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世代違いライターが語り合う「ゲーム&ウオッチ」 ファミコンがない時代の熱狂とは…?

マグミクス / 2021年1月31日 17時40分

世代違いライターが語り合う「ゲーム&ウオッチ」 ファミコンがない時代の熱狂とは…?

■ファミコン版そのまま。ゲーム&ウオッチ『スーパーマリオ』

 1980年に『ゲーム&ウオッチ』が発売されてから、40年以上の月日が経ちました。2020年秋には任天堂が『スーパーマリオブラザーズ』35周年記念商品として、ゲーム&ウオッチ版『スーパーマリオブラザーズ』を発売し、話題となりました。子供のころに『ゲーム&ウオッチ』を遊んでいたライターの早川清一朗さんと、生まれたころにブームは過ぎ去っていたゲームライターの龍田優貴さんが語り合います。

* * *

――ゲームウオッチ版の『スーパーマリオブラザーズ』をプレイしてみていかがでしたか?

早川 こんな小さいハードウェアなのに、ファミコンのスーパーマリオそのままの感覚で遊べたことに驚かされました。十字キーやボタンがファミコンよりも小さいので操作は難しかったんですが、ゲームの内容はスーパーキノコやコインが隠されている場所もぜんぶ同じだったので、技術の進歩を感じましたね。

龍田 自分が『スーパーマリオブラザーズ』を初めて遊んだのはゲームボーイアドバンスのファミコンミニシリーズだったんですけど、今回『ゲーム&ウオッチ』では本当にそのまま再現されていたので良くできているなと思います。

――早川さんは『スーパーマリオブラザーズ』のリアルタイム世代ですが、当時の事を覚えていますか?

早川 発売されてからしばらく経ったころ、学校の友だちが『スーパーマリオブラザーズ』っていうゲームがすごいと教えてくれたんですよ。それで友だちの家に遊びに行ってやらせてもらったら、とても自由度が高くて面白いと感じました。

 あと、当時は裏技が流行っていたんですが、マリオの場合は意図的に仕込まれた隠し要素がたくさん用意されていて、何もない空間を叩いてアイテムを探したり、ワープを使って高速クリアをしたりと、調べつくし遊びつくすゲームとして非常に楽しめました。特に無限1upは友だち数人と一緒に試してみて、成功したときは皆で喜んだ記憶があります。

――龍田さんが遊ばれていたときはいかがでしたか?

龍田 「ファミコンミニ」版でやっていた時は、友だちのプレイを見るのがけっこう面白かったですね。最初からキノコを取らずに1-1を走り抜ける人もいれば、すごく慎重にノコノコもクリボーも全部倒していく人もいる。人によって違うプレイスタイルが生まれることに感動しました。

早川 ワープを駆使してさっさと進めちゃう人がいましたね(笑)。

龍田 地下のボーナスゾーンでコインを全部拾わずにそのまま行っちゃう人とか(笑)。

■友達との貸し借りでレートが高かった『ドンキーコング』

発売当時、特に子供たちに人気だったゲーム&ウオッチ『ドンキーコング』。マルチスクリーン構造で、ニンテンドーDSのデザインを彷彿させる

――早川さんは「ゲーム&ウオッチ」世代でもありますが、印象に残っていることはありますか?

早川 テレビCMのインパクトが大きかったですね。「ゲームウオッチ♪ ゲームウオッチ♪」というリズミカルな曲で、今でも何も見ずに全部歌える自信があります(笑)。

龍田 「ゲーム&ウオッチ」以前にゲームのCMは無かったんですか?

早川 任天堂の「カラーテレビゲーム15」などいくつかはあったようですが、自分も小さすぎてよく覚えていないんですよ。「ゲーム&ウオッチ」の後であれば、エポック社の「カセットビジョン」のCMを見た記憶があります。

――どんな「ゲーム&ウオッチ」で遊んだのかは覚えていますか?

