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『カイジ』ほか藤原竜也出演の映画4作品。人気マンガの実写化はお任せ?

マグミクス / 2021年2月11日 18時10分

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■地上波初オンエア『カイジ ファイナルゲーム』

 さぁ、クズ人間たちの逆襲が始まります! シリーズ発行部数2100万部を超える人気コミックをベースにした実写映画『カイジ ファイナルゲーム』が、2021年2月12日(金)の「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)でオンエアされます。同作は2020年1月に劇場公開された作品で、今回が地上波テレビ初放映となります。

 ギャンブル好きな主人公・カイジを演じるのは、おなじみ藤原竜也さん。スマッシュヒットを記録した『カイジ 人生逆転ゲーム』(2009年)、『カイジ2 人生奪回ゲーム』(2011年)に続く、3度目の登板です。

 缶ビールを手に「あ~、キンキンに冷えてやがる。悪魔的だぁ」と叫ぶ台詞や、カイジと同じように底辺生活を送る若者たちを「クズ!クズ! クズの人生ただ繰り返して死んでいくだけだ」とディスるなど、思わず真似したくなるパワーワードが次々と飛び出します。

 コミック原作の実写化映画で、さまざまなアクの強いキャラクターを演じてきた藤原竜也さんの魅力を探ります。

■ビジュアルではカイジにまったく似ていないが……

 はっきり言って、藤原竜也さんは福本伸行氏が描く原作コミック『賭博黙示録カイジ』(講談社)の主人公・伊藤開司にはまったく似ていません。藤原さんは丸顔ですが、原作のカイジの顔は細長く、アゴが突き出ています。とても鋭角的な印象があります。でも、実写版のカイジといえば、藤原さんの当たり役となっいます。缶ビールを飲みながら「悪魔的だぁ」と叫ぶとき、藤原さんはカイジと一心同体化しています。

 藤原さんは結婚して家庭を持っていますし、俳優仲間からは慕われています。お酒はかなり好きなようですが、決してクズ人間ではありません。でも、カイジとはある部分がそっくりです。

 埼玉県秩父市出身の藤原さんがデビューしたのは15歳のとき。池袋を歩いていたところをホリプロの社員から声をかけられ、オーディションに参加します。このオーディションで、演出家の蜷川幸雄氏に見出され、演技経験がまったくなかったにもかかわらず、舞台『身毒丸』のロンドン公演でいきなり主演デビューを果たすことになります。

 鬼演出家として知られる蜷川氏の指導は厳しく、「ヘタクソ」「若さがない」「不勉強」とダメ出しの嵐だったそうです。それでも藤原さんは天性の才能を努力で開花させ、『身毒丸』の後も、シェイクスピア劇『ハムレット』や井上ひさし作『ムサシ』など難易度の高い舞台の数々を成功させてきました。ギリギリに追い詰められた状況でこそ真価を発揮する、という点では、藤原さんとカイジはぴたりと一致するのです。

 9年ぶりに主演した『カイジ ファイナルゲーム』では、福本氏が考案したオリジナルゲーム「バベルの塔」や「ドリームジャンプ」で、カイジは生きるか死ぬかの大勝負に挑みます。舞台でたびたび共演してきた吉田鋼太郎さん扮する敵役・黒崎との熱いバトルも、大きな見どころとなっています。

■実写化ブームを過熱させた『デスノート』の演技バトル

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 藤原竜也さん主演のヒット作といえば、『デスノート』『デスノート the Last name』(2006年)も忘れられません。松山ケンイチさんと共演した『デスノート』二部作が大ヒットしたことで、人気コミックの実写化ブームが過熱したと言っても過言ではありません。でも、なぜ藤原さんはコミック原作の実写化企画に起用されることが多いのでしょうか。

 二次元上のキャラクターを、実写映像化して生身の人間が演じることは容易ではありません。下手すると、痛いコスプレショーになってしまいます。原作のファンから、バッシングされる可能性もあります。

 藤原さんの場合は、若々しい容貌に加え、舞台出身者ならではのちょっとオーバーな台詞まわしが、現実世界とは異なるコミックの世界観とマッチしやすいのではないでしょうか。二次元の世界と現実世界との、よき仲介者となっているように感じます。また、舞台で鍛えてきた基盤があるからこそ、大量殺人を重ねながら理想社会を築くことを夢想する夜神月/キラのような難しい役にも果敢に挑むことができるようです。藤原さんの思いきりのよさと役への集中力は、多くの共演者が称賛しています。

 一方、『デスノート』のL(エル)役でブレイクした松山ケンイチさんは、細かいディテールを積み重ねることで、役になり切っていくタイプです。演技タイプの異なるふたりが火花を散らす面白さが、実写版『デスノート』にはありました。

■『るろうに剣心』ではラスボスを大熱演

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 藤原さんが挑んだ難役として、『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』(2014年)のラスボス・志々雄も挙げることができます。志々雄は顔も含めて全身を包帯に覆われており、顔の表情を見せることができません。しかも、藤原さんは撮影途中からの参加でした。かなりハンデがあるなかで、明治政府に騙された恨みを持つ悪役・志々雄を実にエネルギッシュに演じてみせています。

 他にもコミック原作の実写化映画として、有村架純さんとの共演作『僕だけがいない街』(2016年)も高く評価されています。リバイバルというタイムリープ能力を持つ主人公の葛藤を、藤原さんは繊細に演じています。この作品は、少年期に起きた連続殺人事件の真犯人を探し出すというミステリーでした。藤原さんが出演したコミック原作の実写化映画は、どれもサスペンスタッチの作品です。キャラクターの再現度よりも、物語展開に比重が置かれていることも、実写化に成功している要因のひとつでしょう。

 最後にもう一度、藤原さんにとっての師匠である蜷川幸雄さんとのエピソードを。若い頃から、蜷川さんに厳しくダメ出しされてきた藤原さんですが、「今はすべてわかろうとしなくていい。いずれ理解する時が来るから」とも言われたそうです。藤原さんが俳優として大きく育つことを、2016年に亡くなった蜷川さんは期待していたことが分かります。藤原さんは、まだまだ成長過程にある俳優なのかもしれません。

 いつか、もっと年齢を重ねた藤原さんが演じるカイジも観てみたいものです。きっと、さらに味わい深いクズ人間を演じてみせるのではないでしょうか。

(長野辰次)

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