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コロナでも衰えぬアナログゲーム人気、新たな課題と手法も…「ゲームマーケット」事務局長に聞く

マグミクス / 2020年11月26日 19時40分

コロナでも衰えぬアナログゲーム人気、新たな課題と手法も…「ゲームマーケット」事務局長に聞く

■「ゲームマーケット」

ボードゲームなどのアナログゲームに関する大規模イベント「ゲームマーケット2020秋」が2020年11月14日、15の両日、東京ビッグサイト青海展示棟で開催されました。新型コロナウイルスの影響による開催自粛を乗り越えて開催にこぎつけた今回のイベントについて、また今後のアナログゲームブームとイベントの展望について、ゲームマーケット事務局長の刈谷圭司さんにお話を聞きました。

* * *

――今年2020年で「ゲームマーケット」は20年目を迎えました。昨年の参加人数は3万人と、ボードゲームを始めとしたアナログゲームは盛り上がりを見せています。ここまで、特に盛り上がりを感じた出来事がありましたら伺えますでしょうか

刈谷 弊社(アークライト)が運営を引き継いだのは2010年なので、そこからの話になりますが、2013年に会場を台東区民会館から東京ビッグサイトに移したのが大きな契機になったのかなと思います。そこから毎年およそ13%ずつ継続して参加人数が増加していたので2017年から2日間開催にしたら、さらに一段と盛り上がりましたね。

――ビッグサイトで2日間開催できるほどに出展者が増えたんですね。

刈谷 参加者が1日で回れる範囲には限界がありますからね。それに大きな企業さんに出展していただく際に、2日間あると大きなブースを設営してくださるんです。1日だけだと経費と見合わないんですよ。

――今年もホビージャパンさんなど、多くの会社が大きなブースを出していました。

刈谷 他にもディライトワークスさんやジーピーさん、イエローサブマリンさんなど、皆さん趣向を凝らした設営をしてくださって、とても盛り上がっていたと思います。

――子連れの方も増えてきました

刈谷 ここ3年から5年くらい、女性やファミリー層が増えて来ています。それだけボードゲームが文化として一般に広がったのかな、という手ごたえはありますね。

――新型コロナウイルスの影響で、2020年春からイベントの開催自粛を余儀なくされました。今回の開催においては、どのような取り組みを行われたのでしょうか

刈谷 本当に色々な苦労がありました。特に春先は中止になった「2020大阪」と「2020春」の後処理も非常にたくさんありました。そんな状況下でもコロナ禍の中で開催している他のイベントの研究のためにスタッフが視察に行きましたし、国や都の基準が変わるたびに対応するためにはどうすべきなのか、さまざまな条件のもとで秋にゲームマーケットを開催した場合に何が起きるのか。出展者さんや来場者さんに喜んでもらえるイベントができるのか。我々自身がイベントを継続できるのかなど、さまざまなシミュレーションをしながら開催に至っています。

■ブームのなかで苦境の業種も…アナログゲームの今後は?

お話を伺った、「ゲームマーケット」事務局長の刈谷圭司さん

――アナログゲームのブームはこれからどうなっていくとお考えでしょうか?

刈谷 ボードゲームの売り上げに関しては、現在のところコロナの影響下でも成長を維持できています。今後すぐに調子が下がるということはないかな、という見通しです。ただ、ボードゲームカフェさんは非常に苦しい状況が続いていると耳にします。ブームが続いているとはいえ、カフェを経営している方々が商売を諦めてしまうのは決していいことではありません。なんとか手助けできないかと考えていますが、なかなか簡単ではないですね。

 ゲームマーケットについては、これは新型コロナの状況次第なので予測できないところはあります。ただ、6月に開催させていただいたオンラインイベント「ゲームマーケット ライブ」もそうなんですが、今まで試遊で紹介していた遊び方を、動画で伝える文化が一気に広がった面があるんです。

 このまま行くと「動画でルールを覚えてから遊ぶ」という形が定着する可能性もあるかもしれないと思っています。来年の春や秋もすぐに昔のゲームマーケットのような状況に戻るかはわかりませんが、そうした新たなプラスの面も出てきています。今後も世の中がおかしなことにならない限り、ゲームマーケットを継続できるんじゃないかと思っていますし、ポジティブな部分を探して発展していけたらと思っています。

――次回は2021年に大阪での開催となります。2020年は残念ながら中止となってしまいましたが、大阪でゲームマーケットを開くのはどのような理由があるのでしょうか?

刈谷 純粋にアナログゲームを日本全体で盛り上げたいと考えたときに、東京だけではなくやはり関西でもやるべきではないかと考えたからです。うちの会社は東京にありますから関西でやると経費がかさみ、収支という点ではプラスは少ないんですが、そういうことじゃないだろうと。

――関西と関東、イベントを開催した際に、特徴の違いなどはありますか?

刈谷 東京と違って年に1回なので、「このイベントに賭ける」という強い思い入れを持って参加してくださる方が多いように思いますね。九州や四国、中国地方の方も「東京まで行くのは大変だけど、大阪であれば」と参加してくださっています。それでも九州から大阪は遠いと思うのですが、毎回我々の方が感動するくらいの熱量で来てくださいますね。

――最後に、ゲームマーケットに参加してくださるすべての方々にメッセージをお願いします。

刈谷 今のような厳しい世の中でも、自分のゲームを作って発表したいという出展者の方々、ゲームを買いたい遊びたいと思ってくださる来場者の方の存在は、本当にありがたいなと思います。こういう方がいらっしゃるおかげで、日本にボードゲームの文化が定着していくのだろうと感謝しています。

(ライター 早川清一朗)

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