何度読み返しても吹いてしまうマンガ3選 絶望してても、声を出して笑っちゃう!
マグミクス / 2020年12月2日 7時10分
■どのページにも笑える仕掛けが満載!ギャグセンスも磨ける傑作マンガ
コメディ要素たっぷりのマンガは、気軽に読めるうえに、笑えるシーンが数多く登場するので、何度読んでも明るい気持ちになれます。一度読んだはずなのに、またも声に出して笑ってしまう名作はいくつもあります。今回は、何度読み返しても笑ってしまうマンガ3選を紹介します。
●うすた京介『ピューと吹く!ジャガー』
まずは、「週刊少年ジャンプ」で10年にわたって連載されたギャグマンガ『ピューと吹く!ジャガー』です。スターを輩出する音楽事務所の養成所のふえ科クラスを舞台に、不条理なストーリーが繰り広げられます。この作品は、型にとらわれない斬新な設定のなかに、ふえ科講師・ジャガーの予測不能なボケと、ギタリスト志望・ピヨ彦のハイセンスなツッコミが至るところに散りばめられていて、次から次へと笑いを仕掛けてきます。
ジャガーが教育番組を荒らす回、猛犬だらけの遊園地「ユニバーサんのわんわんスタジオジャパン」に閉じ込められる回、ピヨ彦が全くツッコまないことに戸惑う回など、ありとあらゆる設定のなかで笑いを誘ってきます。さらにふえ科には、ヒップホップを愛するナルシスト忍者・ハマー、人見知りをごまかすために人を罵倒するアイドル志望の高菜など、個性の強いキャラクターも集結します。まるで、コント番組を見ているような読み心地にさせ、ボケのセンスやツッコミのセンスも磨ける作品です。
●久米田康治『さよなら絶望先生』
続いては、アニメとしても人気が高い『さよなら絶望先生』です。学校を舞台に、個性の強すぎるキャラクターが皮肉にあふれたブラックコメディを展開します。この作品は、とにかく一人一人のキャラクターが際立っています。自殺ばかりしようとする超ネガティブ教師の絶望先生、なんでもポジティブに捉える少女・風浦可符香、きっちりしていないと気が済まない女生徒・木津千里、絶望先生をつけまわすストーカー・常月まとい、動物のしっぽが大好きな包帯娘・小節あびるなど、個性豊かなそれぞれのキャラクターの発言が飛び交い、違った種類の笑いを同時に味わうことができます。
そして、この作品の読みどころは、ひとつの主張に対して具体例をいくつも重ねてくるところです。例えば、絶望先生が「人は本筋以外の所が気になって仕方がない」と主張した後に、「アニメの内容よりOP主題歌のランキングを気にする」「手作り弁当よりも包んである新聞紙の内容が気になる」など、気になって仕方がない具体例を10以上も列挙します。登場人物のセリフだけでなく、細かい文字にも笑わせる要素がたくさん詰まっています。
■過去の自分と重ねながら楽しめる、王道のホームコメディ
●けらえいこ『あたしンち』
最後は、7年ぶりに週刊誌「AERA」で連載を復活した『あたしンち』です。東京に暮らす平凡な4人家族・タチバナ家の日常を描いたホームコメディです。この作品は、共感できるシーンが多く、学校や家庭、ママ会などの日常的な設定のなかに起こる笑いが描かれています。怠け者の専業主婦な母、少しマヌケな女子高生・みかん、クールな中学生・ユズヒコ、無口な父の4人家族で構成されていて、扱うテーマも共感しやすいものばかりです。特に、みかんとユズヒコを中心に展開する話は、若かりし頃の自分と重なる人も多いと思います。女性の読者なら、みかんと同じように、キャラ弁に憧れたり、学生証の写真が嫌になったり、自販機の下に落とした小銭を拾うのが恥ずかしかったりするシーンに共感できます。一方、男性の読者なら、ユズヒコと同じように、ゴミ投げに熱中したり、深夜に台所に忍び込んだり、好きなアイドルを周りに隠しているシーンに共感できます。過去の自分の記憶と重ねながら楽しめるので、何度読んでも味わい深いです。
* * *
コメディ要素たっぷりのマンガは、読むだけで、いつだって明るい気持ちになれます。本棚の取り出しやすい位置に置いて、ふとした時に読み返してはいかがでしょうか。
(稲福竜生)
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