズ・モラレス(Marvel’s Spider-Man: Miles Morales)』が、プレイステーション5(PS5)の発売日と同日の2020年11月12日に発売されました。2018年発売の『Marvel’s Spider-Man』の続編。前作でも登場した二代目スパイダーマンことマイルズ・モラレスを主人公に、NYの街を飛び回る爽快なアクションゲームです。

 PS5版をプレイしている人にとっては、映像の美しさがより強調された体験になっているでしょう。今まで以上にヌルヌルと動くスパイダーマンをコントロールする快感は想像以上です。PS4であっても透明化の能力が追加されたスパイダーマンや、新しい武器で迫りくる敵など、新しさを十分に感じさせる内容になっています。

 今作の新要素で、ゲージを貯めて使う“ヴェノム・パワー”と透明化の“カモフラージュ”がステルスやアクションに良いアクセントを加えており、前作以上の楽しさも。スパイダーマンとは別の能力を持つ二代目スパイダーマンですが、街中を飛び回るウェブスイング時には不安定な姿勢をとるなど、初代スパイダーマンとの細かな違いも表現されています。

 前作でも搭載されていた“フォトモード”も、今作の魅力のひとつになっています。プレイ中にゲームを止めて写真を撮影できるのですが、とんでもない数の調整項目が盛り込まれています。撮影した写真を飾るフォトフレームは37種類、ステッカーは約400種類が用意されるなど、こだわりを感じさせる機能です。

 一方、ストーリーやサイドミッションなどを含めた物語のボリュームは少なめの印象でした。早ければメインストーリーだけで3時間ほどで終了するので、「続編」というよりは「スピンオフ作品」という見方もできそうです。

 しかし、ストーリーは映画1本を見たような満足感があり、スパイダーマンがいる世界観を象徴する「親愛なる隣人」というテーマをきちんと表現しています。アニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』でも登場したヴィラン(敵役)、プラウラーも登場し、前作からライノなどのヴィランも引き続きスパイダーマンの前に立ちふさがります。コミック原作や映画とも違うゲームオリジナルシナリオの展開は、ユーザーを楽しませてくれるでしょう。

■黒人カルチャーの表現と「ブラック・ライヴズ・マター」のメッセージ

スパイダーマンのマスクを外した状態のマイルズ・モラレス。『スパイダーマン マイルズ・モラレス』より

 さて、黒人青年のマイルズが主人公のオリジナルストーリーが展開する今作は、映画『スパイダーマン:スパイダーバース』でも主人公として活躍した彼の特色が反映されています。

 映画『スパイダーマン: スパイダーバース』のスーツが登場し、さらにアディダスとのコラボスニーカーがゲーム中に登場するなど、ストリートカルチャーをゲーム内に反映した仕上がりになっています。これはマイルズというキャラクターの人物像にヒップホップカルチャーが大きく影響しており、ゲームでは楽曲に使う音源のサンプリングをするミッションも登場します。

 以前『スパイダーマン: スパイダーバース』で楽曲「Way Up」を提供していたウィル・スミスの息子であるJadenも、今作で楽曲「I’m Ready」を提供しており、黒人文化とマイルズとの関連性は高いといえそうです。

 そして、あるミッションの最後ではマイルズが街のグラフィティの前に立つのですが、そこには大きく「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)」と描かれています。「Black Lives Matter」は黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える運動として、ここ数年でアメリカを中心に世界中に広がった言葉です。

 実際に「Black Lives Matter」のデモ活動にマイルズの黒のスパイダーマンのコスチュームで参加した人物がおり、これを見た『スパイダーマン: スパイダーバース』の制作に携わったアーティストが写真をもとにイラストを描いたことがありました。昨今のゲームにおいては珍しい“社会的メッセージ”も、マイルズ・モラレスを主人公とした「スパイダーマン」だったから表現できたといえるでしょう。

(C)2020 MARVEL (C)Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by Insomniac Games, Inc.

(大野なおと)

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