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アニメ史に残る傑作3選 2011年放送開始、今年で10周年

マグミクス / 2021年1月3日 13時50分

アニメ史に残る傑作3選 2011年放送開始、今年で10周年

■魔法少女の歴史に大きな1ページを加えた

 今から10年前の2011年は、その後のアニメ界に大きな影響を与えた作品が数多く誕生した年でした。この記事では2011年に放送された作品のなかから、3つの傑作を紹介します。

●『魔法少女まどか☆マギカ』

 2011年1月から放送が開始された『魔法少女まどか☆マギカ』(通称:まどマギ)は、『化物語』で大ヒットを飛ばした新房昭之監督とアニメ制作会社シャフトが新たな魔法少女の概念を作り上げた衝撃作です。全12話。キャラクターデザインはマンガ『ひだまりスケッチ』の作者であり、柔らかでかわいらしいキャラクターを描く蒼樹うめ氏、脚本は重厚かつ残忍な作風で知られる虚淵玄氏が担当しており、放送前から一体どのような化学反応が起きるのか期待されていた作品でした。

 人気が沸騰したのは3話、頼りになるはずの先輩魔法少女である巴マミ(ともえ・まみ/CV:水橋かおり)の戦死がきっかけでした。SNSや各種掲示板の話題は『まどマギ』一色となり、さまざまな考証や検証が盛んにおこなわれるようになったのです。その後も新たに登場した佐倉杏子(さくら・きょうこ/CV:野中藍)は魔女化した美樹さやか(みき・さやか/CV:喜多村英梨)と共に悲劇的な結末に。暁美ほむら(あけみ・ほむら/CV:斎藤千和)は鹿目まどか(かなめ・まどか/CV:悠木碧)を破滅の運命から救うために“あること”を繰り返していることが明かされるなど、1話ごとに驚愕の展開が待ち受けていた作品でした。声優陣の演技も素晴らしく、特に10話で展開された魂の叫びの数々は、アニメ作品が到達した至高の領域と言っても過言ではないでしょう。

 放送終了後もその勢いはとどまるところを知らず、コミカライズをはじめとする多くのメディアミックスが行われたことも本作の大きな特徴です。2013年には完全新作の劇場版『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編] 叛逆の物語』が公開され、2020年にはゲームアプリを原作としたTVアニメ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』も放送されています。まだまだこれからも『まどマギ』の世界は紡がれてゆくのでしょう。

■スポンサーロゴを身にまとったヒーロー&タイムリープによる運命改変

●『TIGER & BUNNY』

2022年に新シリーズスタート予定の『TIGER & BUNNY2』 (C)BNP/T&B PARTNERS

『TIGER & BUNNY』(通称:タイバニ)は2011年4月から9月にかけて放送されたヒーロー&バディ作品です。全25話。

 特殊能力者「NEXT」が企業からのスポンサードを受けながら街の平和を守る「ヒーロー」として活躍している世界が舞台。ベテランヒーローのワイルドタイガー/鏑木・T・虎徹(かぶらぎ・てぃー・こてつ/CV:平田広明)は所属会社がヒーロー事業部を売却したため危うく路頭に迷いかけたところを新たな会社に拾われ、同じ特殊能力を持つ若きヒーロー、バーナビー・ブルックスJr.(CV:森田成一)とコンビを組むことに。正反対の性格を持つ虎徹とバーナビーはことあるごとに衝突しますが、共に戦うなかで徐々に互いを理解していきます。

 本作品の特色は、登場する個性豊かなヒーローたちが、スポンサー企業のロゴを身にまとっている点でしょう。牛角やペプシ、バンダイにソフトバンクと言った有名企業のロゴが次々と映し出される戦闘シーンは、アニメの新しい在り方を提示するものでした。

 2022年には『TIGER & BUNNY2』の放送が予告されており、情報発表時にはTwitterでさまざまな企業の公式アカウントが出資方法を探し求めざわつくなど、注目度の高いタイトルとなっています。果たして11年の時を超えた続編はどのようなものになるのか、今から楽しみでたまりません。

●『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』

『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』  (C)2013 5pb./Nitroplus STEINS;GATE MOVIE PROJECT

 2011年4月から9月にかけて放送されたTVアニメ『STEINS;GATE』(通称:シュタゲ)は、2009年に発売された同名のゲームを原作とした作品です。全25話+劇場版。秋葉原を拠点に「未来ガジェット研究所」というサークルを立ち上げ、友人の橋田至(はしだ・いたる/CV:関智一)や幼なじみの椎名まゆり(しいな・まゆり/CV:花澤香菜)と共に日々変な発明に勤しんでいた主人公の岡部倫太郎(おかべ・りんたろう/CV:宮野真守)は、ある日タイムマシンを発明してしまいます。仲間たちの願いを反映し過去を改変したことにより「バタフライエフェクト」が発生し、まゆりの命が危険にさらされることを知った岡部はタイムリープを繰り返しまゆりを救おうとするのですが、その世界線の先では天才少女・牧瀬紅莉栖(まきせ・くりす/CV:今井麻美)の命運も大きな変動を迎えてしまうことになってしまうことが分かり、岡部はさらなる苦悩の淵に立たされてしまいます。

 全体として前半部分からの伏線の張り方は見事と言うほかはなく、構成の巧みさで言えばいまだにアニメ史上最高の1本です。2015年の再放送では23話が「23話β」に差し替えられ、続編である『シュタインズ・ゲート ゼロ』(2018年放送)につながる形でストーリーが改変されるなど、挑戦的な試みも行われた傑作です。

(ライター 早川清一朗)

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