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『炎』以外にも名曲多数! 梶浦由記さんの手がける神アニソン3選

マグミクス / 2021年2月13日 7時10分

『炎』以外にも名曲多数! 梶浦由記さんの手がける神アニソン3選

■切なさ、悲しさ、渇望…胸に迫る梶浦由記さんの音楽

 アニソン歌手・LiSAさんの歌う『炎』は、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌として大ヒットを記録しています。そしてこの名曲をLiSAさんと共に作詞し作曲・編曲を手がけたのは、作曲家の梶浦由記さんです。梶浦由記さんはアニメ『鬼滅の刃』のエンディングテーマ 『from the edge』をはじめ、他にも多数の名アニソンを手がけています。そこでこの記事では、梶浦由記さんの手がける神アニソンを3曲ご紹介します。SNSでも「聴いた時は衝撃だった」「聴けば聴くほど味が出る」と評判です。

●『あんなに一緒だったのに』(2002年)TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』エンディングテーマ

『あんなに一緒だったのに』は、作編曲を梶浦さん、作詞を石川千亜紀さん、歌唱を音楽ユニット・See-Sawが担当した曲です。オリコンチャートでは週間ランキング5位を獲得し、2クールにわたって主題歌として使用されました。

 第1話のエンディングから、どこか暗い表情をした登場人物たちの様子とともに使用された『あんなに一緒だったのに』。切なく悲しげなメロディーに、登場人物たちの心情が重なります。特にタイトルにもある歌詞「あんなに一緒だったのに 夕暮れはもう違う色」は、幼なじみなのに敵同士となったキラ・ヤマト(CV:保志総一朗)とアスラン・ザラ(CV:石田彰)の悲しい状況を、情感たっぷりに表しているといえます。

 敵対する立場とお互いを思う気持ちのはざまで葛藤する、キラとアスラン。その葛藤やすれ違いは、「ありふれた優しさは君を遠ざけるだけ」「運命とうまく付き合って行くならきっと 悲しいとか寂しいなんて言ってられない」といった歌詞にもよく表れています。独特で少し悲しげなSee-Saw・石川千亜紀(現:石川智晶)さんの声が曲調とマッチし、『あんなに一緒だったのに』は「機動戦士ガンダム」シリーズのなかでも人気の高い曲となりました。また、名アニソンと名高い挿入歌『暁の車』(FictionJunction YUUKA)やHDリマスター版のエンディングテーマ『Distance』(FictionJunction)も、作詞・作編曲を梶浦さんが担当しています。気になる方はぜひこちらもお聴きください。

●『I beg you』(2019年)劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel] 第2章 lost butterfly』主題歌

『I beg you』は作詞・作編曲を梶浦さんが、歌唱を歌手・Aimerが担当した曲です。オリコンチャートでは週間・デイリーランキング共に1位、Billboard JAPANの「Hot Animation」では1位を獲得しました。

 劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel] 第2章 lost butterfly』の主題歌として、劇場ではエンドロールと共に流れた『I beg you』。不思議さと狂気が入り混じったメロディーにAimerの少し癖のある声が合わさり、映画のヒロイン・間桐桜(まとう・さくら/CV:下屋則子)の底知れぬ闇が表現されています。映画終盤の展開とあわせて、SNSでは「本当に鳥肌が立った」「ぴったり合いすぎててびびった」と賞賛の声が寄せられました。

『I beg you』の「beg」は、英語で「請い求める、懇願する」という意味です。本曲の歌詞は「あわれみを下さい」「暗くなるの、側にいて」など、耐え難い状況でまさに「愛を乞う」桜の胸の内が描かれています。特に終盤の「離さないで」「側にいて」とひたすら繰り返す部分からは、悲しく、狂気すら感じる強い愛が感じられます。幻想的でありながら視聴者をどこか不安な気持ちにさせる『I beg you』。一度はまるとなかなか抜け出せない、沼のような中毒性のある曲です。

●『Magia』(2011年)TVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』エンディングテーマ・挿入歌

『Magia』は作詞・作編曲を梶浦さんが、歌唱をボーカルユニット・Kalafinaが担当した曲です。オリコンチャートでは週間ランキング7位、Billboard JAPANの「Hot Animation」では2位を獲得しました。

 第1話の冒頭で、「ワルプルギスの夜」と戦う暁美ほむら(あけみ・ほむら/CV:斎藤千和)たちのバックに流れる『Magia』。その後本曲はしばらく流れませんが、衝撃の展開で話題となった第3話で、初めてエンディングテーマとして流れます。これまでの明るい展開がくつがえされたうえ、暗いシルエットのみで描かれた作画と相まって、衝撃を受けた方もいるのではないでしょうか。どこか異国情緒を感じるメロディーにベースの重低音が響くこの曲は、魔法少女の行く末を思わせる絶望感と、「それでも願いを叶える」という彼女たちの思いの強さが感じ取れます。

 ラテン語で「魔法」という意味のある『Magia』。『魔法少女まどか☆マギカ』の完成脚本を読んでから書かれたこの歌詞は、「闇さえ砕く力で 微笑む君に会いたい」「想いだけが頼る全て 光を呼び覚ます 願い」など、とあるキャラクターの心情や物語の展開を暗示したものになっています。特にエンディングテーマとして流れなかった2番の歌詞は物語の核心に迫る内容となっているため、すでにアニメを見終わった方はぜひご確認ください。また、エンディングテーマの作画は歌詞の進行と合わせられているようにも見えます。魔法少女たちの横を鹿目まどか(かなめ・まどか/CV:悠木碧)が通り過ぎていき、ほむらだけが振り返り引き止めている点にも注目です。

* * *

 聴くと一気に世界観に引き込まれ、心を揺さぶられる梶浦由記さんのアニソン。歌手の特徴を存分に活かしつつ作品世界を歌詞に色濃く反映する梶浦さんは、この3曲以外にも数々の名曲を生み出しています。お気に入りの曲があった方は、梶浦さんの他の曲も聴いてみてはいかがでしょうか。

(新美友那)

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