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声優・三石琴乃さんの誕生日。「葛城ミサト」「セラムン」にとどまらない、多彩な演技力

マグミクス / 2020年12月8日 15時38分

声優・三石琴乃さんの誕生日。「葛城ミサト」「セラムン」にとどまらない、多彩な演技力

■一躍スターダムに推しあがった、はまり役「セーラームーン」

 本日12月8日は、声優の三石琴乃さんのお誕生日です。そこで、三石さんがこれまで演じていたキャラをご紹介しながら足跡をたどってみたいと思います。

 誰もが知っている三石さんの代表作といえば、『美少女戦士セーラームーン』(1992年)の月野うさぎ/セーラームーンと、『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)の葛城ミサトだと思います。しかし、他にもメジャーなものからマイナーなものまでさまざまなキャラを演じてきていました。

 デビュー作はOVA『エースをねらえ! ファイナルステージ』(1989年)の友代役になります。その後、注目を集めるようになったのは、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』(1991年)の菅生あすか、『ゲンジ通信あげだま』(1991年)の平家いぶきからだと思います。あすかはその後にも同シリーズのOVA作品で活躍していましたし、いぶきはセーラームーンパロディを披露して、カルト的な人気のあったキャラでした。

 そして、翌年の1992年に演じた『セーラームーン』で知名度を急上昇させて一躍、人気声優としての地位を確立します。

 セーラームーンは作品的な魅力ももちろんですが、三石さんの演技でキャラがイキイキしていたことが人気の秘密だったと思います。テンションの高いギャグ調の軽い演技から一転、悲しみや凛々しいシリアスな声に切り換わるところが最大の魅力だったのではないでしょうか。後に共演したベテラン声優の神谷明さんいわく、「自分もあれくらいの歳であの演技ができれば苦労しなかった」と絶賛していました。

 しかし、第1シリーズ終盤で盲腸のため、セーラームーン役を途中降板します。その後、3か月ほど経過して無事に復帰しました。実は、後に本当の病名が発表された時、本当は命に関わるほどの重病だったことが明かされ、おどろいたものです。

 そんなこともあって、三石さん自身もセーラームーン役には思い入れは深いようです。リメイクされた際にキャストが一新された『美少女戦士セーラームーンCrystal』(2014年)で唯一、以前と同じようにセーラームーン役を演じていることからも、そのことがうかがえます。もちろん、以前と変わらぬ声が出せるという声優としてのスキルの高さがあればこそでしょう。

■葛城ミサト以外にも多くの「大人の女性」演じる

三石さんが演じた、『名探偵コナン』の水無怜奈(左)。画像は「名探偵コナン Treasured Selection File.黒ずくめの組織とFBI 11」ブルーレイ(ビーイング)

 そして、1995年にもうひとつの代表作である『新世紀エヴァンゲリオン』で葛城ミサトを演じます。このミサトも三石さんのはまり役となりました。その人気の高さは今さら説明する必要がないくらい。エヴァンゲリオン関連商品が出る際、パイロット以外で商品化されているのですから、わかりやすいですよね。

 三石さんの魅力といえば、前述したふたりもそうですがテンションの高い流れるようなセリフ回しです。それを感じさせるキャラといえば、『愛天使伝説ウェディングピーチ』(1995年)のポタモス、『エクセル・サーガ』(1999年)のエクセルなどがインパクト的には外せません。

 しかし、テンションが高い役どころだけでなく、『クレヨンしんちゃん』(1992年~)の上尾ますみ先生のような引っ込み思案のキャラ、『少女革命ウテナ』(1997年)の有栖川樹璃のような硬質なキャラなど、さまざまなタイプのキャラも絶妙に演じています。

 さらに21世紀以降は、大人の女性役が増えました。『名探偵コナン』(1996年~)の水無怜奈(本堂瑛海)/キール、『ONE PIECE』(1999年~)のボア・ハンコックのふたりは、今後もまだ出番があるキャラだけに新たな活躍に期待が持てます。他にも『機動戦士ガンダムSEED』(2002年)のマリュー・ラミアスは、ゲームなどで新規のセリフが聞けることが多く、ある意味で現役キャラくらいの知名度がありますね。

 また母親役も多くなってきました。2005年からリニューアルされた『ドラえもん』から、のび太のママを演じています。この他にも『GEAR戦士 電童』(2000年)のベガ/草薙織絵、『ガンダムビルドファイターズ』(2013年)のイオリ・リン子など、一風変わった母親役も演じていました。特撮番組になりますが『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(2015年)では有明の方を演じています。しかもVシネマでは珍しい俳優としての出演をしていました。

 あと、三石さんで印象深いのはナレーターとしての活躍です。バラエティー番組などのナレーターも多いのですが、前述した『機動戦士ガンダムSEED』での予告編で〆のセリフになる「〇〇ガンダム!」というシャウトのような熱い語りや、『デート・ア・ライブ』(2013年~)のオープニングのイントロ部分での淡々とした語りは音楽と一緒に脳内再生されるくらい印象的です。

 他にもご紹介したいキャラは大勢いますが、文字数の都合でご容赦ください。お誕生日を迎えて更なる高みに向かう三石琴乃さんの今後の活躍も、いちファンとして応援していきたいと思います。

(加々美利治)

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