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正月でも通常放送していた人気番組たち。『仮面ライダー』は元日から大盛り上がり?

マグミクス / 2021年1月1日 7時10分

正月でも通常放送していた人気番組たち。『仮面ライダー』は元日から大盛り上がり?

■お正月は関係ない? 放送された人気番組たち

 新年あけましておめでとうございます。1年の始まりを告げる日、元日となりました。大多数の人は家でノンビリとしたお正月を過ごしていることでしょう。どんな時代になっても、この元日というものは変わらないですよね。年末から年始までテレビはすべて特番になり、お正月気分を否応なく盛り上げます。

 でも、本当に昔からお正月特番しか放送していなかったのでしょうか? 少しばかり調べてみると、意外なことがわかってきました。それは、元日でも毎週放送していた番組が、休止していなかったこともあるということです。

 例えば筆者が生まれる前にテレビ放送していた作品。日本初の30分テレビアニメ『鉄腕アトム』は、1963年1月1日から1966年12月31日まで放送していたといいます。元日に始まって、大みそかに終わるというスケジュールは、今のテレビ放送の常識的に考えればありえません。さすがは今でも語り継がれるほどの名作アニメです。

 とはいえ、この当時はまだテレビ、冷蔵庫、洗濯機は「三種の神器」と言われていた時代で、通常放送だろうが、特番だろうが、たいして影響があるとも思えません。テレビが爆発的に普及し始めたのは東京オリンピックが開催される直前と言われていますので、1964年くらいからが一般家庭でも自宅でテレビを見ることができる環境が整ったと考えられます。

 そうすると、このころはまだテレビ番組の放送に一喜一憂する時代ではなかったのかもしれません。

 ちょうどその時代、あの『ウルトラマン』第25話「怪彗星ツイフォン」が、1967年1月1日に放送されていました。このエピソードはレッドキング(二代目)という人気怪獣に加えて、ギガス、ドラコという新怪獣が2体も出る娯楽編で、マニアでなくても知っている人が多いと思います。

 このエピソードを元日から見られた当時の子供たちは、さぞや興奮したことでしょう。何しろ人気怪獣のレッドキングの再登場、雪山セットでの怪獣同士の戦いは迫力満点でした。

 ちなみに前番組の『ウルトラQ』 の第1話は1966年1月2日放送開始でした。つまり、まだお正月三が日の時期にスタートしています。

 ウルトラシリーズへの期待値がもともと高かったことも理由として考えられますが、お正月はレギュラー番組をすべて休止して特番に差し替えて放送するということが、当時まだ絶対ではなかったのでしょう。

■子供たちを熱狂させた『仮面ライダー』、そして現代では…

初代「仮面ライダー」と、本郷猛を演じた若き日の藤岡弘、さん。「講談社Mook 本郷猛/仮面ライダー1号」より (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映

 元日からの通常放送で印象深い作品と言えば、やはり『仮面ライダー』です。1972年1月1日に放送された第40話「死斗! 怪人スノーマン対二人のライダー」が忘れることができません。何しろこのエピソードは子供の喜ぶ要素がてんこ盛りでした。

 その筆頭が、仮面ライダー1号、本郷猛役の藤岡弘、さんの復帰エピソードだったことです。

 藤岡さんが撮影中のバイク事故によって長期入院をするという状況になり、主役の座を一文字隼人役の佐々木剛さんにゆだねた話はファンでなくても知っている有名な話。この事故があったからこそ仮面ライダー2号が誕生し、『仮面ライダー』は大ヒットの後にシリーズ化することになったわけです。

 そのふたりの仮面ライダーがはじめてテレビで共演、新幹部の死神博士と戦うというのですから盛り上がらないわけがありません。ちなみに、この少し前に「週刊少年マガジン」に連載していたマンガ版『仮面ライダー』は最終回を迎えていました。そこで1号と2号の共演は映像に先駆けて描かれていましたが、本郷猛と一文字隼人が顔を合わせる場面はなかったので、素顔のふたりの共演はテレビがはじめてだったというわけです。

 実は元日の放送はキー局である毎日放送の要望で、それに合わせたビッグイベントとしてダブルライダーの初共演を設定し、九州でのロケ撮影を行っていました。そのため作品中では着物姿を見せるなどの華やかなお正月演出を入っています。

 この時期の『仮面ライダー』は人気急上昇中で、次週放送の第41話では関東圏のシリーズ最高視聴率を記録しました。それだけの作品だったからこそ、お正月特番で放送休止にしなかったのでしょう。

 ここまで最近のお正月は特番ばかりと言っていましたが、その意見を否定する番組がありました。

 長寿人気番組となっている刑事ドラマの『相棒』です。2006年から通常の放送枠をずらして、必ず元日にスペシャル版を放送していました。

 16年間も元日に放送してるので通常枠でなく特番枠と思ってる人もいるかもしれませんが、話数カウントもされているので立派にレギュラー放送です。2021年の元日も、最新シリーズ『相棒 19』第11話として元日スペシャルが放送予定です。

 ただし、これは本来の放送時間である水曜日21時という枠でなく、曜日に関係なく元日に放送していますので限りなく特番に近いのかもしれません。

 筆者のイメージでは、お正月はバラエティ特番ばかりという感じでしたが、人気ドラマはやはり休止などしないで放送してるのですね。

(加々美利治)

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