ドラマ『ワンダヴィジョン』は、マーベル作品の未来に影響? 悲しきヒロインの物語
マグミクス / 2021年1月26日 18時40分
■なんでホームコメディ? ユニークで不気味な映像に隠された謎
2021年1月15日から、配信サービス「ディズニープラス」でマーベルスタジオ制作ドラマ『ワンダヴィジョン』が日米同時配信されています。『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の世界を舞台に、アベンジャーズのメンバーであったスカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフとヴィジョンのふたりを主人公に物語が展開します。
ワンダとヴィジョンが郊外のウエストビューという町に住み、そこでさまざまな変化を経験していくというストーリーですが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で死んだはずのヴィジョンがなぜいるのか? など、ドラマにはたくさんの謎が詰まっています。
同作はまた、同じ舞台やキャストで一話完結のストーリーを紡ぐ「シチュエーション・コメディ」の手法を取り入れています。『フルハウス』や『奥様は魔女』など、海外ドラマにおける一大ジャンルとして確立していますが、マーベルの映像作品では初めての試みです。
同作では異なる時代のさまざまなホーム・コメディのスタイルへ移り変わるのが特徴で、白黒の50年代や60年代前半から、よりファンキーな60年代、70年代と定番の80年代、そして最後に90年代へと変化していきます。懐かしのホーム・コメディを再現するために、スタジオの観客の前で実際にいくつかのシーンを演じているのも特徴です。
実験的な試みをしている同作はまた、監督であるマット・シャックマンの言葉を借りれば、『アベンジャーズ/エンドゲーム』後のマーベル映像作品群(MCU)のフェーズ4の幕開けを飾り、「今後のマーベル作品に大きな影響を及ぼす」という重要作にも位置づけられています。
ワンダを主役として映像化された理由についても明らかになっています。ヒーローとして多くの可能性を秘めながらも、ヴィジョンという大切な人を失った辛い過去を抱えている人物です。マーベルスタジオのケヴィン・ファイギ社長は「ワンダほど痛みやトラウマを経験したキャラクターはいない。そして彼女はMCU史上最も強いパワーを秘めたヒーロー」と語っています。
ワンダはキャラクターを掘り下げるドラマシリーズに非常にマッチしている人物と言えるでしょう。
■他の作品ともつながる!ドラマで注目したい「謎」
『キャプテン・マーベル』にも登場した、モニカ・ランボーの出演シーン (C) 2020 MARVEL
アベンジャーズの一員として映画でも活躍したワンダは、劇中ではテレキネシスやテレパシーなどを使ってましたが、コミック原作では最も強いパワーを持ったヒーローのひとりとも言われています。
その理由が、“現実改変能力”=今とは違う現実を作り出す力。あらゆる確率をコントロールして、さまざまなな可能性の世界を生み出すことができるというもので、コミックでは自身に不幸が重なったことでその能力を開放し、甚大な被害とともに「アベンジャーズ解散」という事態も引き起こしています。
他にもにも注目したい「謎」があります。ひとつは、ワンダの隣人として登場する「アグネス」というキャラクター。どの年代にも出てくるという不思議な人物で、マーベルファンの間では「アガサ・ハークネス」という魔女のキャラクターなのでは……と噂されています。アガサはマーベルキャラのなかでも最も古く、最も強力な魔女のひとりで、ワンダとの関係性も深い「魔女裁判の生存者」です。
ふたつ目は、『キャプテン・マーベル』に登場した少女モニカ・ランボーの登場。成長した姿で出てくる彼女がどのように描かれるのかも注目ポイントです。原作コミックでは2代目キャプテン・マーベルという設定もあり、『キャプテン・マーベル2』への出演も決定しています。
3つ目は、トレーラーでモニカが付けていたペンダント。このペンダントは剣をモチーフにしており、これは「S.W.O.R.D.」という組織のマークだと言われています。
原作では、キャプテン・マーベルと密接に関係している機関として知られています。これまでMCU作品に登場し、地球を監視して内部の脅威から地球を守ってきた「S.H.I.E.L.D」に対して、「S.W.O.R.D.」は宇宙を監視して地球外の侵略者や外部の脅威から地球を守る組織です。このことから、『ワンダヴィジョン』はキャプテン・マーベルとのつながりが強い作品になりそうです。
多くのアメコミ映像作品が公開される2021年の最初に公開されたマーベル作品が、この『ワンダヴィジョン』です。今後展開していく新たなMCU作品に関わってくるである同作は、アメコミ映画好きならぜひ押さえておきたい作品と言えるでしょう。
(大野なおと)
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