年末年始に一気観したい2020年アニメ5選。毎話が「神回」レベルで止められない？

■みんな魅力的すぎて「推し」が決められない…？

　アニメには「神回」と呼ばれるエピソードが存在します。話が盛り上がる、絵がすごい、声優さんの演技にしびれる……神回と感じる要因はアニメファンそれぞれにあるでしょうが、近年では『鬼滅の刃』第19話「ヒノカミ」や『グランベルム』第7話「ミス・ルサンチマン」などが大きな話題になりました。

　2020年に放送されたアニメのなかにも、神回レベルの話を連発するものがあります。2020年のアニメの締めくくりとして、ずっと面白い話ばかりのハイアベレージなアニメ5作品を紹介します。

●『ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』

　アニメ好きなら説明不要なほどの人気シリーズである「ラブライブ！」。その第3弾である本作は、東京のお台場にある虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会に所属する少女たちの物語です。

　9人の少女が全国各地の学校内で結成されているアイドルグループ・スクールアイドルとして活動することになるのはこれまでのシリーズと同じ。しかし過去作との最大の違いが、同好会に所属しメンバーをサポートする高咲侑の存在。スクールアイドルを大好きな彼女は、少女たちに寄り添い、身近な立場から勇気づけていきます。そんな視聴者の代わりにスクールアイドルを応援する彼女のおかげで、シリーズのキーワードである“（ファンを含めた）みんなで叶える物語”をより感じられるストーリーとなっています。

　また本作では、9人各自がソロのスクールアイドルであるのも特徴のひとつ。現在放送中のアニメでは毎話異なるキャラクターが主役のいわゆる“お当番回”が続きますが、それぞれに活動をする動機やテイストの違うソロライブがしっかり描かれるため、全員が眩く魅力的に映っていくでしょう。この作品は「dアニメストア」「Amazon Prime Video」「バンダイチャンネル」などで観ることができます。

●『『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima』

アニメ『ヒプノシスマイク』キービジュアル　(C)『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima 製作委員会

　2017年から展開され、『ヒプマイ』の愛称で知られる音楽原作キャラクターラッププロジェクトが、2020年に待望のアニメ化。第三次世界大戦で人口の3分の1が失われ、兵器ではなく特殊なマイク「ヒプノシスマイク」を通じた言葉が力を持つようになった世界で、イケブクロ・ヨコハマ・シブヤ・シンジュクという4つの区画で過ごす3人組の男性MCグループのドラマが描かれます。

　そんなぶっ飛んだストーリーにふさわしい破天荒なラップバトルが、本作の最大の見どころです。イケメンたちが繰り出すラップに合わせ、リリックが画面に展開しド派手なエフェクトが敵を攻撃。「!?」というわずかな戸惑いと、それを吹き飛ばすほど怒涛の勢いと熱さは、カードゲームアニメや「KING OF PRISM」シリーズさながら。そうしたバトルが異なる楽曲、シチュエーションで展開されるため毎回盛り上がること間違いありません。この作品は「dアニメストア」「NETFLIX」「Amazon Prime Video」などで観ることができます。

■知略サスペンス・動物擬人化ラブコメ・ジュエルミステリーも見逃せない

アニメ『無能なナナ』キービジュアル　(C)るーすぼーい・古屋庵／SQUARE ENIX・「無能なナナ」製作委員会

●『無能なナナ』

「月刊少年ガンガン」で連載されている同名マンガ（原作：るーすぼーい、作画：古屋庵）が原作。“人類の敵”と呼ばれる怪物と戦うためにさまざまな能力を持つ少年少女が集められれた孤島の学園に、「人の心を読める」という転校生の少女・柊ナナがやってきたところから物語がスタートします。

　本作に関しては、そこから先を説明してしまうと、“急転直下”ぶりがあまりに楽しい第1話の魅力を損じるため、「頼むから観てくれ！」と言うしかないのが難しいところです。しかし第2話以降の頭脳戦のスリリングさは、数あるサスペンスアニメのなかでも特筆もの。また主人公を演じる大久保瑠美さんの演技も大きな魅力です。この作品は「dアニメストア」「ABEMA」「バンダイチャンネル」などで観ることができます。

●『群れなせ！シートン学園』

アニメ『群れなせ！シートン学園』キービジュアル　(C)山下文吾・Cygames／アニメ「群れなせ！シートン学園」製作委員会

　マンガアプリ「サイコミ」で連載中の同名作品（著：山下文吾）が原作の、学園アニマルラブコメです。作品の舞台はさまざまな動物が通う私立シートン学園。この学園で出会った動物嫌いの人間とオオカミ少女を中心とした物語が展開していきます。

　この作品のすごいところは、擬人化されたキャラクターに各動物の生態がしっかり反映され、コメディとして存分に活かされているところ。マイペースで寂しがり屋なネコ、中国からの留学生なパンダ、さらには裸があるべき姿のため着衣状態に羞恥心を感じる変態チックなハダカデバネズミの生徒会長……といったキャラクターが毎話登場し、『ロボットガールズZ』や『キラッとプリ☆チャン』で知られる博史池畠監督らしいドタバタ劇が展開するのだから、楽しいだけでなく動物知識の勉強にもなる作品です。この作品は「dアニメストア」「ABEMA」「Amazon Prime Video」などで観ることができます。

●『宝石商リチャード氏の謎鑑定』

アニメ『宝石商リチャード氏の謎鑑定』ビジュアル　(C)辻村七子／集英社・宝石商リチャード氏の謎鑑定製作委員会

　美しく敏腕の宝石商であるリチャードと正義感の強い大学生の中田正義のコンビが、宝石にまつわるさまざまな依頼を解決していく“ジュエル・ミステリー”。原作は集英社 オレンジ文庫から刊行されている小説（著：辻村七子）です。

　基本的に1話完結で進行し、毎話個性的な（ときに個性的過ぎる）ゲストキャラクターが登場し、さまざまな騒動が起こるため、どの話も見やすさと満足感が抜群です。そしてその間にリチャードと正義の関係が変化していき、終盤でひとつのピークを迎える頃には本作の虜になっているでしょう。この作品は「dアニメストア」「ABEMA」「GYAO!」などで観ることができます。

（はるのおと）