最終回迎える「麒麟がくる」と関わり深いゲーム『鬼武者』…「本能寺の変」も納得の設定
マグミクス / 2021年2月6日 16時50分
■明智光秀の腹心がゲームの主人公
2020年1月19日から放送開始したNHKの大河ドラマ『麒麟がくる』が、2021年2月7日(日)にいよいよ最終回を迎えます。新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、ドラマは2020年4月から撮影が中断。6月7日から8月30日まで放送の中断がありましたが、いよいよ最終回の“本能寺の変”へ向けて盛り上がりを見せています。
長谷川博己さんが演じる主役の“明智十兵衛光秀”が、いかなる理由で本能寺に向かうのか……これまで歴史のなかで光秀が“本能寺の変”を起こした理由として50を超える説があるといわれていますが、今回の大河ドラマがいかなる結末を迎えるのか、興味がつきません。
その明智十兵衛光秀の甥(大河ドラマやゲームの説明書では「従弟」という設定)である“明智左馬介秀満”が活躍するゲームが、カプコンから2001年にPS2用ソフトとして発売された『鬼武者』です。
今回の大河ドラマでは“左馬助”を間宮祥太朗さんが演じているのですが、ゲーム『鬼武者』で左馬介のモーションキャプチャーを担当しているのは俳優の金城武さん。筆者の記憶では、実在の人物を取り込んでゲームのキャラクターとする手法に先鞭をつけたのが、この“鬼武者”であると記憶しています。
ゲームの時代設定は永禄3(1560)年。織田信長が今川義元と戦った“桶狭間の戦い”から1年後に美濃の国、斎藤義龍の居城である稲葉山城で起こる奇怪な事件が舞台となっています。内容は“戦国バイオ”と称されるように、カプコンがプレイステーション用ソフトとして1996年にリリースした『バイオハザード』とかなり近いもので、映画のワンシーンのような第三者視点からキャラクターを操作するシステムです。
実際、この『鬼武者』は『バイオハザード2』の開発過程でボツになったゲームエンジン(ゲームのプログラム)を採用しており、カプコン内での開発過程での仮名称も“戦国バイオ”だったとのことです。
■納得感のある「本能寺の変」の描き方
『鬼武者』は、金城武の声とアクションを体感できるのが大きな特徴だった。画像は『鬼武者』ニンテンドーSwitch版(カプコン)
とはいえこの『鬼武者』、発売当時のキャッチコピーが「空前絶後のバッサリ感」というものだっただけあり、「バイオハザード」シリーズと比較するとホラー的な要素は少ないように思います。
少しネタバレ的なことをお伝えすると、“鬼武者”は稲葉山城に巣食う“幻魔一族”にかつて滅ぼされた“鬼の一族”から“鬼の籠手”を与えられた左馬介が敵を斬り倒していく内容なのですが、巨大な敵が相手でも霊力を宿した“雷斬刀”“炎龍剣”“疾風刀”での特殊攻撃(戦術殻)を駆使すれば、何とか切り抜けることができます。
また、敵の幻魔を倒した後、×ボタンで籠手に魂を吸収すれば“体力”や“鬼力(戦術殻を使う為のパワー)”を回復させることができるので、「バイオハザード」で薬草も銃弾もない状態の絶望感に苛まされることもありません。
ちなみに途中でプレイヤーキャラが“くの一”の「かえで」に切り替わった際は“鬼の籠手”がないゆえ、戦闘もそれなりに苦労しますが、やはり敵キャラを刀でバッサリとやっつけていくアクションは爽快です。こうした特徴も、同作がPS2用ソフトとして初のミリオンセラーを記録した要因ではないでしょうか。
クリアした後の特典映像を見る限り、当初から“続編”の発売が予定されていたゆえ、エンディング自体は少しモヤっとする内容ですが、ゲームとしての完成度はかなりのもの。またこの物語ならば後の歴史にある「本能寺の変」の理由も合点がいきます。
2月7日に放送される『麒麟がくる』の結末がいかなるものになるか……クライマックスとなる「本能寺」では多くの視聴者が納得するスッキリとしたエンディングを期待したいところです。
(渡辺まこと)
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