早川 子供のころに『オクトパス』を買ってもらって遊んでいました。もう無くしてしまったんですが、最近『ドンキーコング』を手に入れたんですよ。ずっと欲しかったんです(笑)。

――マルチスクリーンの『ドンキーコング』は友だちの間でも羨望の的でしたね。

早川 豪華に見えましたよね(笑)。当時は友だちの間で「ゲーム&ウオッチ」の貸し借りをしていましたが、『ドンキーコング』は一番レートが高くて、借りるのが難しかったんですよ(笑)。

龍田 逆にレートが低かったタイトルはなんだったんでしょうか?

早川 自分の周囲では『オイルパニック』だった気がします。なぜか大勢持っていたんですよ。

龍田 「ゲーム&ウオッチ」で思い出したんですけど、「ゲームキューブ」の『大乱闘スマッシュブラザーズDX』に、「Mr.ゲーム&ウオッチ」っていう隠しキャラがいるんですよ。そういえば必殺技で『オイルパニック』のオイルを出したりしていました(笑)。

 そのころ僕も友だちも『ゲーム&ウオッチ』のことを知らなくて、真っ黒い人間が急に出てきたので「なんだこのキャラ?」と思いながらも、強いから使っていましたね(笑)。

早川 強ければ使いますよね(笑)。ところで、今日は実際に『ドンキーコング』を持ってきているので龍田さん遊んでみませんか?

龍田 貴重なものですよね? ……分かりました。

■日本ゲーム史の「遺産」のひとつに…?

新旧のゲーム&ウオッチを試遊する、龍田さん(左)と早川さん(右)

(龍田さんが「ゲーム&ウオッチ」の『ドンキーコング』をプレイ中)

龍田 すごく難しいですね(笑)。

早川 慣れるまではね(笑)。

龍田 樽が転がってくるグラフィックをパターンで表現しているのは、今考えるとすごいですよね。これがファミコンの発売前に遊べたんですよね? 売れますよ。

早川 めちゃめちゃ売れましたよ。子供たちは大熱狂(笑)。

龍田 当時のゲームって難しめに作られていたんでしょうか?

早川 すぐに飽きられたら困るから、難易度は高めにしていると思います。

龍田 でもこれくらいの方が面白いかもしれないですね。死んじゃってもすぐに始められますから(笑)。今は2秒で死にました(笑)。

早川 今のゲームはロード時間が長いですからね。

龍田 僕こんなにゲーム下手くそだったんだ(笑)。でも、当時としては、アーケードゲームが手のひらの上で遊べたというのは画期的だったんじゃないかと思います。

早川 画期的でしたね。それと『ドンキーコング』がすごいのは、後にファミコンで採用される十字キーを確立させたことなんです。

――上下移動があるからボタンだけではダメだったんですね。

龍田 40年近く経った今でも使われているのがすごいです。

――龍田さんが初めて触った携帯ゲーム機はなんだったのでしょうか?

龍田 ボクは「ゲームボーイ」ですね。確か、「ライト」か「ポケット」のどちらかだったと思います。そのころは『ポケットモンスター』がすごく流行っていて、みんなでポケモンばかり捕まえていた記憶があります。

――生まれたころにはもう携帯ゲーム機が普通に存在していた世代なんですね。

龍田 ただ、今はスマートフォンでゲームができますし、「ニンテンドーSwitch」も持ち運び可能なので、携帯ゲーム機というジャンルがほとんど消えちゃってるのが寂しいですね。

早川 最近では「ゲームギア ミクロ」のような携帯ゲーム機も発売されていますが、これは当時手に入れられなかった人のノスタルジーに訴えかける、コレクターズアイテムとしての傾向が強いですからね。今回のゲームウオッチ版『スーパーマリオブラザーズ』もそうでしょう。

龍田 この40年間で遊ばれてきたゲームの歴史のひとつなんでしょうか。

早川 日本のゲームの歴史には、まだまだたくさんの遺産が残っていることを示しているのだと思います。

(早川清一朗&龍田優貴)

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