碇シンジの「名ヘタレシーン」5選。人は弱い生き物、でもそこに魅力がある…!?
マグミクス / 2021年1月25日 17時10分
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■「できるわけがない」ネガティブ思考のオンパレード
『エヴァンゲリオン』の碇シンジといえば、マンガやアニメの王道的な主人公と違い、人見知り、メンタルが不安定、消極的……など、いわゆるヘタレと言われることも多いキャラクターですが、それでも多くのファンから愛されています。今回は、碇シンジの名ヘタレシーンを、これまで公開された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズから5つご紹介し、彼の魅力を探ります。
●エヴァンゲリオンへの搭乗拒否
まずは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の最初に出てくる「エヴァンゲリオンへの搭乗を拒否するシーン」です。ある日、長年離れて暮らしていた父から呼び出されたシンジは、再会して早々、エヴァンゲリオンで敵と戦うことを指示されるのですが、断固としてこれを拒否します。
もちろん、初めて見る「汎用ヒト型決戦兵器」なるものに乗っていきなり「戦え」というのがかなりの無茶ぶりであることはわかります。わかるのですが、物語の主人公であるならば、人類のために少しは前向きに考えてみてもいいはず。
その点シンジは「嫌だよ」「僕にできるわけがない」「できっこない」「こんなの乗れるわけがない」と、ネガティブ発言のオンパレード。『エヴァンゲリオン』最初の名シーンであるとともに、碇シンジのヘタレっぷりも全てはここから始まりました。
●八つ当たりで殴られてもイジイジ……
こちらも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』から。「クラスメイトの鈴原トウジに殴られるシーン」です。シンジがエヴァで戦ったとき、鈴原の妹が巻き添えを食らってケガをしたらしく、そのお返しにと、校舎裏に呼び出されたシンジは鈴原にグーで殴られてしまいます。
せっかく人類を守るために戦ったのに、感謝されるどころか殴られるなんて、シンジにとっては八つ当たりもいいところです。しかし、ここでもシンジはやり返すどころか文句のひとつも言い返しません。しかも、鈴原の去り際に「僕だって乗りたくて乗っているわけじゃないのに」と呟いた言葉にイラッとされ、もう一発殴られる始末です。無抵抗と言えば聞こえはいいですが、男としては覇気がなさ過ぎる名ヘタレっぷりでした。
■綾波レイとのヘタレシーンも…
作中でのシンジと他のキャラクターとの関わり方も、シンジの弱さや成長を浮き彫りにする。画像は『新世紀エヴァンゲリオン 公式ガイドブック』(角川コミックス・エース)
●裸で現われた綾波レイにタジタジ
続いては『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』から「裸で現われた綾波レイにただただドギマギするシーン」です。エヴァンゲリオンのヒロインのひとり、綾波レイの家に届け物をしに行ったシンジは、ちょうどシャワー室から出て来た裸の綾波レイとばったり遭遇。シンジはまともに言い訳もできず「あの・・・」「これはその・・・」とただただ取り乱します。
14歳の若い男子なら無理もないリアクションかもしれませんが、そこをとっても、表情ひとつ崩さない綾波とはかなりの違いが際だった名シーンでした。
●仲間を攻撃するぐらいなら自分が死んだ方がいい
続いては『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』から「アスカが乗ったエヴァンゲリオンに殺されそうになるも無抵抗を貫いたシーン」です。エヴァンゲリオン3号機にヒロインのひとり、アスカがテストパイロットとして搭乗しますが、そのエヴァが使徒に乗っとられてしまう事件が起こります。これの対処に向かったシンジですが、中にまだアスカが乗っていることを知ると「アスカが乗っているのなら攻撃できない」と、無抵抗でひたすらやられっぱなしに。
指揮官である父から「どうして戦わない? お前が死ぬぞ」と言われても「アスカを殺すぐらいなら自分が死んでいい」と言い放ちます。ヘタレというよりは一見カッコイイシーンではあるのですが、これが結果的に、自動操縦となったエヴァが行き過ぎた攻撃をしてしまうという、望まない結末を招いてしまいました。
●アスカに背中を蹴飛ばされる
最後は、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』から「アスカに背中を蹴られるシーン」です。親友となった渚カヲルの死を目の当たりにしたシンジは、アスカのピンチにも全く動けないほど茫然自失。アスカから「助けてくれないんだ? 私を?」と聞かれても無反応。イラッとしたアスカに思いっきり背中を蹴り飛ばされてしまいます。いくらアスカが気の強い性格とはいえ、女の子に背中を蹴られるというのはアニメ史上でもなかなか見ない衝撃的な名ヘタレッぷりでした。
このように碇シンジの名ヘタレっぷりを並べてみると、その言動にはシンジの「弱さ」だけでなく、彼の人としての優しさや信念なども詰まっています。そしてシンジ自身も自分の弱さをわかっているからこそ、「逃げちゃダメだ」のような、見ている人の心に響く名言も生まれるのでしょう。シンジがこの先どのように自分の弱さと向き合い戦っていくのか、公開が待たれる『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』で見届けたいと思います。
(吉原あさお)
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