全員ご健在！『ウルトラ』主演俳優の今。ハヤタ82歳、ダン77歳、現在も精力的に活動

■YouTubeにファンミーティング…顔を合わせれば「飲みに行く」

「科学特捜隊のメンバーは今も飲みに行くことがあるそうです」

　この2021年で『ウルトラマン』は放送開始55周年を迎え、夏には庵野秀明監督による『シン・ウルトラマン』の公開も控えており、コロナ禍でありながら特撮業界はますます盛り上がりをみせています。冒頭の証言は『ウルトラマン』でハヤタ隊員を演じた黒部進さんのインタビューでの発言です。

　放送当初は27歳だったハヤタ隊員も、今では81歳。2019年に登壇されたイベントで「90歳になってもイベント出ます」と宣言し、ファンを歓喜させました。現在は、週に3～4日はジムに通い、スイミングとウォーキングにいそしむなど、健康的な生活を送っていらっしゃいます。

　ハヤタ隊員だけではありません。年長であったムラマツキャップ（演：小林昭二）こそ亡くなられてしまいましたが、若手隊員を演じられた俳優はみなご健在です。

　フジ・アキコ隊員役の桜井浩子さんは現在74歳。イデ隊員役の二瓶正也さんは80歳。アラシ隊員役で「ババア、長生きしろよ！」でもお馴染みの毒蝮三太夫さん（当時のクレジットは石井伊吉）は84歳。TBSラジオ「土曜ワイドラジオTOKYOナイツのちゃきちゃき大放送」のコーナーで変わらず毒を吐きまくっています。

　黒部さん曰く、このメンバーとは今もイベントなどで顔をあわせると「必ず飲みに行く仲間」とのこと。現実とフィクションの境界を超えた友情……こみ上げるものがあります。
　
　また『ウルトラマン』のもうひとりの主役を忘れてはなりません。スーツアクターであり『ウルトラセブン』ではアマギ隊員を演じた古谷敏さんは現在77歳。細身のスタイルは今もなお変わらず、YouTubeチャンネルも開設されています。

■往年のウルトラヒーローと「コロナ禍」を共有

森次晃嗣さんとひし美ゆり子さんによる対談集『ダンとアンヌとウルトラセブン』（小学館）

　ご長寿なのは科特隊メンバーだけではありません。続く昭和のウルトラシリーズの主演俳優陣の活躍ぶりを、駆け足ながら紹介していきます。

『ウルトラセブン』でモロボシ・ダンを演じた森次晃嗣さんは現在77歳。俳優業のかたわら湘南にカフェレストランを経営されていることは有名ですが、最近では店内をスタジオに、リモートでのファンミーティングを開催されています。再放送のたびに注目を集める永遠の特撮ヒロイン・アンヌ隊員役のひし美ゆり子さんも現在73歳です。そんなふたりの対談集『ダンとアンヌとウルトラセブン』（小学館）が、2021年2月10日に発売されました。

『帰ってきたウルトラマン』で主役・郷秀樹を演じた団時朗（クレジットは団次郎）さんは72歳。最近ではTBSドラマ『ニセコイ』にもご出演されています。『ウルトラマンA』で北斗星司役を演じた高峰圭二さんは74歳。『ウルトラマンZ』第19話「最後の勇者」で声の出演を果たし、ファンを大いに沸かせてくれました。

　また、南夕子役の星光子さんは現在72歳。一度、女優業を引退されましたが、のちに復帰。最近の日課は旦那さんとふたりでのサイクリングだそうです。『ウルトラマンタロウ』で東光太郎を演じた篠田三郎さんも72歳。今なお映画やドラマ、そして舞台と幅広く出演していらっしゃいますし、『ウルトラマンレオ』のおおとりゲン役の真夏竜さんは70歳。一度、大病を経験されましたが復帰を果たし、現在は「民話」の語り部としての活動に力を入れています。また、「真夏竜の獅子の独り言」と題してTwitterも頻繁に更新しているので要チェックです。

　さて、『ウルトラマン80』で矢的猛を演じた長谷川初範さんは65歳。本来、もう年金を受給できる年齢のはずなのに、先輩たちの存在があるせいか、まだまだ“若手”とすら思えてきます。

　後半はやや駆け足にウルトラシリーズ俳優陣の今を紹介しました。昭和のウルトラヒーローを演じられた方々がご健在であること。そこには喜ばしさを超えた神秘性すら感じます。地球を救ってくれたヒーローたちが、私たちと同じ時代を共有している……コロナ禍で不安な昨今、なんと心強いことでしょうか。

　最後に……ウルトラシリーズの元祖『ウルトラQ』の主演俳優はというと、戸川一平を演じた西條康彦さんは81歳。万城目淳を演じた佐原健二さんは現在88歳。おふたりとも、ご健在です。

（片野）