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『亜空大作戦スラングル』OP「ゴリラ!」のインパクトとお色気が当時の子供たちに刺さる

マグミクス / 2021年1月21日 10時40分

『亜空大作戦スラングル』OP「ゴリラ!」のインパクトとお色気が当時の子供たちに刺さる

■OPの歌詞は「ゴリラ! ゴリラ! ゴリラ!」

 重厚なサウンドと共にTVから流れてきた「ゴリラ! ゴリラ! ゴリラ!」という歌詞に度肝を抜かれたのを今でもよく覚えています。1983年1月21日に放送が開始されたTVアニメ『亜空大作戦スラングル』は、絶大なインパクトのオープニング「亜空大作戦のテーマ」で今なおその名を知られている作品です。全52+1総集編。

 まだアニメの主題歌と言えば主人公の名前を連呼する作品が多かった時代、英語が多く含まれた歌詞にやたらと連発される「ゴリラ!」という単語、次々と姿を現すスタイリッシュなキャラクターとマシン、いったいどんなアニメなのかは見当もつきませんでしたが、子供心にはとにかく格好良かったのです。

 ちなみに、1983年はTVアニメ『キャッツ・アイ』では杏里の歌う主題歌が当時の人気歌番組「歌のトップテン」「歌のベストテン」にランクインしたり、TVアニメ『銀河漂流バイファム』ではすべての歌詞が英語のオープニングが登場したりと、アニメソングの歴史において、重要な出来事が次々と起こっています。アニメソング市場も100億円代に乗るほどの市場が築かれており、さらにはニッポン放送が「アニメ紅白歌合戦」を初めて開催するなど、アニメソングが確固たる土壌を築き上げた記念すべき年なのです。

 なお、「亜空大作戦のテーマ」の作詞は『機動戦士ガンダム』や『銀河旋風ブライガー』などの脚本を務めた故・山本優氏(2018年没)、作曲は「タイムボカン」シリーズで多くの名曲を作曲した山本正之氏です。アニメソングらしいアニメソングを作ることに長けた両氏が当時としては極めて前衛的なこの曲を送り出したことには驚かされますが、時代が変化を求めていたということなのかもしれません。

■果たしてゴリラとは何なのか

 さて、歌詞にあるゴリラとはいったい何なのかと言いますと、主人公たちが所属するチームの名前を指しています。

『スラングル』の冒頭ナレーションでは「人類を始めとする宇宙の人々はギャラクティカスペースと呼ばれる特殊大気圏亜空ゾーンに高度な文明を創り出し、繁栄の一途をたどった。だが、だが、それと共に悪の組織も栄え、クライムと呼ばれる国家をしのぐ犯罪組織が生まれた。ギャラクポリス機動局長官マンディは続発する凶悪犯罪の陰に悪の組織クライムの存在を知り、その摘発と壊滅のために6名のプロを選び、グループを結成した。これはその秘密特別機動隊、暗号名ゴリラの活躍を描く物語である」と世界観や設定が語られています。

 ゴリラを構成しているメンバーはリーダーのキャプテン・チャンス(CV:野島昭生)、ジェット(CV:古谷徹)、スーパースター(CV:鈴置洋孝)、セクシィ(CV:平野文)、ベビーフェイス(CV:西尾徳)、マジシャン(CV:増岡弘)と上記の通り6名のプロフェッショナルです。名前はコードネームであり、本名は基本的には明かされません。一人一人が専用のマシンを持っており、それぞれの特技を生かしてクライムの犯罪を暴き、最後は巨大な可変型戦闘用トレッカー・ヴィークル「スラングル」で敵を殲滅するという筋書きです。

 単純明快な戦闘アクションと言うよりも、スパイ・アクションの傾向が強い作品なのですが、これは企画段階から指向されており、基本ストーリーは往年の名作TVドラマ『スパイ大作戦』の影響を強く受けています。同時代の作品と比較してもキャラクターの年齢層が高めとなっており、特に紅一点のセクシィは劇中でたびたびヌードをさらしたり美貌を生かした潜入工作などを行ったりなど、単純明快なロボットアニメではありえないような活躍を見せています。初期のエンディング『LOVE IS MORE (愛にめざめて)』は色っぽい歌声と共にセクシィの後ろ姿が延々と流れ続けるという少年心を狙い撃ちにする仕様で、毎週大変楽しみにしていたことを思い出します。

 しかしスパイ・アクションという設定は難しかったようで、26話を境に大幅な路線変更が図られています。セクシィは重傷を負って退場し、スーパースターは特攻して戦死、追加メンバーとしてドーリィとシュガーが加入し、スラングルも支援メカのエアロ・マイティと合体して火力重視のハイパー・スラングルへと変型するようになります。オープニングとエンディングも変更され、より一般的なロボットアニメへと変化しましたが、その面白さは損なわれることなく1年という放送期間を無事に全うしています。いまだ「スーパーロボット大戦」シリーズに登場していないため知名度は低いのですが、高めの年齢層にヒットする設定やキャラクターが多いため、シナリオ面で面白い使い方ができるのではないでしょうか。

(ライター 早川清一朗)

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