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『シン・エヴァンゲリオン』が公開延期に… 代わりに見たいSFロボットアニメ3選

マグミクス / 2021年1月29日 11時40分

『シン・エヴァンゲリオン』が公開延期に… 代わりに見たいSFロボットアニメ3選

■『エヴァ』への理解も深まるかも? 違いを考察するのも一興

 2021年1月23日に公開予定だった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。公開再延期が決定し、残念に感じた方もいるのではないでしょうか。すでに「エヴァンゲリオン」(以下、エヴァ)シリーズの予習が終わってしまった方に向けて、『エヴァ』と世界観の似ているSFロボットアニメを3作品ご紹介します。SNSでも「雰囲気が似てる」「『エヴァ』が好きな人ならきっとハマる」と評判です。

●『交響詩篇エウレカセブン』(2005年4月~放送)

『交響詩篇エウレカセブン』はアニメ制作会社ボンズが手がけたオリジナルアニメです。バンダイとボンズが中心となり立ち上げたメディアミックスプロジェクト「Project EUREKA」のひとつで、他にもゲームソフトやマンガ、小説などさまざまなプロジェクト展開が行われました。

 変わらない毎日に嫌気が差していた14歳の少年、レントン・サーストン(CV:三瓶由布子)。何もなくつまらない故郷・ベルフォレストを「最悪の町」だと思いつつ、その町を出られるわけもなく鬱々としていました。そんなある日、レントンの部屋に巨大ロボット・ニルヴァーシュtypeZEROが落ちてきます。ニルヴァーシュに乗っていた美少女・エウレカ(CV:名塚佳織)に好意を持つレントン。しかしエウレカは軍の巨大ロボットに狙われ、レントンを置いて交戦を始めて――?

 主人公が14歳の少年で父親は軍人かつ英雄とされており、以前世界を襲った大災害「サマー・オブ・ラブ」が起こっているなど、「エヴァ」シリーズとの類似点が多い本作。しかし10話までの雰囲気はだいぶ明るく、レントンとエウレカの恋愛にも重点が置かれています。11話以降は心象風景の描写や残酷なシーンが増えていき、物語にも一層深みが増してきます。仏教の教えや哲学的なテーマが随所に挟み込まれ、人間関係や設定が複雑なので、2周目も楽しめる作品です。なお、2021年初夏に劇場版『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の公開が予定されています。この作品は、「dアニメストア」「Netflix」「U-NEXT」などで見ることができます。

●『蒼穹のファフナー』(2004年7月~放送)

『蒼穹のファフナー』 (C)XEBEC・竜宮島役場

『蒼穹のファフナー』は、アニメ制作会社「ジーベック」が手がけたオリジナルアニメで、第2期や劇場版、OVAも制作されています。アニメシリーズの脚本は小説「マルドゥック・スクランブル」シリーズや『天地明察』等の著者・冲方丁氏が担当。第1期の前日談にあたるスペシャル番組『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』は、第10回文化庁メディア芸術祭の審査委員会推薦作品を受賞しています。

 日本の離島、竜宮島(たつみやじま)に住む真壁一騎(まかべ・かずき/CV:石井真)は、ある日どこからか「あなたはそこにいますか……」という声を聞きます。すると島中に警報が鳴り響き、子供たちは建物に避難させられ、大人たちは以前から訓練していたかのように戦闘配置に。突如空に現れた人型の敵は「フェストゥム」と呼ばれ、出撃した戦闘機も歯が立ちません。一方で、一騎は幼なじみの皆城総士(みなしろ・そうし/CV:喜安浩平)に「この島を守ってほしい」と、対フェストゥム用に作られた兵器・ファフナーに乗るよう懇願されます。ファフナーに乗ることを決めた一騎は、総士と通信しながらなんとか出撃しますが――?

 第1期のプロデューサーは、『新世紀エヴァンゲリオン』も手がけた大月俊倫氏。巨大ロボの操縦方法がシンクロシステムであることや人類同士での争いがあることなど、「エヴァ」シリーズとの類似点もありつつ、独自の作品として確立されています。子供たちを守ろうと奔走する大人たちをよそに、淡々と戦いが始まり静かに仲間が失われ、壮絶な展開が繰り広げられます。特に第6話の「翔空~ぎせい」の容赦ない展開には、言葉を失った視聴者もいるのではないでしょうか。現在、第2期の続編にあたるOVA(劇場で先行上映)『蒼穹のファフナー THE BEYOND』が、全12話中9話まで公開されています。この作品は、「dアニメストア」「Netflix」「U-NEXT」などで見ることができます。

●『ゼーガペイン』(2006年4月~放送)

『ゼーガペイン』 画像はANNIVERSARY BOX(バンダイビジュアル) (C)サンライズ・プロジェクトゼーガ

『ゼーガペイン』は「機動戦士ガンダム」シリーズを手掛けるアニメ制作会社「サンライズ」が制作したオリジナルアニメです。監督は『藍より青し』『セイバーマリオネットJ』などを手がけた下田正美氏。小説化・映画化に加えパチンコにも導入されており、名作との呼び声も高い作品です。

 県立舞浜南高校に通う1年生の十凍京(そごる・きょう/CV:浅沼晋太郎)は、自分で立ち上げた水泳部に所属する唯一の部員でした。幼なじみの守凪了子(かみなぎ・りょうこ/CV:花澤香菜)に頼まれ、彼女の撮る自主映画に出演していた京でしたが、撮影中プールにたたずむ美少女を見つけます。飛び込み台に立っていたその美少女・三崎紫雫乃(みさき・しずの/CV:川澄綾子)は何かを京に訴えかけますが、なぜか京にはその声が届きません。そのまま姿を消してしまった紫雫乃を探す京。ある日、京の部屋に突然現れた紫雫乃に導かれるまま、京はロボットに乗り戦うことになって――?

 訳が分からないまま、巨大ロボットに乗せられ戦うことになる京。紫雫乃に急な戦闘を頼まれても「(水泳部紹介の)ビデオに出てくれるなら」と交換条件を出すあたり、たくましい性格が見てとれます。デカルトやパスカルといった哲学者の名前も出てくるなど設定は奥深く、特に第6話で衝撃の事実が明かされます。「機動戦士ガンダム」シリーズのサンライズが制作しているとあってロボットは特に動きも良く、ほぼ3DCGを用いたメカの作画は必見です。当時ヒロイン役は初めてだった花澤さんの初々しい演技にも注目です。この作品は、「dアニメストア」「バンダイチャンネル」「Amazonプライム・ビデオ」などで見ることができます。

* * *

「『エヴァ』に似ている」と言われる作品でも、設定や内容にはかなりの違いがあります。しかし共通点があるということは、その作品を好きになる可能性が高いということでもあります。気になる作品があった方は、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開前に見てみてはいかがでしょうか。

※配信状況は記事掲載時点のものです。

(新美友那)

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