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東京コミコンにBTTFキャスト登場。この機会に振り返る、「後日談」描く作品たち

マグミクス / 2020年12月14日 17時20分

東京コミコンにBTTFキャスト登場。この機会に振り返る、「後日談」描く作品たち

■ドク&ビフが出演、ファンへの感謝とレアエピソード語る

 2020年12月4日から6日までの3日間、世界最大級のポップカルチャーの祭典『東京コミコン2020』が開催されました。同イベントはこれまでは大きな会場でコミックや映画の最新情報、レアグッズの展示、ハリウッドスターとの撮影イベントなどを目玉にしていましたが、2020年は新型コロナウイルスへの対応でオンライン開催に変更されました。

 ハリウッドスターとの撮影会は「オンラインサイン会」として実施、そのなかでも特に話題となっていたのが、1985年の公開から35周年を迎えた映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のキャスト陣でした。

 イベントでは、“ドク”ことエメット・ブラウン博士を演じたクリストファー・ロイドと、悪役のビフ・タネンを演じたトム・ウィルソンがビデオメッセージを寄せ、82歳になったロイド、61歳のウィルソンの元気な姿を見せてくれました。ちなみに主人公マーティを演じたマイケル・J・フォックスもオンラインサイン会実施の予定でしたが、アメリカでの感染拡大や、11月に自身の著書で明らかにした“俳優業の引退”などの事情から、東京コミコン後に延期されることとなりました。

 ロイドとウィルソンのビデオメッセージでは、劇中で主人公マーティが歌う「Johnny B. Goode」をウィルソンが歌ったり、以前イベントのために来日した際のことを回想するなど思い出話に花を咲かせました。特にウィルソンは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のビフ役で映画デビューを飾っていますが、思い出深い品として“フェイクのオスカー像”を紹介。同作に出演して知名度が上がったウィルソンが、お祝いに家族から贈られたというオリジナルのオスカー像ですが、「値段をケチられた」として名前や作品名などが彫られていなかった……というレアなエピソードを披露しました。

 メッセージの最後に、ウィルソンが日本のファンについて「本当に作品に対する愛情があり、僕らの演技に対してとても敬意を表してくれる」と述べ、ファンへの感謝が詰まったビデオメッセージが締めくくられました。

■完璧すぎる脚本。公式な「後日談」はあるも、映画続編は生まれず!

パート3の後日談を描くコミック、『バック・トゥ・ザ・フューチャー コンティニュアム・コナンドラム』(宝島社)

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は1985年、日本で『ターミネーター』が5月に公開されたのち、同年12月に公開された映画です。総指揮を務めたスティーヴン・スピルバーグの次なる注目作として話題になり、SFだけではない青春コメディ映画として人気が急上昇し、その人気は『パート2』『パート3』へと続きました。

 その後、映画の続編として『パート4』やリメイクの話などが度々噂として出ていますが、現在に至るまで形になるという話は出てきていません。一方、映画以外では『パート3』完結後のエピソードを描いた作品がいくつか登場しています。

 まず、『Back to the Future: The Animated』というTVアニメがCBSで1991年から1992年にかけて全26話で放送されました。『パート3』のその後が描かれており、デロリアンや蒸気機関車のタイムマシンに乗ってお馴染みのキャストが冒険を繰り広げます。物語の冒頭と終わりには、実写映画のドク役だったロイドも登場しました。

 他にも2010年にゲームとして「Back to the Future: The Game」が配信されています。全編フルCG、フルボイスのシステムが採用され、マーティを操作してアクションや会話ができるアドベンチャー形式のゲームです。『パート3』の半年後が舞台で、映画版の脚本を担当したボブ・ゲイルが監修に携わっています。ドクの声をロイド、ジェニファーを映画版第1作で彼女を演じたクローディア・ウェルズが担当しているほか、マーティの祖先と未来からやってきたマーティ役としてマイケル・J・フォックスもゲスト出演しています。

 映画ではないが正統な続編として紹介されたのが、コミックス『バック・トゥ・ザ・フューチャー コンティニュアム・コナンドラム』です。日本語訳版が発売されており、パート3から数ヶ月後の1986年からの世界を描いています。同じく、シリーズの脚本家ボブ・ゲイルが監修。1985年、2035年の未来、1890年代の過去をつなげるというストーリーが展開します。

 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズは「完璧な脚本」とまで言われるほどの作品であり、続編を期待する声の一方で「続きは必要ない」と考える人もいるなど、ファンの愛は深いと言えます。アニメ、ゲーム、コミックなど映画以外のメディアでも物語が展開されていますが、「次の映画」という選択肢は選びにくくなっているように思います。しかし、映画製作者とファンの愛のもとで、完結した作品が生き続けるのは素晴らしいことです。

(C) TOKYO COMIC CON All Rights Reserved.

(大野なおと)

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